【世界自殺防止デーに考えたい「若者の生きづらさ」の本音とは】──自殺未遂者500人へのインタビューから判明した自殺未遂者のリアル
今読むべき、「10代が自殺を踏みとどまった実体験」/「生きテク編集部大賞 2025」発表
NPO法人 生きテク(東京都渋谷区、代表理事オキタリュウイチ)は、自殺防止の啓蒙活動として、「今読むべき『10代が自殺を踏みとどまった実体験』」をテーマに、独自のインタビュー記事を選出した。さらに、「生きテク編集部大賞 2025」を発表する。
「生きテク」は、生きるためのテクニックを集めたデータベースとして、2007年から取材活動を行い、記事を読んで自殺を踏みとどまった人数は、2万8750名にのぼる(2025年8月現在)。
「誰にも相談できない」「わかっているけど、変えられない」といった生きづらさを抱えた人達に向けて、過去に困難を乗り越えた先輩方の「これで助かったというきっかけ」「回復までの体験談」「人生のどん底を乗り越えた技術=生きテク」を紹介している。

今回は、世界保健機関が指定する「世界自殺防止デー(9月10日)」、日本政府全体でこども・若者の自殺予防を強化する「自殺防止週間(9月10日〜9月16日)」に向けた啓蒙活動の一環として、これまでNPO法人 生きテクに届いた、いじめや暴力、性に関する困難を乗り越えた10代の経験者の声に再注目し、特に読まれるべき記事を厳選して紹介する。選定にあたっては、9月1日に若者の自殺者率が顕著に上がることを踏まえて、10代の自殺の三大理由である学校問題、家庭問題、健康問題に着目した。
607人を自殺から救った記事 ──今読むべき10代の実体験
【中学校でのいじめ:暴力と孤立の中で自殺を考えた、私を支えたものとは】

中1から中2、毎日の暴力や無視、給食にゴミを入れられるなどの、いじめを受けていました。
学校も先生も助けてくれず、友達もいない。親にいじめを隠していましたが、あざを隠しきれなくなり半年間登校拒否をすることに。転校しても同じ学区内では噂がつきまとい、居場所はありませんでした。
「死んだら楽かも」と自殺を考えるほど追い詰められていましたが、家族や愛犬ポーキーの存在が踏みとどまらせました。泣く私に寄り添うポーキーだけが唯一の味方で、「嫌な記憶を消したい」と多重人格を望むほど心は限界でした。
そんな私が、生きていてよかったと思えたきっかけとは___
筆者:TacTさん(男性)
職業:正社員
生きてみるボタン:607人
記事はこちら
【読者の反応】

647人を自殺から救った記事 ──今読むべき10代の実体験
【思春期に強姦され堕胎:飛び降りる寸前まで追い詰められた私】

17歳の時に見知らぬ人にレイプをされ、その結果子どもを身ごもった。
母は泣き崩れ、父は激昂し「警察へ行く」と言ったが、私はそれを止めた。
子どもが大好きだった私は、本当は産みたかったが、堕胎を選ばざるを得なかった。
失った子どものことを思うと毎日涙が止まらなかった。知らない道では路地に引き込まれたフラッシュバックに苦しみ、男性に触れられることも恐怖だった。
17歳の私には抱えきれないほど、心の傷は深かった。
リストカットを繰り返し、ついには自宅のベランダに足をかけた___
就職してパートナーを見つけられた現在の私が、当時の傷と向き合う。
筆者:名無しさん(女性)
職業:正社員
生きてみるボタン:647人
記事はこちら
【読者の反応】

生きテク編集部大賞 2025

直近1年間に投稿された最新の生きテクから、生きテク編集部が特に注目してほしい記事を「生きテク大賞2025」としてピックアップしました。
【喘息といじめで消えかけた自分:筋トレで、人生の転機が訪れる】

