打楽器奏者/作曲家・會田瑞樹、リトアニアの聴衆から大喝采に包まれ聖クリストファー室内合奏団シーズンオープニングコンサート熱演。自らの新作《Stardust》含む三作品世界初演。新たな友好関係を模索。
會田瑞樹は9月26日、リトアニア・ヴィリニュスにおいて聖クリストファー室内合奏団シーズンオープニングコンサートにソリスト、作曲家として招聘。場内スタンディングオベーションによる圧倒的成功を収めました。
聖クリストファー室内合奏団は1994年、指揮者ドナトス・カクタスの呼びかけにより結成。建国間もない当時のリトアニアにはプロフェッショナルな弦楽合奏団はなく、楽団名はヴィリニュスの遷都ゆかりの守護聖人聖クリストファーの名前に因んでおりその先進性が注目を集めました。バロック作品から近現代作品まで幅広いレパートリーを誇り、現在は1983年生まれの若手指揮者モデスタス・バルカウスカスが二代目音楽監督を担い、奏者も若手から創設メンバーまで幅広い世代の奏者が在籍しています。
會田瑞樹との初共演は2018年、リトアニア出身でオーケストラアンサンブル金沢首席コントラバス奏者を務めるダニエリス・ルビナスの紹介により、権代敦彦作品の初演を担いました。そこから音楽的交流が深まり、2020年、杉原千畝を記念する特別演奏会へのソリスト招聘が決定。しかし、その後世界的に猛威を振るうcovid-19の影響の中、渡航の自粛が求められ、公演の実現のために選択した手段が「リモート演奏」による共演でした。あらかじめ會田瑞樹はクリック音を聴きながら独奏パートを収録。直ちに映像と音声をリトアニア側に送付。こうして実現した公演において、會田瑞樹作曲《Sutartinés》佐原詩音作曲《Chiune》が世界初演され、現地リトアニアでは史上初の試みとして大々的に報じられました。中でも會田作品においては、「シュニトケ作品に次ぐリトアニアを象徴する作品(7md 誌)」等の絶賛を受けました。
このような音楽的結びつきを6年にわたり継続して行い、2018年以来6年ぶりとなる會田瑞樹のリトアニア訪問は様々な困難を乗り越え、公演の実現に至った両者の大きな喜びに包まれて開幕。公演には駐リトアニア全権大使尾崎哲氏夫妻も列席の中、全作品が日本人作曲家による極めて稀な公演が、ヴィリニュス中心街、1500年代に作られ、現在はコンサートホールとしてその荘厳な雰囲気を今に伝える聖カトリーヌ教会で開演となりました。
第一曲目は小山清茂作曲《アイヌの唄》桐朋学園オーケストラがアメリカツアーを開催する際に委嘱された作品で、その力強い響きはまさに東洋由来のもの。オプションとして打楽器が参加可能となっているこの作品に會田瑞樹はルーツを山形県に持ち、祖父母由来の「會田家法被」を着用し、東洋の活気を太鼓の音色に込める。
第二曲目は吉松隆作曲《鳥は静かに…》楽団は本作品を2018年から継続して演奏を行なっており、静謐な響きが会場に染み渡る。
第三曲目は會田瑞樹作曲《Stardust –Concerto for Vibraphone and Strings Orchestra–》世界初演。ジャズ・ヴィブラフォンの魅力を決定的なものとしたライオネル・ハンプトンが演奏するSuatdustへの深い敬意を込めたタイトル、聖カトリーヌ教会という初演会場に相応しい「鐘の主題」が循環形式で緊張感が高められ、創建当時の教会の神々しさを今に蘇るフィナーレを作り上げる単一楽章、24分の大作に大きな歓声が上がった。
第四曲目は薮田翔一作曲《Gush Ⅱ》ヴィブラフォンと弦楽オーケストラ版世界初演は、弦楽器のそれぞれの独奏が印象深く刻み込まれ、8分という短さながら深いエネルギーが持続した音楽はその一瞬性にも大きな期待が寄せられた。
第五曲目は佐原詩音作曲《Aqua Caustics》ヴィブラフォンと弦楽オーケストラ版世界初演は、フランス六人組を思わせる洒脱な和声に彩られ、極度な変拍子の中でも終始歌心の持続した可憐な音楽で楽章間ごとに熱い拍手が寄せられた。ミヨーやバルトークを思わせるクラシック音楽の文脈を的確に捉えた楽曲と言えよう。
會田瑞樹は五作品中実に四作品に登壇、内、3作品は協奏曲、1作品は自らが作曲を手掛けた大作を類稀な集中力で弾き切ることとなりました。その結果はこの熱狂的な声援がそれを示してくれているものと思い、モデスタス、オーケストラのメンバー、素晴らしい作曲家の皆様、そしてお客様に深く感謝の思いでいっぱいです。
本公演に際してはリトアニアの数多くの財団だけでなく、日本からは業務スーパージャパンドリーム財団の支援を受け、開催に至ったことも心から御礼申し上げます。また本公演はLRT(リトアニア国営放送)による高音質収録が行われ、後日の配信を予定しております。
日本とリトアニアの関係は年々着実に深まっております。音楽家として會田瑞樹の国際的な文化交流活動は、今後も多くの方々との協力が必要不可欠になってまいります。日本国は1991年にリトアニアを承認以降、1997年にヴィリニュスに日本国大使館を設置、1998年には東京にリトアニア大使館が設置されました。来るべき記念年に対して、30年以上の歴史を持つ聖クリストファー室内合奏団の史上初となる日本ツアーを実現するための一歩を模索し、會田瑞樹自身もより発展的で友好的な両国関係を築くべく、様々な提案を実現したいと考えております。是非とも今後とも関係各位の皆様におかれましては、ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
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