高効率で環境負荷を大幅に低減する金属リサイクル技術の開発に向け三菱マテリアルと共同研究を開始
株式会社エマルションフローテクノロジーズ(本社:茨城県那珂郡東海村、代表取締役社長:鈴木裕士、以下「EFT」)は、新規溶媒抽出技術「エマルションフロー」による高効率で環境負荷の低い金属リサイクルプロセスの構築に向け、三菱マテリアル株式会社(本社:東京都千代田区、執行役社長:小野直樹、以下「三菱マテリアル」)との間で共同研究を開始しました。
EFTは、国立研究開発法人日本原子力研究開発機構(以下「原子力機構」)の開発した溶媒抽出技術「エマルションフロー」を活用した事業を展開するベンチャー企業であり、2021年4月5日に設立され、同年6月3日に原子力機構発ベンチャー企業として認定されました。このエマルションフロー技術は溶媒抽出技術の一つであり、液の混合状態を工夫することで、高効率な抽出と大幅な環境負荷低減を可能とした革新的な手法です。EFTは、このエマルションフロー技術を活用したレアメタルリサイクル事業、ならびに、エマルションフロー技術の普及を目的としたトータルサポート事業を展開しています。
この度EFTは、このエマルションフロー技術を用いた高効率で環境負荷の低い金属リサイクルプロセスを構築するため、三菱マテリアル中央研究所との間で共同研究を開始しました。エマルションフロー技術では、従来の溶媒抽出法と比較して、装置の小型化や制御の自動化が容易であること、ランニングコストを低減できること、装置が密閉構造に近いため無臭の作業環境が実現できること、油水分離能力が高く排水による環境負荷が小さいこと等がその特色として挙げられます。本共同研究では、このエマルションフロー技術の特色を生かした条件最適化、プロセス設計や装置開発を進め、エマルションフローによる金属リサイクルの事業化を見据えながら、高効率で環境負荷の低いリサイクルプロセスの構築に取り組んで参ります。
■エマルションフロー技術説明
溶媒抽出とは、物質の分離・精製手法の一つであり、互いに交じり合わない液相間における物質の分配を利用することで、目的成分のみを選択的に抽出するための技術です。例えば、抽出剤を含む油相と金属イオンを含む水相を混ぜ合せることで、油相と水相の界面において、抽出剤が金属イオンと結合します。その後、重力による油相と水相の分離を待てば、油相側に金属イオンを抽出することができます。このように、従来の溶媒抽出技術では、液相どうしを「混ぜる」、「置く」、「分離する」の3工程を必要としますが、エマルションフローは「送液」のみで、これら3つの工程をすべて同時に行うことが可能な革新的技術です。そのため、エマルションフローは従来技術の10倍以上の生産能力を可能とし、ゆえに従来比1/10以下のダウンサイズに加え、1/5以下のランニングコスト削減を実現できます。また、ほぼ密閉構造のために無臭で快適な作業環境を実現するとともに、IoT管理による自動化も容易なために、人件費の削減にもつながります。さらに、エマルションフローの有する高い油水分離能力は、水相の廃水処理における環境負荷の低減を可能にします。そして最近では、このエマルションフローを進化させ、従来比100倍の生産能力と99.99%以上の高純度化、また、レアアース元素同士のように分離が難しい元素間の相互分離を可能にする「多段エマルションフロー」の開発にも成功しています。この多段エマルションフローは、低コストで高効率にレアメタルの高純度精製が可能な唯一の方法であり、EFTの事業のコア技術となります。
三菱マテリアル概要 名称 三菱マテリアル株式会社 本社所在地 東京都千代田区丸の内三丁目2番3号 代表者の役職・氏名 執行役社長 小野直樹 資本金 119,457百万円 設立年月日 1950年4月1日 公式サイト https://www.mmc.co.jp |
EFT概要 名称 株式会社エマルションフローテクノロジーズ 本社所在地 茨城県那珂郡東海村大字白方2番地5 代表者の役職・氏名 代表取締役社長 鈴木裕士 資本金 45.5百万円 設立年月日 2021年4月5日 公式サイト https://emulsion-flow.tech |
<お問い合わせ先>
株式会社エマルションフローテクノロジーズ
広報担当:熊谷
https://emulsion-flow.tech/contact
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