グローバルに進む化学品流通の安全規制対応を、テクノロジーでよりスマートに — Dynagonが資金調達
厚生労働省補助金対象システムに認定、事業拡大に伴い技術開発と採用を加速

株式会社Dynagon(本社:東京都 / 代表:坂本晋悟)は、SDS(Safety Data Sheet:安全データシート)作成・管理を支援するクラウドソフト「スマートSDS」の事業拡大に伴い、IDATEN Venturesを引受先とする資金調達を実施しました。調達資金は主に開発・営業の採用に充て、プロダクト開発と顧客支援体制を大幅に強化いたします。
【背景】
SDSは、化学品を扱う際に必要となる「取扱説明書」に相当し、健康・環境への有害性、適用法令等が記載された、該当する化学品の供給時に提供必須とされている文書です。
2024年に労働安全衛生法が改正され、SDS交付義務対象物質は2026年までに674物質から約2,300物質へと3倍以上に拡大します。こうした制度改正により、化学メーカーだけでなく、自動車、電子部品、建設、塗料、食品など幅広い製造現場でSDS関連業務の負荷が大きくなっています。

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SDSを作成する企業(主に化学品を開発・製造・販売するメーカー・商社)では、新規作成や改訂の頻度が急増。
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SDSを受け取る企業(主に化学品を購入・利用するメーカー)でも、管理すべきSDSの増加、頻繁な改訂に伴う最新版の収集・管理およびリスクアセスメントの繰り返しによって、現場のオペレーションは限界に。
また、従来は努力義務にとどまっていたSDS提供が罰則付き義務に移行することが厚生労働省から発表されており、これまでのようにマニュアル作業で乗り切ることが現実的ではなくなりつつあります。
規制強化の波を受けて、SDSの受取り手の目線は厳しくなっており、SDS品質が低いために化学品の販売ができない、という事例も報告され始めています。
規制強化に加えて、2025年末にはSDSやGHSにまつわるJIS規格の改正が予定されており、2026年以降は、すみやかに対応していくことが求められます。
【スマートSDSが目指す未来像】
ものづくりの現場は、常に「コスト・品質・納期」の最適化を追求しており、そのためには時に新たな材料の発明・利用にチャレンジすることも必要です。一方、そのチャレンジにはさまざまなリスクが伴います。
「化学品をつくる人」にとって、高機能化が進めば進むほど、組成や特性は複雑化し、その危険有害性を正確に算出・整理することが難しくなります。
取引先に安心して化学品を購入・利用してもらうためには、危険性を正確に伝える必要がありますが、現状ではその作業が大きな負担となっています。
「化学品をつかう人」にとっても、高機能な化学品を活用することで生産性や品質を高めたいというニーズがある一方、それらの化学品に潜む危険性を正確に把握し、リスク低減措置を講じることは容易ではありません。 結果として、「この化学品を用いることで生産性が上がる可能性があるのに、安全性を十分に確認できないために利用を諦める」といった場面も少なくありません。
Dynagonは、こうした「つくる人」と「つかう人」の間にある情報の断絶をなくし、「ものづくりの追求」と「安全の確保」が自然と両立できる世界を目指しています。その実現を支えるインフラとして、スマートSDSは化学物質情報の整備、危険有害性データの共有、そしてリスクアセスメントをすばやく正確に行える仕組みを提供します。
【スマートSDSの特徴】
スマートSDSは、化学品を「つくる企業」と「つかう企業」の双方を支援する、SDS統合クラウドソフトで、SDSの「作成・改訂・管理・参照」にわたる全プロセスで利用することができます。
スマートSDSメイク(SDSを提供する企業向け)

スマートSDSメイクはSDSを作成・提供する企業向けのクラウドソフトです。
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新規SDS作成:
豊富な物質データベースと法規制情報をもとに、専門知識がなくても短時間でSDSを作成可能。 -
既存SDS取込み:
PDFファイルのSDSをAI-OCRで自動解析し、編集可能なデータに変換。既存SDSのデジタル化として利用可能。 -
改訂アラート機能:
法改正や規制更新を検知し、改訂すべきSDSのリストアップから改訂箇所の特定までワンストップで支援。改訂漏れを防止。
スマートSDSチェック(SDSを受領する企業向け)

