災害時には防災拠点へと変わる最先端の水工場を大幅拡充、公助を民間の力で補う拠点に
今年の9月1日「防災の日」は関東大震災から100年、災害時に公助で救出されたのはわずか2.5%(※1)
加えて、東京都が昨年発表した「首都直下地震」の被害想定によりますと、負傷者は約9万3400人、死者は約6150人、避難者は約299万人、帰宅困難者は約453万人。また、断水は23区の3割で発生すると予想されています。
阪神淡路大災害での経験、さらに東京都の「首都直下地震」の被害想定から、再び東京が大震災に見舞われたとき、自衛隊や消防などの「公助」に頼るだけでは十分ではないのは明らかです。
そこで私たち、ウォーターポイント株式会社(本社:広島県広島市、代表取締役社長:小早川克史)は公助の隙間を埋めるべく、自社の最新鋭の水工場を災害時には地域の防災拠点として転用することを決意しました。
当社は全国のスーパーマーケットを中心に約3,000台の「水の自販機」を展開しています。こうした問題意識のもと、災害時には地域の防災拠点に変わる水工場「ウォーターポイント八王子」を昨年開設。今年春にクラウドファンディングサイト「READY FOR」で施設拡充の支援を募ったところ、300万円近い支援金が集まりました。この支援金を用いて、設備の拡充を開始しました。そして9月1日の「防災の日」を控え、ついに拡充が完了します。
「ウォーターポイント八王子」は平時には最先端のミネラルウォーターの製造工場として稼働しています。ですが、災害発生時には運営体制を切り替え、水道が断水し、停電したとしても、近隣住民に1日あたり約2,000人分の飲料水とトイレなどに使用する生活用水を20トン提供します。
※1:日本火災学会の「1995年兵庫県南部地震における火災に関する調査報告書」
八王子市と災害時の協力協定を締結
「ウォーターポイント八王子」は昨年、八王子市と正式に「災害時における生活用水の提供に関する協定」を締結しています。ソフトバンク株式会社、くら寿司株式会社、株式会社明治といった大企業と並んで、「ソトコトSDGsアワード2022」も受賞しました。
今回の拡充により、「地域での防災拠点」としての役割をより一層、強く担うことができるようになるのです。
今回の主な機能拡充
・女性専用テント型トイレの設置
内閣府などの調査によりますと、災害時には「女性の性被害」が発生しやすくなると言います。災害時に女性が被害を受けるリスクをなくすために、今回の機能強化で女性用トイレを設置します。併せて生理用品も用意します。
・非常用発電機の追加
従来の太陽光発電施設に加え、非常用発電機を追加します。これにより、雨天でも安定した電力供給が可能になります。
・炊き出しセット・防災設置品の設置
公的機関の支援が整うまでの間の非常食を用意します。今回の拡充により、450食分の温かい食事をとることができます。また、避難誘導に必要な懐中電灯やロープに加え、人命救助道具、応急手当のための道具も備えることとしました。
・AEDの設置
大規模災害時は救急車が来ません。一分一秒でも早く救命活動を行う必要がある中、AEDがあるだけで生存率が大きく向上します。今回、AEDを新たに設置します。
東日本大震災でも深刻だった水インフラ被害
国土交通省の「平成24年版日本の水資源について」によりますと、東日本大震災による水インフラへの被害は、上水道で19 都道県、最大 230万戸の断水が発生しました。
出典:https://www.mlit.go.jp/tochimizushigen/mizsei/hakusyo/H24/1.pdf
また「避難所生活で困ったこと」を聞いた内閣府のアンケート結果でも、水に関する問題が上位を占めています。
「ウォーターポイント八王子」はこうした災害時に深刻な被害をもたらす地域での水不足に民間の力で資することを目的とした水工場です。
「ウォーターポイント八王子」の主な機能
・断水時でもきれいな水を提供しつづける「ダブル逆浸透膜」精製
「ウォーターポイント八王子」では地下水を組み上げ精製処理しているので、災害で断水しても、きれいな水を提供し続けることができます。地下水の精製には業界最先端の技術を用い、万全の体制を敷いています。それが「ダブル逆浸透膜による精製」です。
「ダブル逆浸透膜」とは文字通り、逆浸透膜を二重で用いる精製方法のことです。通常、ミネラルウォーターの精製では、逆浸透膜は使われていない場合がほとんどです。ですが、私たちは水の品質を絶対的なものとするため、手間も費用もかかる「ダブル」としています。この「逆浸透膜」を通れば、下の実験写真のように緑茶も完全に水に戻ります。
この最先端の水精製の仕組みによって、通常時は非常に高品質なミネラルウォーターを製造して工場を維持します。そして災害時には1日あたり約2,000人分の飲料水とトイレなどに使用する生活用水を20トン提供します。水の提供は太陽光発電が機能する限り、止まることはありません。
・太陽光パネルで停電時でも稼働
「ウォーターポイント八王子」は平時から、太陽光による自家発電で稼働しています。それゆえ、停電時も電気は太陽光発電で賄うことができます。災害時に電気がストップしたとしても、地域住民に水を提供し続けられる給水所となるのです。
・EVカーのバッテリーで電気を供給
平時から「ウォーターポイント八王子」ではミネラルウォーターの配送に、二酸化炭素を排出しない電気自動車を用いています。この電気自動車のバッテリーが災害時には、蓄電池の役割を果たします。
「ウォーターポイント八王子」概要
住所: 東京都八王子市四谷町769
生産能力:(通常時)8リットルボトル 500本/日 (災害時)飲料水・生活用水20トン/日
その他: 常時8リットルボトルを1,000本貯蔵
防災拠点化を思い立った背景
東日本大震災時、当社がスーパーなどに設置していた「水の自販機」が流されてしまいました。当社社長の小早川は状況確認のため、広島から被災地に乗り込みました。そのとき、飲料水や生活用水の手当てに苦労している被災者の皆さんの姿を見て、父の代から一貫して、水に関わる仕事をしてきた自分たちに何かできることはないかと考え続けました。そして、災害時に役立つ「水の防災拠点」をつくろうと決意。震災から10年目となる昨年、念願のウォーターポイント八王子を開設することができました。そして、今年の本格稼働を迎えることができたのです。
会社概要
ウォーターポイント株式会社
代表取締役社長 小早川克史
住所:広島県広島市西区庚午北4丁目2-13
https://waterpoint.co.jp/
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