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- 新たなコンテンツを拡充し、進化した2023 年度のアートウィーク東京
会期中に運⾏する
無料シャトルバス《AWT BUS》では、東京の現代アートを牽引するアートスペースに加え、本年
新たに⽴ち上がる「買える展覧会」《AWT FOCUS》や、国際的なキュレーターが厳選した
映像作品を上映する《AWT VIDEO》、アーティストとのコラボレーションカクテルや気鋭のシェフが⼿掛ける料理を提供する《AWT BAR》など、都内各地で開催するプログラムを巡ることができます。また、
次世代のアートコレクター育成プログラムや、
国際的に活躍するキュレーターを招聘するシンポジウム、⼦どもや学⽣向けの展覧会ツアーなどさまざまなコンテンツを通して、東京そして⽇本のアートシーンを国内外に発信します。
2023年のアートウィーク東京には、11美術館と39ギャラリーが参加します。
東京国⽴近代美術館(⽵橋)をはじめ、
東京都現代美術館(清澄⽩河)や
森美術館(六本⽊)といった⽇本のアートシーンを牽引する美術館が名を連ねます。また、
銀座メゾンエルメス フォーラム(銀座)や
資⽣堂ギャラリー(銀座)のような企業が運営するインスティテューションなど、多彩なラインアップが揃っています。
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今年参加する東京のアートシーンの多様性を反映した39ギャラリーは、⽇本の現代アートの草分けとしてその歴史を紡いできた
東京画廊+BTAP(銀座)をはじめ、
ギャラリー⼩柳(銀座)、
タカ・イシイギャラリー(六本⽊)、
オオタファインアーツ(六本⽊)、
スカイザバスハウス(根津)が昨年に引き続き参加するほか、今年は
⼩⼭登美夫ギャラリー(六本⽊)、
シュウゴアーツ(六本⽊)の2つの⽼舗ギャラリーも加わります。
スカイザバスハウス外観 Courtesy of SCAI THE BATHHOUSE, photo by Norihiro Ueno
また、アーティストの村上隆が率いる
カイカイキキギャラリー(広尾)や、
ミサコ&ローゼン(⼤塚)、
無⼈島プロダクション(菊川)、
ナンヅカアンダーグラウンド(原宿)、
タケニナガワ(⿇布⼗番)、
ウェイティングルーム(江⼾川橋)などのギャラリーの展覧会では、ここ数⼗年におよぶ⽇本の現代アートの動向を追うことができます。そして、
ブラム&ポー(原宿)、
ファーガス・マカフリー(表参道)、
ペロタン東京(六本⽊)など海外に拠点を持つギャラリー、
カナカワニシギャラリー(清澄⽩河)、
リーサヤ(不動前)、
ケンナカハシ(新宿)、
コタロウヌカガ(六本⽊)といった新進ギャラリー、
フイギユア(⼤塚)と
フォーシックスフォーナイン(巣鴨)のようなアーティストが運営するスペースも⾒どころです。
※2023年度の参加施設⼀覧は別添資料をご参照ください。
※施設名の後の丸括弧内は最寄り駅です。
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本年のアートウィーク東京は、「アートウィーク」の新しいモデルを提案するため、新たな取り組みとして、
「買える展覧会」《AWT FOCUS》を開催します。すべての出品作品は、出品するギャラリーを介して購⼊可能です。展覧会を通じて⽇本の戦後の美術を理解するためのポイントを提⽰すると同時に、⽇本のアートマーケットの活性化を⽬指す試みです。《AWT FOCUS》第1弾の開催地・
⼤倉集古館(⻁ノ⾨)は、⼤倉財閥の創始者で、⽇本近代美術業界の牽引者でもあった実業家・⼤倉喜⼋郎が1917 年に創⽴した、財団法⼈として⽇本最古の私⽴美術館。また、マーケットにも造詣の深い
滋賀県⽴美術館ディレクター・保坂健⼆朗が、本展のアーティスティックディレクターを務めます。参加ギャラリーが出展する多様なジャンルの作品を通じて、⽇本の戦後の美術のいくつかの系譜を、批評性を持ちながらもわかりやすく再考する展覧会です。
