処方箋 1 枚がこどもの 1 食に。薬局が運営するこども食堂がオープン!
薬局が描く、持続可能なこども食堂への挑戦

調剤薬局を運営する株式会社ヤナリ(本社:神奈川県相模原市、代表取締役:李 英健、以下「ヤナリ」)は、2025年8月1日、東京都練馬区・西武池袋線保谷駅前に、こども食堂「こどもまんぷく食堂」をオープンしました。
「ひとつの薬局が、ひとつのコンセプトを掲げ、ひとつの社会課題と向き合う」という方針のもと、サイニング(手話)薬局に続く新たな挑戦となります。
薬局と連携した新たな地域貢献モデル

「こどもまんぷく食堂」の最大の特徴は、当社の運営する「まいにち薬局 こどもまんぷく店」と連携し、処方箋1枚が地域のこどもたちの1食分の食事支援につながるという独自の仕組みです。
全国的にも非常に珍しいこのモデルは、薬局で薬を受け取るという日常的な行動が持続的なこどもたちの支援へとつながる、まさに新しい地域貢献のかたちです。
こども食堂の現状と課題

近年、こどもたちが直面する貧困問題や、共働き世帯の増加に伴う孤食の問題は深刻さを増しています。厚生労働省の2021年の調査によると、日本のこどもの約9人に1人が貧困状態にあり、特にひとり親世帯の貧困率は44.5%にのぼります。共働き世帯の増加により家族で食事を囲む機会が減少していることで栄養不足や心身の成長への悪影響も懸念されています。
こうした背景から、現在国内には10,000か所以上のこども食堂が活動しています。しかしその多くは助成金や寄付に大きく依存しており、安定した運営が難しいという現実があります。また、ボランティアによる運営が中心のため開催頻度が月1~2回程度と少なく、十分な支援が行き届いているとは言えない状況です。
こども食堂に持続可能性を
調剤薬局発の新モデル「こどもまんぷく食堂」が目指す未来

「こどもまんぷく食堂」は、この社会課題の解決を目指し、調剤薬局という安定した事業基盤を活用することで、持続可能なこども食堂の運営モデルを実現します。
「まいにち薬局 こどもまんぷく店」が処方箋を1枚受け付けるごとに、薬局からこども食堂の運営資金として食事1食分の食材費が寄付されます。この取り組みでは、薬局を利用する方に金銭的な負担をかけることなく、社会全体でこどもたちを支えることを目的としています。
「寄付」という行為を特別なものとせず日常の延長線上に置くことで、地域全体が自然と関わり合いを持ち、こどもたちを継続的に支援できる未来を目指します。
「まいにち薬局 こどもまんぷく店」が受け付ける処方箋の枚数が増えるほど、「こどもまんぷく食堂」の開催日数や受け入れられる子どもの数、提供できる食事の量を増やしていくことができます。
このモデルは、地域と共にサステナブルに成長していく運営モデルとして、日本全国のこども食堂運営に新たな可能性を提示します。
こどもまんぷく食堂に込めるスタッフの想い
財津(まいにち薬局 こどもまんぷく店 リーダー)
■「こどもが自ら行きたくなるようなこども食堂を目指して」
私は現在、母1人で子育てをしています。仕事と育児の両立の中で、毎日バランスの取れた食事を用意することができず、娘が夜ごはんをひとりで食べる日もあり申し訳なさや悔しさを感じていました。
ある日、こども食堂が近くにあることを知り思い切って利用してみました。しかし、当時の娘は「行きたくない」と言い、継続して利用することはできませんでした。

こども食堂という存在がもっと身近で、もっと楽しく、誰もが気軽に立ち寄れる場所だったら──。私のように悩んでいる親子が、もう少し楽に日々を過ごせるのではないか。
「こどもまんぷく食堂」は、そのような娘を想う気持ちが込められています。

