ライノフラックス、水ingと下水汚泥からの高効率発電・高純度CO2回収に向けた実証を開始

下水処理場を「汚泥処理の場」から「地域の資源・エネルギー拠点」へ

ライノフラックス株式会社

ライノフラックス株式会社(京都府京都市、代表取締役CEO:間澤 敦、以下「ライノフラックス」)は、水ing株式会社(東京都港区、代表取締役社長:安田 真規、以下「水ing」)と実施してきたフィージビリティ・スタディ(以下「F/S」)において、下水汚泥を対象とした湿式ケミカルルーピング技術の適用可能性および事業性を確認したことを踏まえ、次フェーズとなる小規模実証試験を開始しました。本実証では、プロトタイプに下水汚泥を投入し、長時間連続運転を実施します。F/Sで得られた技術・事業面の見通しをもとに、汚泥減容化、発電、CO2回収に関するさらなる実証データを取得し、下水汚泥の有効活用策の具体化や、今後のパイロット機・商用機開発に活用します。

小規模実証の概要

項目

内容

出力規模

最大1kW

原料

下水汚泥

試験期間

2026年7月~2027年1月

実施場所

ライノフラックス 研究所内

(京都府京都市西京区御陵大原1-39 京大桂ベンチャープラザ南館)

主な試験内容

・プロトタイプに下水汚泥を投入し長時間連続運転を実施

・下水汚泥の減容化、発電、CO2回収に関する実証データを取得

・下水汚泥の有効活用策の検討に資するデータを取得

湿式ケミカルルーピング技術について

燃焼を伴わない次世代エネルギー変換の仕組み

当社の「湿式ケミカルルーピング技術」は、京都大学・蘆田隆一講師の基礎研究を基盤に、水溶液中の化学反応で電力を取り出す次世代エネルギー変換技術です。バイオマスを燃やすことなく高効率なエネルギー変換を行い、副次的に高純度のCO2を分離・回収します。従来のバイオマス発電技術と比較して約2~4倍の発電効率を実現し得るため、同じバイオマス投入量からより多くの電力を取り出し、未利用バイオマス資源の経済的な活用につなげることができます。

また、水溶液中の反応を利用する技術であることから、木質バイオマスや食品残渣に加え、下水汚泥のように水分を多く含むバイオマスにも適用可能性があります。

燃焼設備を必要としないため、装置規模を柔軟に設計でき、工場、プラント、水インフラ施設など、原料が発生する現場へのオンサイト導入が可能です。

図1)湿式ケミカルルーピング技術

下水処理セクターにおける社会的価値

  1. 下水汚泥の減容化・処理負荷低減への貢献

    下水処理場では、汚泥の脱水、焼却、埋立、外部処分などに多くのコストとエネルギーがかかります。本技術により汚泥の減容化が進めば、処理・輸送・最終処分に伴う負荷の低減が期待されます。

  2. 下水処理場における創エネルギーの選択肢拡大

    下水汚泥は、地域で継続的に発生するバイオマス資源です。本技術により下水汚泥から高効率に電力を取り出すことで、下水処理場のエネルギー自立性向上や運転コスト低減に資する、新たな創エネルギー手段となることが期待されます。

  3. CO2回収による脱炭素化・炭素利用への貢献

    本技術では、発電と同時に99.9%以上の高純度CO2を分離・回収できます。回収したバイオマス由来CO2は、CDR市場におけるクレジット化や、液化炭酸ガスとしての産業利用など、複数の価値化手段につながる可能性があります。下水汚泥のエネルギー利用に加え、回収CO2を炭素価値として活用することで、下水道事業における新たな収益機会や脱炭素投資の原資創出にも貢献し得ます。

当社の事業フェーズとロードマップ

当社は、ラボ、プロトタイプ、パイロット機、商用機、大規模プロジェクトの5段階で事業開発を進めています。これまでに、1kWプロトタイプを用いた複数原料での連続運転試験を実施し、累計240時間超の安定運転を達成しました。これにより、より実装に近いパイロット機フェーズへ移行しています。

現在、出力規模を拡大した20kWパイロット機の開発に着手しており、商用化を見据えた装置構成、運転制御、原料対応性などの検証を進めています。今回の下水汚泥を用いた小規模実証で得られる知見も、今後のパイロット機および商用機設計に反映していきます。

