名古屋大学、Starlight Engine、京都フュージョニアリングの3者が共同研究契約を締結

-2030年代の発電実証を目指すFASTプロジェクトのプラズマ設計に取り組む-

Starlight Engine株式会社

国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学(以下、名古屋大学)、Starlight Engine株式会社(以下、Starlight Engine)、京都フュージョニアリング株式会社(以下、京都フュージョニアリング)は、2030年代の発電実証を目指すFASTプロジェクトのプラズマ設計について、共同研究契約を締結したことをお知らせします。

■共同研究契約締結の背景

フュージョンエネルギーの早期実現に向け、世界中で開発競争が加速するなか、2030年代の発電実証を目指す民間主導の産学連携プロジェクトとして2024年11月に「FAST」が始動しました。FASTのプラズマの閉じ込め方式には、最も多くの研究と実験データがあり、コスト管理と技術リスク管理が可能なトカマク型(※1)を採用しています。事業主体であるStarlight Engineをはじめ、日本を代表する核融合研究者や京都フュージョニアリングを含む産業パートナー、国際連携パートナーが連携し、プロジェクトを推進しています。

このたび、FASTプロジェクトにも参画している名古屋大学大学院工学研究科 総合エネルギー工学専攻の藤田 隆明教授とともにプラズマ設計を推進するべく、共同研究契約を締結しました。プラズマの生成・維持を最適化するプラズマの設計では、プラズマそのものに対する知識と経験に加え、周辺機器の炉工学的な条件などの知見が欠かせません。藤田教授は、世界最大のトカマク型超伝導プラズマ実験装置「JT-60SA(※2)」の前身となる「JT-60U(※3)」で研究や開発をけん引し、世界のトップデータとなる実効エネルギー増倍率Q>1を達成するとともに、JT-60SAのプラズマ設計を主導したトカマクプラズマ設計の専門家です。名古屋大学でもプラズマシミュレーションや核融合炉設計研究を行ってきました。藤田教授のプラズマ設計に関わる豊富な知識と経験と、工学技術に強みを持つ京都フュージョニアリングやStarlight Engineの技術力とプロジェクト推進力を掛け合わせ、FASTプロジェクトを推進していきます。

■共同研究契約内容

FASTの実現に欠かせないプラズマ設計に関する開発研究を行います。プラズマ物理、炉工学の両面を考慮して最適なプラズマパラメータを検討するとともに、炉心プラズマの生成・維持のための機器の仕様を設計します。

具体的にはプラズマの形状、密度分布、温度分布などを計算し核融合出力を算出しながら周辺機器を設計するとともに、プラズマの発生から定格運転状態への立ち上げの過程や定格運転状態の安定的な維持のためのプラズマ制御を含むプラズマ運転シナリオの最適化に取り組みます。

■3者からのコメント

名古屋大学大学院工学研究科 総合エネルギー工学専攻 教授 藤田 隆明

2030年代に核融合反応の長時間維持とそのエネルギーによる発電の実現を目指すFASTプロジェクトに本格的に参加できることを嬉しく思います。これまでの研究者としての経験を活かし、プラズマ設計の立場から装置設計の具体化・最適化に貢献していきたいと考えています。

Starlight Engine株式会社 代表取締役社長 世古 圭

高い専門性と豊富な知見を持つ名古屋大学と京都フュージョニアリングとともに、FASTプロジェクトに関わる共同研究を実施できることを大変心強く感じています。藤田教授の長年のプラズマ研究による知見をお借りしながら、FASTの設計をより確実なものとし、FASTによる発電実証とその後のフュージョンエネルギーの商業化に向けて開発を加速させてまいります。

京都フュージョニアリング株式会社 Co-Founder and CEO 小西 哲之

このたび、トカマク型プラズマの物理と工学の第一人者である藤田教授とともに、Starlight Engineが推進するFASTプロジェクトに関われることを嬉しく思います。FASTに欠かせないプラズマ設計に、当社の強みである炉工学分野のノウハウを活かすことで、2030年代の発電実証とそれに続くフュージョンエネルギーの実用化に貢献してまいります。

※1:高温プラズマを磁場により閉じ込める核融合炉の方式の一つです。トロイダル磁場とポロイダル磁場の組み合わせによりドーナツ型の磁場を形成し、その中に高温プラズマを閉じ込めます。

※2:茨城県の量子科学技術研究開発機構(QST)那珂フュージョン科学技術研究所にある世界最大のトカマク型超伝導プラズマ実験装置で、日本と欧州が共同で実施するプロジェクトです。

※3:臨界プラズマ試験装置JT-60Uは、世界最大級のトカマク型核融合実験装置で、プラズマの温度を上げるために入れたエネルギーと核融合反応によって発生したエネルギーが等しくなる臨界プラズマ条件、世界最高のイオン温度などを達成しました。2008年8月に実験運転を完遂し、JT60-SAへと引き継がれました。

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会社概要

Starlight Engine株式会社

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URL
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業種
電気・ガス業
本社所在地
東京都大田区平和島六丁目1番1号 東京流通センター 物流ビルA棟 AW1-S
電話番号
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代表者名
世古圭
上場
未上場
資本金
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設立
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