新たな細胞治療製品の開発に取り組むセレイドセラピューティクスが国立がん研究センターと共同研究契約を締結
<研究の背景>
血液中にある形質細胞という細胞が”がん”化してしまう多発性骨髄腫は、ほとんどの患者が治療後5年以内に再発するともいわれ、完治が難しい病気とされています。多発性骨髄腫における自家移植の際には、末梢血動員移植片への骨髄腫細胞の混入リスクをゼロにすることは難しく、この骨髄腫細胞の混入度と再発リスクの関連性が過去の研究で報告されています。
これまで、移植片から骨髄腫細胞を除去する試みは散発的に報告されていましたが、細胞治療製品として開発に成功した企業はありません。
国立がん研究センター東病院(病院長:大津敦、共同研究代表者:血液腫瘍科 医長 湯田淳一朗)とセレイドセラピューティクスによる共同研究は、①多発性骨髄腫患者の末梢血から骨髄腫細胞を除去しながらヒト造血幹細胞を体外増幅する基盤技術検証と、②骨髄腫細胞が除かれたヒト造血幹細胞のマウスモデルへの生着実験による非臨床POC(Proof Of Concept)を目的としています。
骨髄腫細胞を除去した造血幹細胞移植製品は、移植後の再発を予防または再発までの期間を延長する可能性があり、多発性骨髄腫に苦しむ患者さまの自家移植における新たな治療選択肢になるものと期待されます。
<本件の共同研究概要>
共同研究題目:多発性骨髄腫を対象とした、骨髄腫細胞除去・自家造血幹細胞移植製品の非臨床Proof Of Concept確立
共同研究代表者:国立がん研究センター東病院 血液腫瘍科 医長 湯田淳一朗
セレイドセラピューティクス株式会社 代表取締役社長CEO 荒川信行
共同研究期間:2023年7月1日~2025年9月30日
【関係者コメント】
<共同研究代表者 国立がん研究センター東病院 血液腫瘍科 医長 湯田淳一朗のコメント>
「一部の移植を必要とする患者さんが幹細胞動員不良となり必要な移植治療が受けられない状況です。また多発性骨髄腫治療において、自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法が標準治療として行われていますが、動員末梢血幹細胞移植片への骨髄腫細胞の混入と移植後再発の関連性が報告されております(Vogel W et al., Journal of Cancer Research and Clinical Oncology, 2004)。これらの課題を解決することは、多発性骨髄腫患者さんの治療成績の向上につながると考え、この研究を進めてまいります。」
<セレイドセラピューティクス株式会社 代表取締役社長 荒川信行のコメント>
「本件共同研究の締結は、当社が有する造血幹細胞の増幅技術を、多発性骨髄腫患者様への自家移植研究に役立てる道を開くものとして、大きな喜びを感じております。当社は引き続き、この優れた技術を社会実装するための活動を展開してまいります。」
<セレイドセラピューティクス株式会社について>
セレイドセラピューティクス株式会社は、2020年に設立されたバイオベンチャー企業であり、人の血液の源となる造血幹細胞を利用して難治性の血液・免疫系疾患の治療に役立てる再生医療等製品の研究開発を行う会社です。
難治性の血液疾患の治療法の一つである造血幹細胞移植には、一定量の造血幹細胞が必要となります。当社は、この造血幹細胞を安全かつ効率的に増やし、新たな再生医療等製品として社会に提供することを目指しています。
【会社情報】
代表 : 代表取締役社長 荒川 信行
本社所在地 : 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ
URL : https://celaidtx.com/
設立年 : 2020年10月
資本金 : 5億6000万円(資本準備金を含む)
事業内容 : ヒト造血幹細胞を利用した再生医療等製品の研究開発
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