2028年以降には100kW級の商用初号機の市場投入を目指し、その後、100kW〜2MW級の商用機を工場・プラント・水インフラ施設向けに展開していく計画です。

図2)パイロット機イメージ

各社の役割

本実証では、水ingが有する水処理・汚泥処理分野の知見と、ライノフラックスの湿式ケミカルルーピング技術を組み合わせ、下水汚泥の資源化に向けた実装データの取得と、将来的な導入条件の整理を進めます。

図3)協業イメージ

水ing株式会社

水ingは、下水処理場、し尿処理場、産業排水処理施設などに関する豊富な知見を活かし、対象汚泥の特性把握、汚泥処理プロセスとの接続条件の整理、将来的な水インフラ施設への導入に向けた検討を担います。

ライノフラックス株式会社

ライノフラックスは、湿式ケミカルルーピング技術の研究開発、プロトタイプ設備の運転、下水汚泥を用いた発電・CO2回収・減容化に関するデータ取得および技術検証を担います。

代表コメント

  ライノフラックス株式会社 代表取締役CEO 間澤 敦

下水処理場は、地域を支える社会インフラであると同時に、下水汚泥という膨大なバイオマス資源が全国で日々生み出される場所でもあります。天候や海外情勢に左右されず、国内で安定的に得られる、数少ない未利用の地域エネルギー源です。

脱炭素化とエネルギー安全保障の両立が求められる今、下水汚泥を処理・処分の対象から「国産エネルギー」および炭素資源へと捉え直すことは、日本のエネルギー自立にも大きな可能性を持つと考えています。当社の湿式ケミカルルーピング技術は、こうした資源を"燃やさずに"電力へ変換し、同時に高純度のCO2を回収します。

水処理・汚泥処理に豊富な知見を持つ水ing様との小規模実証は、この技術を社会インフラの現場へ実装する重要な一歩です。ライノフラックスは、足元に眠る未利用資源を地域の電力と炭素価値に変え、下水処理場を"創エネルギー拠点"へと転換してまいります。

各社の概要

ライノフラックス株式会社

ライノフラックスは、京都大学発のスタートアップとして、湿式ケミカルルーピング技術を活用した次世代バイオマス発電・CO2回収技術の開発に取り組んでいます。食品残渣、木質バイオマス、下水汚泥など、これまで有効活用が難しかった多様なバイオマス資源を対象に、分散型の発電・CO2回収ソリューションの社会実装を目指しています。

商号:        ライノフラックス株式会社

英文:        Rhinoflux Inc.

代表者:     代表取締役CEO 間澤 敦

本社住所:  〒606-8501 京都市左京区吉田本町36-1 京都大学 国際科学イノベーション棟西館104号室

研究所:     〒615-8245 京都市西京区御陵大原1-39 京大桂ベンチャープラザ南館2214号室

設立日:     2024年4月22日

事業内容:  バイオエネルギー炭素回収装置及び関連機器の設計・製造・販売・管理・運営

E-mail:     info@rhinoflux.com

Website:   https://rhinoflux.com/

水ing株式会社

水ing (読み:すいんぐ)は、「生命の源である『水』を通じていつまでも社会に貢献し続ける『ing』」を経営理念に掲げ、水処理施設(浄水場、下水処理場、汚泥再生処理センター、し尿処理場、民間施設等)の設計・建設から運営、維持管理までをトータルに手掛けています。

“水の先をつくれ。”というブランドメッセージのもと、地域の暮らしの課題に目を向け、安全安心な水環境を提供し続けるとともに、水を通じて、暮らしと街の未来を支えています。

商号:        水ing株式会社

英文:        Swing Corporation

本社住所:  〒105-0021 東京都港区東新橋1-9-2 汐留住友ビル27階

TEL:         03-4346-0600(代表)

FAX:         03-3572-1200(代表)

Website:   https://www.swing-w.com/

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会社概要

ライノフラックス株式会社

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URL
https://rhinoflux.com/
業種
電気・ガス業
本社所在地
京都府京都市左京区吉田本町36-1 京都大学 国際科学イノベーション棟西館104号室
電話番号
090-5836-0892
代表者名
間澤 敦
上場
未上場
資本金
2億450万円
設立
2024年04月