※出品作家や開館情報をはじめとする本展の詳細は8⽉末頃の発表を予定。
※本展に関して⼤倉集古館へのお問い合わせはお控えください。
保坂健⼆朗(ほさか・けんじろう)プロフィール
撮影:⽊奥恵三
滋賀県⽴美術館ディレクター(館⻑)1976年⽣まれ。慶應義塾⼤学⼤学院修⼠課程修了後、2000年より20年まで東京国⽴近代美術館(MOMAT)に学芸員として勤務、2021年より現職。MOMATで企画・担当した主な展覧会に「建築がうまれるとき ペーター・メルクリと⻘⽊淳」「エモーショナル・ドローイング」(以上、2008 年)、「建築はどこにあるの? 7 つのインスタレーション」(2010年)、「イケムラレイコ うつりゆくもの」(2011年)、「フランシス・ベーコン展」(2013年)、「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である ヤゲオ財団コレクションより」(2014年)、「声ノマ 全⾝詩⼈、吉増剛造展」(2016年)、「⽇本の家 1945年以降の建築とくらし」(2017年)、「隈研吾展 新しい公共性をつくるためのネコの5原則」(2021年)など。「Double Vision: Contemporary Art from Japan」(2012年、モスクワ近代美術館ほか)、「Logical Emotion: Contemporary Art from Japan」(2014年、ハウス・コンストルクティヴほか)、「The Japanese House: Architecture and Life after 1945」(2016年、イタリア国⽴21世紀美術館)など国外での企画にも携わる。公益財団法⼈⼤林財団「都市のヴィジョン」推薦選考委員、⽂化庁⽂化審議会⽂化経済部会アート振興ワーキンググループ専⾨委員なども務める。
- アートが軸となるコミュニティの発展とアートアクティビティの拡充
AWT 会期中、国内外のアートファンやプロフェッショナルが集う憩いの場として、南⻘⼭の複合ビル「emergence aoyama complex」に
《AWT BAR》がオープンします。気鋭の建築家がデザインするアートな空間では、昨年に引き続きアーティストとのコラボレーションカクテル提供。加えて、今年は
新世代のシェフによるオリジナリティ溢れる料理を提供します。世界に誇る⽇本のホスピタリティ⽂化と、アートウィーク東京とのクリエイティブな連携を五感で感じられる場となります。また、今年の「アートウィーク東京モビールプロジェクト(主催:東京都、アートウィーク東京モビールプロジェクト実⾏委員会)」は、会期中に都内の主要なアートスペースを巡る
《AWT BUS》を運⾏するほか、今年は新たに⼦どもや学⽣を対象とした展覧会ツアーや、これからアートコレクターを⽬指す⽅々を対象に
⽇本を代表するコレクターと連携したスタートアップセミナーを実施します。さらに、慶應義塾⼤学アート・センターと共催し、多様な⽂化的背景を持ちさまざまな世代を代表する
キュレーターを国内外から招聘したシンポジウムやラウンドテーブルを開催します。2021年度のプレローンチから続く
オンライントークは今年も実施し、⽇本の美術史やエコシステムに焦点をあてたレクチャーや対談動画を、
全3 回配信予定です。これらを通じて、ビギナーからプロフェッショナルまで幅広い層に対してアートアクティビティの体験機会を提供します。
※各プログラムの詳細は、6⽉以降に順次発表を予定。
- 2023 年度「アートウィーク東京」開催に向けて ディレクター・蜷川敦⼦のコメント
アートウィーク東京は、業界を牽引してきたプロフェッショナルの連帯によってつくられる現代アートの祭典です。本ローンチ以来2 回⽬の開催となる今年は、現代アートは好きだけど価値や評価基準がわかりづらいという⽅々に向けて「買える展覧会」《AWT FOCUS》を導⼊しました。美術館で作品を鑑賞する体験と、ギャラリーで作品を購⼊する体験を合わせた新しい発想による試みです。現代アートに⽋かせないキーワード「チャンス」をリアルに体験できるプラットフォームを⽬指し、出会う機会を提案します。
