社会人学習状況実態調査レポート|第1弾:社会人の勉強時間編
社会人の6人に1人しか勉強せず!

株式会社BELLOWL(東京都中央区、代表取締役CEO:鈴木 康代、以下「BELLOWL」)は、「普通の範囲を拡張」する市場を創るため、マーケティング・リサーチ/コンサルティング事業を展開しながら、様々な調査を行なっています。
近年「社会人のリスキリングの必要性」が言われています。令和4年に経済産業省が発表した「未来人材ビジョン」は大きな話題になりました。特に「社外学習・自己啓発を行なっていない人の割合」で日本は46%と、2位のニュージーランドを大きく引き離して1位となり、大きな反響がありました。それを受けて私たちは、実際に社会人はリスキリング・勉強に対してどのように向き合っているのかを明らかにしたいと考え、社会人1,200名を対象に、社会人の学習状況の実態に関する調査を行いました。
本調査リリースでは、第1弾として「社会人の勉強時間」にフォーカスを当ててレポートいたします。本調査の結果、社会人の6人1人しか勉強していない実態が浮き彫りになり、特に一般社員が勉強できていないことが明らかになりました。
■調査概要
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調査主体:株式会社BELLOWL
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調査方法:インターネットによるアンケート調査
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調査期間:2024年3月4日〜8日
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調査回答者:
「企画が圧倒的に多い」「企画7割」「運用7割」「運用が圧倒的に多い」の職種ごとに、
それぞれ「経営者・役員」「中間管理職(課長・部長)」「主任・一般社員」を
100名ずつ、合計1,200名
〜各職種内訳〜
・企画が圧倒的に多い:経営企画、コンサルタント(戦略)、新規事業企画、
商品企画、サービス企画
・企画7割:財務、人事企画、コンサルタント(シニアマネージャークラス)、
事業企画(既存事業の運用改善)
・運用7割:経理(製造業、需給予測が発生する)、広報、営業、データ分析、
人事(研修担当/採用担当)、コンサルタント、マーケター
事業部バックオフィス(部門人事、部門総務)、システムエンジニア
・運用が圧倒的に多い:経理(人的サービス)、法務、総務、情シス、
人事(給与振込/労組対応)、プログラマー、カスタマーサクセス、
サプライチェーン担当(工場生産、運輸系)
勉強している社会人は6人に1人に止まる
■リスキリングの必要性が叫ばれている中、勉強している社会人は16.7%に止まる
『あなたの就業時間以外・お休みの日に実施していることを教えてください』という質問に対して「勉強(※)」と答えた人は16.7%となりました。トータルで見ると、実に86.8%の人が週に1時間未満しか勉強に割けていない、もしくは全く勉強をしていないという結果となりました。就業時間外に勉強をしている人の少なさ、そして勉強をしている人でも、勉強に時間を割いていない実態が明らかになりました。(※)本人が「勉強」と捉えているもの

■勉強時間が週に1時間未満の人は勉強時間を増やすつもりがないと考える傾向
最も注力している勉強に関して、1週間の勉強時間とその勉強時間の認識との関係を、カイ二乗検定を用いて調べたところ、勉強時間への認識と勉強時間の間に統計的に有意な関連があることがわかりました(0.02202(p値)< 0.05(有意水準))。具体的には、週10〜15時間の学習者は、学習意欲は高いが「時間を増やせない」と考える傾向が強い一方、週1時間未満の学習者は、そもそも勉強時間を十分に取れていないと考えている上にその勉強時間を「増やすつもりがない」と思っている傾向が強く、勉強への意欲が低いことが判明しました。また、総じて週5時間を境に、学習へのモチベーションが低い人が減る傾向にあることが示唆されます。

役員・中間管理職に比べ、一般社員の方が勉強していないことが明らかに
■一般社員が最も勉強している割合が少ないことが明らかに
勉強時間を役職別に見てみると、1時間未満の割合は主任・一般社員クラスが最も低く、88.8%でした。より高いクラスに行くための勉強を一般社員の人たちはあまり行っていない可能性があることが浮き彫りになりました。

■運用系の職種の人たちの方が勉強している割合・時間が少ないことが判明
勉強時間を職種別に見てみると、1時間未満の割合は運用が圧倒的に多い職種が最も低く、90.0%となり、運用系の割合が増えるほど1時間未満の割合が増えていることがわかりました。運用系の業務が多い方ほどあまり勉強をしていない実態が浮き彫りになりました。

■調査結果を受けて
本調査の結果、社会人が勉強している割合は6人に1人にとどまり、勉強時間も長くは取れておらず、社会人はあまり勉強ができていないという実態が明らかになりました。「社会人のリスキリング」に関しては、経済産業省が中心となり、国家的にも重要なプロジェクトとして推進されていますが、現状ではあまりその必要性が浸透していないようです。その中でも特に一般社員の勉強割合・時間が少ないことは憂慮すべきです。令和5年2月に行われた「新しい資本主義実現会議」では、当時の岸田首相が「『キャリアは会社から与えられるもの』から『一人一人が自らのキャリアを選択する』時代となってきました。職務ごとに要求されるスキルを明らかにすることで、労働者が自分の意思でリスキリングを行い、職務を選択できる制度に移行していくことが重要です。」と述べています。すなわち、自らスキルを高め成長していかないといけない社会になっていくということです。その中で、最もこの流れの影響を受けるであろう一般社員の方々が勉強をできていない実態は、改善されていく必要があります。
本調査においては、1週間の勉強時間とその勉強時間の認識との相関を把握するために「カイ二乗検定」を用いました。その結果、勉強時間への認識と勉強時間の間に統計的に有意な関連があることがわかり、さらに、調整済み標準化残差を算出することで、その中でも相関している設問の組み合わせを見出しました。
このように、私たちBELLOWLはマーケティングに関する調査はもちろんのこと、社会課題に関する調査も行なっていきながら、社会の実態を正確に把握し、クライアント、そして社会に対してより良いご提案ができるようにこれからも努めてまいります。
■会社概要
社名:株式会社BELLOWL
概要:消費者リサーチ関連事業(法人向けの定性インタビューと分析・考察に関する支援事業)、デジタルサービス企画事業(ジョブ理論をベースとしたハンズオンでのサービスの開発・運営)
設立日:2019年2月
所在地:東京都中央区京橋1-6-13 VORT京橋Ⅱ 9F
代表者:代表取締役 鈴木康代
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