インパクト・キャピタル1号ファンド、Ms. Engineer株式会社にラウンドのリード投資家として出資

日本の賃金格差解消を目指し、Ms. Engineerによる女性のIT人材育成をサポートすべくインパクト投資を実行

インパクト・キャピタル株式会社（東京都渋谷区、代表取締役：黄（尾﨑）春梅、高塚（宮部）清佳）が運営するインパクト・キャピタル1号投資事業有限責任組合（以下、「当ファンド」）は、Ms. Engineer株式会社（東京都千代田区、代表取締役： 山崎 ひとみ、以下「Ms. Engineer」）が実施する第三者割当増資を引き受けました。

2021 年 11 月に設立された Ms. Engineerは、「日本の賃金格差を解消する」をビジョンに掲げ、エンジニア職未経験の女性を高度 IT 人材に育成するための計 600 時間の独自の講座を全オンラインで提供しています。即戦力人材の育成に資するため、AI（大規模言語モデル）を活用した開発を含む、最先端の技術領域を取り入れた講座を提供する他、カリキュラムの約半分をチームでのプロジェクト開発に充て、実践的な演習を繰り返すことでチーム開発に求められるソフトスキルも同時に磨きます。

インパクト・キャピタル1号ファンドは、2024年5月に未上場会社へのインパクト投資※1を行うために組成したファンドです。「『人』のWell-beingを追い求めるインパクト投資」をミッションに掲げ、「多様性が認められ、かつ、価値観に基づいて選択することのできる、彩り豊かな社会の創出」（以下、「変革仮説」）に向け、インパクト投資を通じて、経済的リターンと社会的リターンの両立を目指します。

日本国内における女性の就業者数や転職者数は増加しているものの、国際的に見ると男女間のジェンダーペイギャップは依然として大きいままです。これには、女性の就労における非正規雇用率の高さ、リスキリング機会の確保の難しさ、長時間労働プレミアムの存在などの構造的な要因が背景にあります。子育てや介護等のライフイベントによって就労の継続が難しくなり離職した結果、その後長期にわたり賃金格差を引き起こすとも考えられています。内閣府や男女共同参画局から発表されている「新・女性デジタル人材育成プラン」では、女性のデジタルスキル習得から就労までを着実に結び付ける取組みが全国で一層推進されるよう支援を強化することが明記されています。当社の講座は厚生労働省の教育訓練給付制度の対象であり、関係各省からの支援内容も年々強化されることが見込まれます。

Ms. Engineerの提供する講座では、未経験からでもエンジニアへのキャリアチェンジを望む女性が、新たなスキルを得て、自分の意志に沿った働き方を実現できるようにサポートしています。正規雇用の IT エンジニアとして就職し、新しいキャリアの下で給与等の経済面が改善し、また、リモートワーク等の柔軟な働き方により自由度の高い働き方ができるようになれば、ライフスタイルへの満足度向上が期待できます。これらが、当ファンドが投資を通じて目指す変革仮説に沿っているものと判断し、本ラウンドのリード投資家として、今般のインパクト投資を実行しました。また、投資検討段階からMs. Engineerの事業が社会に与えるインパクト創出のロジックを整理し、インパクトを測定・可視化し、その結果を経営や事業の改善に活かす「インパクト測定・マネジメント」※2の導入についても、当社経営陣と議論を重ねてきました。出資期間中にわたり、社会的価値の創出と経済的価値の最大化の両面からMs. Engineerをサポートすることで、インパクト投資のエコシステム構築を積極的に推進してまいります。

（※1） インパクト投資：財務的リターンと並行して、ポジティブで測定可能な社会的及び環境的インパクトを同時に生み出すことを意図する投資行動を指す

（※2） インパクト測定・マネジメント：IMM（Impact Measurement & Management）と呼ばれ、ビジネス上の活動が人や地球に与えるポジティブとネガティブの両方の影響を特定し検討することを含み、その上で自身の目的と整合させつつネガティブな影響を低減し、ポジティブな影響を最大化する方法を見出し、実践する反復的なプロセスを指す

インパクト・キャピタル株式会社

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