米田(こどもまんぷく食堂シェフ)
■「感謝の気持ちが芽生える、こころも育つ、あたたかい食卓に」
私の娘は超低体重出生児として生まれ、生後すぐにNICU(新生児集中治療室)に入り、約8カ月間の入院生活を送りました。無事に退院はできたものの、成長のペースはゆっくりで、親として不安の尽きない日々が続きました。
家族で娘の環境を最優先に考え、私は飲食の仕事を手放し、自然の多い妻の実家・群馬への移住を決断しました。そこでの生活は、私たちに人とのつながりの大切さを気付かせ、助けてくれる周囲の人々への感謝の気持ちに包まれた日々を送ることができました。
その後、再び東京での生活が始まり、「自分の経験を誰かの役に立てたい」という想いが強くなる中で出会ったのが「こどもまんぷく食堂」です。ここなら、自分の原点である“心も育つ、あたたかい食卓”という想いを形にできる。娘の存在が教えてくれた「人のぬくもり」や「感謝の気持ち」を、今度は私が誰かに届けていけたらと思っています。
安心して来られる、明るく温かい食卓を目指して

私たちが手掛ける「こどもまんぷく食堂」では、こども食堂に対して「恥ずかしい」「暗い」イメージを持つご家庭にも、「ここなら楽しそう」「行ってみたい、また行きたい」と思ってもらえるような、明るく温かい空間作りを目指し、SNSで多くの応援を集めるインフルエンサー・難聴うさぎさんとコラボレーションしました。
難聴うさぎさんは、誰もが安心して立ち寄れる場所にしたいという想いに共感し、「どんなこどもでも来ていいんだよ」というメッセージを自身の発信と空間演出を通して届けています。
健康の礎である食事を、居心地の良い空間で、みんなと一緒に楽しめる。楽しいからこそ、続けられて健やかに育っていく。「こどもまんぷく食堂」は、栄養を摂取するだけでなく、食卓を囲む楽しさを経験できる「食育」の場として包括的なアプローチに取り組みます。

難聴うさぎさんプロフィール
インフルエンサー、YouTuber、会社経営者として活躍。
YouTubeやTikTokを中心に、自身の難聴の経験や障害に関する情報発信、手話、障害者との対談などを行っています。
薬局の経営を通して社会課題と向き合う ヤナリの目指すコンセプト薬局

李 英健(株式会社ヤナリ代表)
「ひとつの薬局が、ひとつのコンセプトを掲げ、ひとつの社会課題と向き合う」
――それが、私たちの考えるコンセプト薬局です。
株式会社ヤナリでは「こども食堂薬局」の他に、耳の聞こえない方に向けた「サイニング(手話)薬局」等のコンセプト薬局を運営しています。コンセプト薬局の設立には、私自身の原体験が深く関わっています。
2024年、私は足の病気を患い約1年間をベッドの上で過ごしました。
医師からは『もう歩けないかもしれない』と告げられ、未来が見えない日々が続きました。
そんな中、仲間たちが日々かけてくれる温かい言葉や励ましがどれほど力になったか。今でも忘れられません。
“誰かを想う気持ち”は、誰かを助けることができる──。
私はこの1年で、それを実感しました。
だから今度は、私自身が“誰かの力になれる場所”をつくりたい。そう思ったのです。
そんな想いが「コンセプト薬局」という新たな薬局のかたちをつくる想いの原点となっています。
こどもまんぷく食堂
現在、週4日(日・月・木・金)の15時~19時で開催しています。
3歳〜小学生のこどもは無料、その付き添いのご家族は1食500円で食事を提供します。
〒178-0064 東京都練馬区南大泉3-29-15 リベラ大泉2F
TEL:090-9516-5748
まいにち薬局 こどもまんぷく店
〒202-0012 東京都西東京市東町3丁目14−27 いすずやビル 1階
TEL:042-439-8680
開局時間:火・木・金・土・日・祝日 10:00~19:00
月・水曜日 10:00~21:00

株式会社ヤナリ
所在地:神奈川県相模原市南区古淵2-16-15 マスカットビル1階
事業内容:まいにち薬局運営、ヤクテラス運営
代表取締役:李英健
電話番号:043-305-4031
資本金:900万円
会社HP:http://mainichi-y.co.jp/
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