小さい頃から重度の喘息で、体育はいつも見学、運動会も楽しんだことがありませんでした。
発作のたびに周囲の視線が怖く、病院通いも多かったため、「普通の子ども」ではないと感じていました。
やがてクラスメイトに「病弱」「すぐ死にそう」とからかわれ、喘息を真似され笑われるようになりました。運動ができない自分は劣っている___
その思い込みは、勉強で成果を出しても消えず、劣等感だけが心に残りました。
家族の優しさすら重荷に変わり、「なぜ自分はこんな体に生まれたのか」と自分を責め続けていました。
筆者:ケンシロウ(男性)
職業:マッスルバーの店員
記事はこちら
NPO法人 生きテクの願い ──パパゲーノ効果によって、再び生きる喜びに出会えるように
死ぬことを考えた人のうち、メンタルヘルスサービスを利用できている人は「3割に満たない」というデータがあります(Hom et al., 2015)。また、死のうと考えている人ほど、自分の問題を自分で対処できると考え、支援を求めないといった指摘もあります(Czyz et al., 2013; Bruffaerts et al., 2011)。
こうした自殺対策の課題を踏まえ、相談支援に繋がりにくい状況に陥っている人に届けられる、「新たな支援アプローチ」が求められています。
辛い状態を乗り越えた人の経験談が、いま生き辛さを抱える人の生きる力になることが、科学的に証明されつつあります。それを「パパゲーノ効果」と言います(Niederkrotenthaler, ea al., 2010)。
参考文献
Hom, M. A., Stanley, I. H., & Joiner, T. E. (2015). Evaluating factors and interventions that influence help-seeking and mental health service utilization among suicidal individuals: A review of the literature. Clinical Psychology Review, 40, 28-39. https://doi.org/10.1016/j.cpr.2015.05.006
Czyz, E. K., Horwitz, A. G., Eisenberg, D., Kramer, A., & King, C. A. (2013). Self-reported Barriers to Professional Help Seeking Among College Students at Elevated Risk for Suicide. Journal of American College Health, 61(7), 398–406. https://doi.org/10.1080/07448481.2013.820731
Bruffaerts, R., Demyttenaere, K., Hwang, I., Chiu, W.-T., Sampson, N., Kessler, R. C., … Nock, M. K. (2011). Treatment of suicidal people around the world. British Journal of Psychiatry, 199(1), 64–70. https://doi.org/10.1192/bjp.bp.110.084129
Niederkrotenthaler, T., Voracek, M., Herberth, A., Till, B., Strauss, M., Etzersdorfer, E., Eisenwort, B., & Sonneck, G. (2010). Role of media reports in completed and prevented suicide: Werther v. Papageno effects. The British journal of psychiatry: the journal of mental science, 197(3), 234–243. https://doi.org/10.1192/bjp.bp.109.074633

私たちは、自殺を踏みとどまった方へ直接インタビューを行い、その人の状況や気持ちが伝わるよう、ひと記事ずつ慎重に執筆をしています。
「借金」「過労」「病気」「いじめ」「死別」「暴力」「恋愛」「その他」の8つのジャンルに分けてWeb記事化し、現在つらさを抱えている心へ寄り添う記事との出会いを届けています。
まずは、生きるためのテクニックを伝えるメディアとして「生きテク」の存在を多くの方に知っていただきたいです。
1:いま辛い状況にあり、自殺を考えている方へ「生きテクを届けたい」
2:自殺の危機を乗り越え、生きる喜びを感じられるようになった方へ「インタビューをしたい」
3:自殺で大事な方を亡くされた方、メディアの皆様へ「この活動を一緒に広げて欲しい」
生き方を届ける「生きテク」とともに、新たな自殺対策支援の輪を広げていきませんか。
■ご寄付のお願い
NPO法人 生きテクが行う「自殺を踏みとどまった方へのインタビュー」の活動には、当事者とのネットワーキング、本音を引き出すまでの深い信頼関係の構築、当事者の意に沿う形での原稿執筆、個人が特定されないよう配慮した校正、その後の関係性の維持、集積した知見の学術的検討・政策化など、膨大な労力がかかります。
しかし、この活動によって、数多くの自殺防止に貢献してきたことから、さらなる活動の展開が必要であると、痛切に感じています。
あなたの支援で救われる命があります。
・3,000円のご寄付で、24人の自殺を考えている人に届けられます。
・9,000円のご寄付で、3人の自殺を止めることができます。
・30,000円のご寄付で、平均225人の将来的に救える記事を執筆できます。
活動を支援いただける方は、下記お振込先へご寄付をお願い申し上げます。
【振込先】
PayPay銀行 ビジネス営業部
普通預金7293972
NPO法人 生きテク

【担当者連絡先】
NPO法人 生きテク
事務局長:都築則彦(つづきのりひこ)
mail:info[at]npo-ikiteku.net
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像