薬剤耐性菌問題に取り組むメドテック系スタートアップ『株式会社GramEye』、総額3.6億円のシリーズA資金調達を実施
写真右上)GramEye開発 AI・ロボティクスソリューション 左上)AIによる細菌分類画像 右下)AIによる細菌分類画像 左下)AI・ロボティクスソリューションによる染色作業
資金調達の背景と目的
近年、抗菌薬の誤用や乱用の為に薬が効かない細菌である薬剤耐性菌が世界中で増えています。仮に今後何も対策が講じられず、現在のペースで耐性菌が増え続けると、2050年には世界で1,000万人もの方が命を落とすと想定され、がんによる死亡者数を超えると報告されています*1。
上記の世界的な医療課題にアプローチするため、GramEyeは微生物検査の一つであるグラム染色を人工知能でアップデートし、抗菌薬の適正利用を目指すAI・ロボティクスソリューションの開発を行っています。
グラム染色は最も一般的に用いられる細菌検査ですが、実施には多くの手間と知識、経験が必要になるため、大規模な医療機関でも夜間休日には実施されていない、画像として保管されず検査技師の主観によって報告されてきたという問題がありました。
GramEyeの開発しているAI・ロボティクスソリューションにより、グラム染色工程における手間を省き、AIが顕鏡をサポートすることで、より迅速かつ正確な検査結果を反映するシステムを構築することができます。
これまでGramEyeは国内10施設の医療機関と共同研究契約を締結し、AI開発と市場調査を進め、試作機を使ったデモやヒアリングを実施してきました。実際にご使用いただいた先生方には、試作機の有用性を実感いただいているだけではなく、発売に期待を寄せていただいています。
GramEyeは今回の調達を活用し、グラム染色工程のAI・ロボティクスソリューションを臨床現場へ導入し、ユーザーの皆様の声に応えるよう更なるAI強化、およびハードウェア改良を行います。また、海外進出における市場調査や保険適用に向けた戦略立案にも取り組みます。
[1]Antimicrobial Resistance: Tackling a crisis for the health and wealth of nations The Review on Antimicrobial Resistance Chaired by Jim O’Neill December 2014
資金調達概要
調達金額:約3.6億円
調達方法:第三者割当増資
シリーズ:シリーズA
株主:DEEPCORE、サムライインキュベート、STATION Aiファンド、池田泉州キャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、NES
資金用途:プロダクト開発、組織体制の強化、海外市場調査、保険戦略
シリーズA・3rdクローズ引受先コメント(五十音順)
関西イノベーションネットワーク2号投資事業有限責任組合(運営会社:池田泉州キャピタル株式会社)
投資部 部長 武川敏也氏
「薬剤耐性菌問題に取り組む」。若き経営チームの熱量とビジョンに強く感銘を受けました。既に多数の共感した支援者・事業会社網も構築出来ており、走り切ることが出来るチームだと確信しています。
また、当社のソリューションは徹底的に医療現場の声を拾い既に完成しており、ユーザーペインを的確に捉えています。そして、医療現場のDX化のみならず薬剤耐性菌問題を取り巻く課題は世界においても深刻な課題であり、グローバルにも展開可能なソリューションであると期待しています。
SDGs③「すべての人に健康と福祉を」の実現に貢献するGramEyeの社会的意義ある取り組みを、地元の地域金融機関グループとしてネットワークも活用して支援させていただきたいと思っております。
SMBCベンチャーキャピタル7号投資事業有限責任組合(運営会社:SMBCベンチャーキャピタル株式会社)
関西投資営業部 次長 川戸啓太氏
GramEyeは薬剤耐性菌というグローバルな社会課題に対して、グラム染色検査の自動化×画像解析というアプローチで解決に取り組もうとしています。医師でありながらエンジニアとしてのスキルも併せ持つ平岡さんと、学生時代から薬剤耐性菌問題に向き合い続ける山田さんのお二人をはじめ、周りにも経験豊かなメンバーが揃っているからこそ、医療機器としてローンチできるところまで進んできており、今後の事業展開にも大きな期待を持っています。今回のご出資をきっかけとして、国内の医療施設への導入や海外市場への進出といった今後の事業の成長をサポートさせていただきます。
NES投資事業有限責任組合(運営会社:NES株式会社)
取締役 ジェネラル・パートナー 工藤 正通氏
近年、ロボットが人間の作業を代替し、AIが人間の判断を補完する場面が増えてきています。当社が開発に力を注いでいるソリューションは、RoboticsとAIを活用して、グラム染色検査の自動化と精緻化を実現しようとするものです。この取り組みは、医療現場において、医師や技師の方々がより本質的な業務に専念できる環境を整備することに寄与するばかりでなく、世界的な脅威となっている薬剤耐性菌問題の解消にも貢献するものと考えています。当社経営チームのリーダーシップのもと、当社のソリューションが広く普及し、世界中の医療現場で適切な抗菌薬の処方が行われるようになることを期待しています。NESは当社の発展を積極的に支援してまいります。
採用について
GramEyeでは、現在、営業担当やハードウェア設計開発担当、臨床研究担当、品質管理担当等のさまざまなポジションで積極的な採用を実施しております。
医療機器の販売および開発による商品力の強化のために強力に事業を推進できるメンバーを探しております。詳細は下記をご覧ください。
HPリクルートページ:
会社概要
【会社名】株式会社GramEye (GramEye Inc.)
【設立日】2020年5月18日
【代表取締役/CEO】平岡 悠
【コーポレートサイト】
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