リジェネフロ、ADPKD治療薬の前期第二相臨床試験の第2段階の被験者募集を開始
リジェネフロ株式会社(https://www.regenephro.co.jp/)は、タミバロテンをADPKD治療薬開発品(RN-014)とした前期第二相臨床試験の第2段階の被験者募集を4月より開始いたしました。本件は昨年12月より開始した第1段階の被験者における投与後8週間までの安全性に問題がないことが確認されたことによるものであり、2024年末までに被験者募集完了を目指しています。
<治験公開情報>
jRCT (Japan Registry of Clinical Trials):臨床研究等提出・公開システム
https://jrct.niph.go.jp/latest-detail/jRCT2011230055
ClinicalTrials.gov:U.S. National Library of Medicineが提供する公開サイト
https://clinicaltrials.gov/study/NCT06289998
ADPKDの治療薬として唯一トルバプタンが承認されています。トルバプタンの上市以降、世界各国の製薬企業が数多くの新規治療薬の臨床試験を実施してきましたが、これらの薬剤のADPKDにおける開発は既に中止されているものがほとんどであり、新たな治療の選択肢が強く望まれています。RN-014は、現在ADPKD患者さんを対象とした開発中の薬剤の中で最も開発ステージが進んでいます。(https://pkdcure.org/what-is-pkd/latest-research/pipeline/)
ADPKD(特発性多発性嚢胞腎症)について
両側の腎臓に多数の嚢胞が次第に発生・増大して、徐々に腎機能障害が進行する最も頻度の高い遺伝性嚢胞性腎疾患で、腎臓以外にも、肝臓や膵臓などに嚢胞が生じることがあります。全身の血管にも異常があり、高血圧、脳動脈瘤、心臓の弁異常を伴う頻度が高いことが分かっています。嚢胞の増大を抑制するトルバプタンがADPKD治療薬として唯一承認されていますが、根治的な治療法は現在のところありません。
RN-014について
ADPKDの開発治療薬としてのタミバロテン。レチノイン酸受容体(RAR)作動薬で、嚢胞形成を抑制し腎機能を改善する効果が見込まれています。複数のマウスモデル実験で同定した臨床試験の用量は4mg/dayであり、この用量での安全性が確認できていると考えられることから追加の非臨床毒性試験や第一相臨床試験を新たに実施することなく、ADPKD患者を対象とした臨床試験を実施することは妥当であると考え、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の対面助言を経て試験計画を最終化し、2023年12月より前期第二相臨床試験を開始しました。前期第二相臨床試験はPKフェーズとRandomizationフェーズから成ります。尚、ADPKD患者さんへのタミバロテン投与は今回の臨床試験が最初であることから、段階的な被験者のリクルート、定期的な効果安全性評価委員会による第三者的な安全性のモニタリングの実施、治験薬の減量・中止基準、治験全体の中止基準など種々の安全対策を設定しています。
タミバロテンについて
再発・難治性の急性前骨髄球性白血病(APL)の承認済治療薬。アムノレイク錠2mgとして販売されています。長期臨床試験を実施するために必要な非臨床毒性試験を実施済みで、APL以外にも多種多様な適応症(非小細胞肺癌、骨髄異形成症候群、急性骨髄性白血病、膵臓がん、ループス腎炎、クローン病、アルツハイマー病等)の臨床試験を実施中もしくは完了している等、ヒトに対する投与経験が豊富であり、ヒトにおける安全性プロファイルは確立されています。再発・難治性のAPL治療においては、高用量のタミバロテンを短期間集中的に投与することにより、分化症候群などの重大な副作用が報告されていますが、アルツハイマー型認知症患者を対象とした医師主導臨床試験においては、APL治療よりも低用量のタミバロテン4 mgを1日1回24週間経口投与で、死亡例ならびにタミバロテンとの関連性が否定できない重篤な有害事象は報告されておらず、タミバロテンの忍容性ならびに安全性に問題は認められませんでした。
リジェネフロ株式会社
リジェネフロは、京都大学iPS細胞研究所 長船健二教授の研究シーズを基盤とする技術を駆使する、臨床ステージの創薬スタートアップ。腎臓を中心に肝臓、膵臓に関わる疾病の治療薬を開発しています。2019年創業。
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