当院治療に関するカルタヘナ法措置命令への対応ついて

　医療法人社団DAP 北青山D.CLINIC（院長：阿保 義久）は、厚生労働省および環境省より、当院で提供していた遺伝子治療（CDC6shRNA治療）に関して、カルタヘナ法（遺伝子組換え生物等の使用等の規制による生物の多様性の確保に関する法律、平成15年法律第97号）第10条第1項に基づく措置命令を受けました。

　今回の措置は、当院が使用していた非増殖型レンチウイルスベクターについて、これまで規制対象外と解釈していたものが、法改正後の厚生労働省見解によりカルタヘナ法の許可が必要とされたことによるものです。

　なお、本件は許可手続上の不備を指摘されたものであり、遺伝子組換え生物の拡散や周辺環境・人体への直接的な影響が生じたものではありません。

　当院はこのたびの事態を厳粛に受け止め、患者および関係者の皆様に深くお詫び申し上げるとともに、関係省庁のご指導のもと必要な申請・手続きを速やかに進め、再発防止と体制整備に取り組んでまいります。

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経緯と現状

●2009年

治療開始にあたり厚生労働省に合法的な実施方法を確認し、自由診療として提供、海外製剤は医師個人輸入により確保するよう指導を受け、その方針に従い継続してきました。

●使用ベクターの解釈

非増殖型レンチウイルスベクターについて、

・複製能力を持たず自然条件下で組換えを起こす可能性が極めて低いこと

・「自然条件において核酸を交換し得るウイルス又はウイロイド」に該当しないこと

・当時のGILSPリストにも含まれていなかったこと

から、規制対象外と判断していました。

●2025年1月末

厚労省主催の教育研修会で、当該ベクターもカルタヘナ法規制対象と示されました。

●2025年2月以降

治療継続や猶予措置の可否について厚労省へ打診しましたが、違反の可能性がある旨の指摘を受けました。

●2025年6月2日

厚労省・環境省からカルタヘナ法第30条に基づく「報告徴収」通知を受領しました。

●2025年6月3日

当院ウェブサイトでの治療情報を停止しました。

●2025年6月12日

使用状況・拡散防止措置・検討経緯・講じた処置をまとめた報告書を厚労省に提出しました。

●現在

関係省庁の指導のもと、カルタヘナ法の許認可申請準備を進めております。

今後の対応につきまして

当院は開設以来、法令遵守と患者の安全を最優先に、医療の質向上に努めてまいりました。今回措置対象となった遺伝子治療についても、治療開始当初から厚労省担当窓口への確認や公開リストの精査を行い、当該非増殖型レンチウイルスベクターはカルタヘナ法の規制対象外との理解のもと、当局の指導・指示に従い、その許可の下で使用製剤を輸入・使用しつつ、遵法精神に基づき提供を継続してまいりました。逐次情報を集め、適法性を確保しながら患者への治療を継続する方法を模索してきたものです。令和7年1月の厚労省主催の研修会において、初めて当該ベクターも規制対象と示されたことを受け、今回の措置命令に至りました。

今回の措置を真摯に受け止め、必要な報告・申請・体制整備を速やかに進めるとともに、本治療を必要とする患者に対し治療提供をできるだけ早期に再開できるよう、医療機関としての責任を一層強化してまいります。

特に当院は、スキルス胃がんや膵臓がんといった難治性がんの患者に対して、これまで国内外から高い評価をいただき、実際に生存期間や生活の質の改善において成果を示してまいりました。法外な治療費や不透明な診療体制が問題視された一部の医療機関とは一線を画し、適正な診療体制と医師主導のもとで治療を提供してまいりました。

今後は、

1. 報告徴収通知に基づく対応の完了

2. カルタヘナ法の正式な許認可申請を速やかに実施

3. 患者への個別説明と公式サイトでの進捗公開

4. 再発防止と院内体制の強化

5. 難治性がんをはじめとしたがんに対しての治療実績を踏まえた研究・臨床の継続と発展

を徹底し、1日も早く本治療の提供が必要な患者に治療を再開できるように全力を尽くしてまいります。

クリニック概要

クリニック名　： 北青山D.CLINIC

院長　　　　　： 阿保 義久

所在地　　　　： 〒150-0001　東京都渋谷区神宮前3-7-10 ARK WISE BLDG.

クリニックサイトURL　　　： https://www.dsurgery.com/