第三者割当増資による第3次シードラウンドB 1億8370万円の資金調達完了のお知らせ

株式会社イムノロック(本社:神戸市、代表取締役CEO:白川利朗、以下「当社」)は、株式会社神戸大学キャピタル(KUC1号投資事業有限責任組合)及び大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(OUVC2号投資事業有限責任組合)を引受先とする第三者割当増資を行い、シードラウンドBの追加分として1億8370万円を2025年7月に調達したことを報告いたします。
・株式会社イムノロックについて
当社は、ビフィズス菌の特性を利用した新規経口ワクチンプラットフォーム技術を有し、神戸大学発の創薬スタートアップとして2021年に設立されました。現在、経口のがん治療ワクチン(B440)と新型コロナウイルス予防ワクチン(BCOV332)の開発に取り組んでいます。
B440の開発では、2023年1月から転移性尿路上皮がん患者を対象とした医師主導治験(第Ⅰ相臨床試験)を神戸大学、広島大学および浜松医科大学の3施設で実施し、2025年5月に治験終了届が受理されています。
B440のFIH(First in Human)試験として安全性が確認され、またB440によりWT1特異的細胞性免疫が誘導された患者において有意な無増悪期間(PFS)の改善が確認されました。尚、本治験結果は、2025年5月30日~6月3日にシカゴで開催された米国臨床腫瘍学会[ASCO]の年次総会のポディウムセッション[ABSTRACT 2505:Phase 1 study of B440, an oral Bifidobacterium-engineered WT1 cancer vaccine, in patients with metastatic urothelial cancer. https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/253264 ]で報告されています。
近年、生体に本来備わるがん免疫を活性化する「がん免疫療法」の開発、実用化が急速に進んでいます。B440はがん免疫の主役である細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)を強力に誘導することが非臨床試験で確認されており、現在までに実験動物を用いた多くの癌種モデルで抗腫瘍効果を確認しています。また、代表的ながん免疫療法剤として普及している免疫チェックポイント阻害剤との併用による相乗効果も非臨床試験で確認しています。今回の増資及びAMEDの創薬支援推進事業・希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業採択[ https://www.amed.go.jp/koubo/11/02/1102C_00101.html ]により希少疾病である悪性胸膜中皮腫患者を対象とした医師主導治験(第Ⅰ/Ⅱa相臨床試験)を2025年10月から開始し臨床開発を加速させることで、世界初の経口がん免疫療法剤であるB440を1日でも早くがんに苦しむ患者様のもとに届けられるように社員一同一丸となって研究開発を進めてまいります。
ビフィズス菌を用いた経口ワクチン技術:

従来の経口ワクチンには、いかにして人体最大の免疫器官である腸管免疫系へ抗原タンパクをデリバリーするかという大きな問題点がありました。近年、腸内細菌と腸管免疫の密接な関係が明らかとなり、特にビフィズス菌等のある種の腸内細菌が腸管パイエル板の樹状細胞に取り込まれ、さらに樹状細胞を活性化していることがわかりました。
当社は様々な抗原タンパクをビフィズス菌表層に発現させる技術を用いて、革新的な経口ワクチンプラットフォームの開発に成功しました。
経口がん治療ワクチン(B440)の作用機序:
経口投与された B440 は腸管上皮中の M 細胞からパイエル板中の樹状細胞に取り込まれ腸間膜リンパ節に移動します、B440 が提示していた抗原タンパク(腫瘍抗原 WT1)は樹状細胞内で処理され、その断片が樹状細胞表層に抗原提示されます。この抗原提示樹状細胞がリンパ節内のリンパ球を活性化し、がん細胞を攻撃する細胞傷害性 T 細胞を誘導します。

・会社概要
株式会社イムノロック
住所:神戸市中央区楠町7-5-1
代表者:白川利朗(代表取締役CEO)
資本金:204,100,000円
ホームページ:https://immunorock.com/
・ベンチャーキャピタルのコメント
株式会社神戸大学キャピタル 代表取締役 マネージングパートナー 水原善史
前回出資以降、B440の第Ⅰ相臨床試験において安全性が確保されたことを評価し追加投資を決定いたしました。今回調達した資金およびAMED支援事業による支援金を活用し、医師主導治験(第I/IIa相)を進め一日でも早く患者様へ本技術を届けられるよう全力で支援してまいります。
大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社 代表取締役社長 魚谷 晃
前回出資させて頂いて以降、B440は第Ⅰ相臨床試験にて安全性/容認性が確認され、順調に臨床試験が進捗していることから、OUVC2 号投資事業有限責任組合より追加出資をさせて頂きました。今回調達した資金を活用して、B440の開発がさらに加速されることを期待しております。
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