液浸冷却によりGXを実現する日本液浸コンソーシアムが活動開始
~AIやDXを実現するサーバー・データセンターの効率的な冷却技術の標準化に向けて~

ポイント
・日本オリジナルの冷却技術としてグローバル展開を更に図り、産学官の枠組みを超えてイノベーショ
ンを創出するための国際競争力の構築が急務です。そこで、ステイクホルダーとの共創の場として
「一般社団法人日本液浸コンソーシアム」を設立しました。
・ 日本液浸コンソーシアムは、グリーントランスフォーメーション(いわゆる「GX」)の取り組みに
基づき、半導体素子の冷却液浸漬(液浸)冷却技術を普及させ、標準化に向けた運用指針を制定してま
いります。
社名:一般社団法人日本液浸コンソーシアム
住所:〒756-0884 山口県山陽小野田市大学通1丁目1−1
HP:https://immersion-cooling.jp/
【概要】
現在、世界は深刻なエネルギー危機と環境問題に直面しています。世界のエネルギー需要は2050年に2022年比で30%増になると予想されていましたが、急成長を見せる高度情報化社会により電力需要が予想を超えて遥かに伸びることは間違いありません。今後、豊かなエネルギー社会を構築するためには、安価で安定した電気を供給できるベース電源を早急に確保することが重要ですが、その一方で省エネルギー技術の普及が強く期待されています。
このような背景のもと、冷却に伴う電力投入を削減しつつ、高い冷却性能が得られる液浸冷却技術が注目を集めています。すでにサーバー分野では、液浸冷却システムの商用化も開始されていますが、日本オリジナルの冷却技術としてグローバル展開を更に図り、産学官の枠組みを超えてイノベーションを創出するための国際競争力の構築が急務です。そこで、ステイクホルダーとの共創の場として「一般社団法人日本液浸コンソーシアム」を設立しました。
当法人では、GXの取り組みに基づき、半導体素子の液浸冷却技術を普及させることを目的に以下の業務を行います。
●4回/年程度の研究会の実施を予定
●その他、液浸冷却普及のための施策を実施
〇液浸運用ルール制定と認可制定
〇標準化に向けた分科会活動
〇液浸部材の実証試験参加運用・実績共有
〇標準評価装置を用いた受託特性評価
〇液浸関連部材等の導入支援制度
【代表理事挨拶】

高度情報化社会の急激な進展により、AIデータセンターの電力需要は2030年までに4倍の約9,450億kWh(2024年水準から倍増)になると予想されています(IEA2025, Energy and AI)。この数字は、驚くべきかな現在の総電力消費量に匹敵するレベルです。資源に乏しい日本が高度情報化社会を選択する以上、我々はカーボンニュートラルとE3問題(エネルギーセキュリティ、経済、環境)の双方に大きく貢献する「データセンターの革新的省エネ技術」に取り組む責務があります。近年、省エネが「第一の燃料」と言われる所以です。このような背景のもと、我々はAIサーバ等の冷却に伴う電力投入を大幅に削減可能な液浸技術に注目し、今後、日本オリジナルの冷却技術としてグローバル展開を更に強化、産学官の枠組みを超えてイノベーションを共創・創出して社会実装を加速するため「一般社団法人日本液浸コンソーシアム」を設立しました。高度情報化社会を担う理想的なデータセンターの未来像について共に議論し、サーバの処理能力向上と省エネを達成可能な新しい冷却技術や関連する様々な技術を武器に、液浸冷却システムの標準化に向けた運用指針を世界に先駆けて策定できればと強く期待しています。
代表理事 結城 和久
【今後の展開】
下記内容で研究会の開催を計画しています。是非、共創の場としてコンソーシアムを活用いただけましたら幸いです。
第一回 液浸冷却研究会
日時 令和7年9月25日 13:00~16:30
場所:東北大学東京オフィス
〒100-0005 東京都千代田区丸の内1-7-12 サピアタワー10F
コンソーシアム入会についてはこちらから: https://immersion-cooling.jp/入会案内/


【コンソーシアムのシンボル・ロゴ】
本コンソーシアムが液浸冷却システムの標準化に向けた運用指針を世界に先駆けて策定、発信するステイクホルダーとの共創の輪と縁(つながり)を深める場にしたい想いを込めシンボルマークのformeを円としました。また、「冷却」や「液浸冷却システム」を連想させる青を基調に、上下に緩やかなグラデーションを施し、冷媒が揺らめいている様子や気泡をイメージし、ロゴマークに取り入れました。
【お問い合わせ先】
一般社団法人日本液浸コンソーシアム事務局
E-mail:info@immersion-cooling.jp HP: https://immersion-cooling.jp/
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