蜷川敦⼦(にながわ・あつこ)プロフィール
Photo by SAIKI
アートウィーク東京共同創設者・ディレクター/タケニナガワ代表2008 年にタケニナガワを設⽴。新進作家から歴史的な評価の⾼い作家まで、現代アートの⽂脈で活躍する⽇本⼈作家を国際的にプロモーションする。国外の作家を⽇本の⽂脈で紹介する試みも多数企画。「アートウィーク東京」を主催する⼀般社団法⼈コンテンポラリーアートプラットフォーム共同代表理事。「アートバーゼル」バーゼルの選考委員、および、コロナ禍に⽣まれた国際的なギャラリーイニシアティブ「Galleries Curate」や、グローバルサウスのアートを取り上げるプラットフォーム「SOUTH SOUTH」に参加。2022 年、アート界で最も影響⼒のある⼈物100 ⼈を選ぶ「ArtReview Power 100」および、将来のアートマーケットにおいて先駆となる⼈物35⼈を選ぶ「Artnet News Innovators List」に選出。
- 2023 年度「アートウィーク東京」開催に向けて 参加ギャラリーからのコメント
ウェイティングルーム 芦川朋⼦
アートウィーク東京は従来のアートフェアとは違った枠組みで、街全体を舞台に東京に点在するアートのプログラムをつないでいくという、⼤変興味深い試みとして当初から注⽬していました。本来アートフェアの⼩さな仮設空間の中でのプレゼンテーションよりも、拠点のギャラリー空間を使ったプレゼンテーションを⾒ていただくことが、ギャラリストとアーティストにとってどれだけ重要なことか、アートウィーク東京を通して再確認できました。今年は展覧会プログラムも加わってさらにパワーアップするアートウィーク東京に⼤いに期待しつつ、私たち⾃⾝のプログラムにも全⼒で取り組んで参りたいです。
コタロウヌカガ 額賀古太郎
アートウィーク東京は昨年、美術館などの公共機関とコマーシャルギャラリーの連動や、VIPから⼀般向けのさまざまなプログラムによって、国内はもとより海外からも多くの美術関係者やコレクターを呼び込み、コロナ禍でガラパゴス化しつつあった⽇本のアートシーンが再び開港する⼀つの重要なターニングポイントになりました。⽇本のアートワールドが益々に有機的に機能し、国内外のオーディエンスにとって魅⼒的なプラットフォームとなるために⾮常に効果的なイベントだと思うので、今年も期待して参加します。
タカ・イシイギャラリー ⽯井孝之
欧⽶からの⼊国制限が緩和されたこともあり、アートウィーク東京では、多くの美術関係者を⾒受けられました。普段は海外の国際展やアートバーゼルでお会いする⽅々に、東京のギャラリーに訪れてもらい、お話できる機会にも繋がったことは、⼤変意義深いものでした。同時に、接点の少ない若⼿ギャラリーの⽅々とも意⾒交換できたことは、とても新鮮に感じました。
ミサコ&ローゼン ジェフリー・ローゼン
アートウィーク東京は、⽇本のコンテンポラリーアートを歴史的・理論的に、また地域に根ざした⽂脈で紹介する、⼤規模なアートイベントの模範となるイベントです。東京の広範囲にわたって開催される当イベントは、アートのプロフェッショナルから⼀般の⽅、海外からの観光客から地元住⺠まで、多くの⽅に価値を提供すると同時に、私たちのようなギャラリーが、ニッチともされる感性を幅広い⼈々に紹介する貴重な機会を創出しています。アートウィーク東京の対話的な開催モデルは、アートフェアやビエンナーレに代わる優れたモデルであり、⽇本に拠点を置くコンテンポラリーアートギャラリーと、それらのギャラリーがどのように、そしてなぜ活動をするのかということに関⼼を持つ⼈々とのより活発な交流を⽣み出すと期待されます。
【アートウィーク東京】
名称: アートウィーク東京(欧⽂:Art Week Tokyo、略称:AWT)
会期: 2023年11⽉2⽇(⽊)〜11⽉5⽇(⽇)(4⽇間)10:00〜18:00
会期: ※VIPプレビュー⽇程として10⽉31⽇(⽕)、11⽉1⽇(⽔)の2⽇間を予定。
会期: ※会場やプログラムにより時間が異なる場合があります。