スマートSDSチェックは、取引先から受領したSDSおよびリスクアセスメントを一元管理するクラウドソフトウェアです。
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AI-OCRによるデジタル化:
紙やPDFのSDSを自動で構造化データに変換。 -
リスクアセスメント支援:
システム上でSDSと紐つけ、リスクアセスメントを実行 -
最新版SDSの管理:
改訂情報を検知し、常に最新SDSを保管。
また、スマートSDSでは、AIをUX(ユーザー体験)の裏側に溶け込ませた設計思想を採用する等、最新のAI技術を積極的に活用していることが特徴です。
例えば、英語のSDSを日本語に翻訳する場合、AIがSDSの文脈を理解し、内容に即した自然な日本語に置き換えます。ユーザーは特別な操作や指示をしなくても、ただ使うだけで精度の高い結果を得られる、そんな「裏でAIが支えている体験」を実現しています。
【実績】
スマートSDSメイクは、国内化学メーカーを中心に50社以上で導入が進み、大手メーカーでの利用も始まっています。
スマートSDSチェックは、自動車部品・精密機械部品を含む製造業大手や、安全管理を担う専門機関での活用が始まっています。
また、スマートSDSメイク・チェックともに、「SDS電子化補助金」(*)の対象システムとして認定されており、公的にも認められたシステムとなっています。
*SDS電子化補助金とは
2025年度に厚生労働省が開始したSDS特化補助金。SDS情報を電子的に交換する将来を目指し、自社システムの改修、あるいは新たなシステムの導入にあたって、中小企業を対象に、対象経費の1/2(ただし上限100万円)を補助する制度

【代表コメント】
株式会社Dynagon 代表取締役 坂本 晋悟

化学を取り巻く現場における“安全”の裏側には、膨大な手作業が存在しています。その時間を取り戻し、ものづくりに集中できる社会を実現したい。スマートSDSは、そのための安全インフラを目指します。
今後はより細やかな作り込みを可能にし、セキュリティや権限管理のさらなる強化にも取り組みながら、SDSの作成・改訂・管理にかかる時間を従来の1/10以下にすることを目指します。
【投資家コメント】
IDATEN Ventures 代表パートナー 足立健太

ガソリン、洗剤、殺虫剤、接着剤など、いまや日常生活において欠かすことのできなくなった化学品を販売・使用・保管するためには、SDSの作成・保存が必要です。世界的な環境意識の高まりを受けて、SDSに関する法令は厳格化を続けており、かといって適切なソリューションがこれまであまり見られませんでした。このままでは化学品の流通に影響が出てしまい、結果、日常生活にも影響が出てきてしまいます。
その問題を独自のSDS向けAIソリューション「スマートSDS」で解決しようと立ち上がったのがDynagonです。リリース以降、多くのお客様からご好評いただいております。
Dynagon起業家の坂本さんは実は長年、IDATEN Venturesで活躍いただいたベンチャーキャピタリストでもあります。IDATEN Venturesは「ものづくり・ものはこび」をよりよくするというミッションを推進するベンチャーキャピタルですが、そのミッションを、今度はDynagonの起業で体現されています。影響が大きなSDS関連規制の転換点というダイナミックなタイミングに、AIをはじめとする新技術をタイムリーに活用して、これからDynagonが切り拓く未来、楽しみで仕方ありません。
【採用とオフィス新設】
Dynagonでは現在、エンジニア・営業・カスタマーサクセスの採用を強化しています。経験以上に、課題に誠実に向き合い、理想の顧客体験を共に追求する情熱を重視します。
また、事業拡大フェーズに合わせて、目黒駅徒歩1分の場所に、新オフィスをオープンしました。山手線・南北線・三田線・目黒線が交わる目黒駅そばの通いやすい立地で、出社とリモートワークを組み合わせたハイブリッドな働き方を取り入れています。新オフィスでメンバーとカジュアルにお話することも可能ですので、ぜひお気軽にお問い合わせください。


【会社概要】

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会社名 |
株式会社Dynagon |
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代表者 |
坂本 晋悟 |
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所在地 |
東京都品川区上大崎2-13-45 |
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事業内容 |
SDS作成・管理支援クラウドソフト「スマートSDS」の開発・提供 |
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ホームページ |
【本件に関するお問い合わせ】

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問い合わせ先 |
株式会社Dynagon 代表 坂本 |
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contact@dynagon.jp |
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