会場: 都内50の美術館/インスティテューション/ギャラリー
会場: ⼤倉集古館(AWT FOCUS)、「AWT BAR」ほか各プログラム会場
主催: ⼀般社団法⼈コンテンポラリーアートプラットフォーム
提携: アートバーゼル(Art Basel)
特別協⼒: ⽂化庁
【アートウィーク東京モビールプロジェクト】
名称: アートウィーク東京モビールプロジェクト
会期: 2023年11⽉2⽇(⽊)〜11⽉5⽇(⽇)(4⽇間)10:00〜18:00
主催: 東京都/アートウィーク東京モビールプロジェクト実⾏委員会
【料⾦】
・AWT BUSの乗⾞無料。
・参加ギャラリーの⼊場無料。参加美術館ではAWT会期中に限り所定の展覧会にてAWT特別割引適⽤。
・AWT FOCUSの⼊場⼀般有料(⾦額未定)、学⽣・⼦ども無料。
東京における現代アートの創造性と多様性を国内外に発信する年に⼀度のイベントである「アートウィーク東京」は、⽂化庁の協⼒のもと、世界有数のアートフェアである「アートバーゼル」と提携し、⼀般社団法⼈コンテンポラリーアートプラットフォームが主催。東京都、アートウィーク東京モビールプロジェクト実⾏委員会と連携し、都内の主要アートスペースをつなぐ交通⼿段の提供など幅広い鑑賞者層に対してアートアクティビティの体験機会を創出する「アートウィーク東京モビールプロジェクト」を通じて、東京の現代アートを⽀える環境基盤の形成に努めている。パンデミック下における2021 年11 ⽉4 ⽇〜7 ⽇に初開催となったアートウィーク東京は、訪⽇外国⼈観光客の受け⼊れが始まった2022 年11 ⽉3 ⽇〜6 ⽇に規模を拡⼤する形で開催し、美術館やギャラリーなど51のアートスペースが参加。2022 年度は、4 ⽇間にわたる会期を通じてのべ3 万2,000 ⼈を超える参加者を記録。アートウィーク東京モビールプロジェクトの⼀環として運⾏した無料のシャトルバス《AWT BUS》は、会期中の午前10時から午後6時の間に約15分おきに特設のバス停を巡回した。また、気鋭の建築家・萬代基介の設計による《AWT BAR》をナイトアウトプログラムとして南⻘⼭にオープン。4 名のアーティストとのコラボレ
ーションによるオリジナルカクテルを提供し、⽇中アート鑑賞を楽しんだ⼈々が、夜に集う憩いの場として賑わいを⾒せた。
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東京都とアートウィーク東京モビールプロジェクト実⾏委員会が主催。アートウィーク東京の会期中に、都内各地に広がる主要なアートスペースを繋ぐ《AWT BUS》の運⾏や、⼦どもや若者、将来のコレクターなどを対象とする展覧会のガイドツアーやセミナーを展開するほか、国内外のキュレーターを招聘したシンポジウムなどを開催し、幅広い鑑賞者層に対してアートアクティビティの体験機会を創出。国内のアートに対する関⼼の裾野拡⼤を⽬指す。実⾏委員は、⽚岡真実(森美術館館⻑)、⼩松弥⽣(東京国⽴近代美術館館⻑)、塩⾒有⼦(NPO法⼈アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT]理事⻑)、蜷川敦⼦(アートウィーク東京ディレクター/⼀般社団法⼈コンテンポラリーアートプラットフォーム代表理事)、茂⽊直恵(東京都現代美術館副館⻑)。
世界最⾼の規模と質を誇る近現代美術のアートフェア「アートバーゼル」。毎年、拠点となるスイスのバーゼルをはじめ、⾹港、マイアミビーチ(アメリカ)で開かれるアートフェアには、世界各地から⼤勢のアートファンや専⾨家が集まり、2022 年10 ⽉には新たにパリも開催地となった。国際的なアートイベントにおける⾼度な専⾨知識や経験を有するアートバーゼルは、アートウィーク東京が⽬指す現代アートの健全で活発なエコシステムの構築や、国際的なネットワークにおける東京の地位を確⽴するために⽋かせない存在。(公式サイト:
https://www.artbasel.com/)
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