物流コンソーシアムbaton、西濃運輸及び福山通運、名鉄NX運輸及びトナミ運輸にて、ドライバー交替方式の実証運行を実施

関東-関西間の長距離幹線輸送における日帰り運行の実現と課題検証

baton

物流コンソーシアムbatonは、2026年1月30日から31日、2月6日から7日にかけて、関東・関西間の幹線特積輸送において、ドライバー交替方式による企業横断型中継輸送の実証運行を実施しました。今回の実証運行には、baton参画企業より、西濃運輸株式会社、福山通運株式会社、名鉄NX運輸株式会社、トナミ運輸株式会社の4社が参加しました。

異なる企業に所属するドライバーが、中継拠点で車両を相互に乗り換えるスキームにより、長距離運行の日帰り化を検証しました。また、実運用におけるオペレーションや車両等のハードウェア仕様、システムや労務管理などの面で、クリアすべき課題事項を再整理しました。

実証実験の背景と目的

物流業界では、長距離ドライバーの労働時間規制への対応と中期的な担い手確保による輸送網の維持が急務です。一社単独での解決が困難な中、物流コンソーシアム batonは、企業間の垣根を超えた共創に取り組んできました。今回の実証実験の目的は以下の3点です。

① 労働環境の改善:宿泊を伴う長距離運行を日帰り運行へ転換し、ドライバーの負担を軽減する。

② 輸送効率の維持:ドライバーが交替する方式により、輸送リードタイムを変えずに往復運行を完結させる。

③ 社会実装に向けた課題抽出:オペレーションや仕様の差異、点呼や労務管理の方法、トラブル発生時の責任分界点など、実運用上のハードルを明確にする。

本来、競合関係にある事業者のドライバー同士が、中間地点で互いのトラックを交換し、そのまま出発したエリアへ折り返す。この取り組みが実現すれば、一部の路線においては、長距離運行の日帰り化が可能になり、長年の慣習に囚われない新しい働き方の選択肢を作り出すことができます。本実証では、長距離ドライバーの日帰り化を実現するダイヤにおいて、実用化に向けたオペレーションや制度面の課題を抽出しました。

実証実験の概要

batonの第1弾の取り組みとして進めている企業横断型中継輸送では、ドライバー交替方式を採用しています。日本国内での幹線輸送で使用車両の割合が多い大型トラックを対象とし、中継地点での荷役作業が不要なドライバー交替方式での実行を目指すことで、長距離幹線輸送において新しい働き方を逸早く作り出すことを目指しています。

第1班:西濃運輸×福山通運

実施日:2026年1月30日(金)~1月31日(土)

中継拠点: 西濃運輸 浜松支店 (静岡県浜松市中央区)

第2班:名鉄NX運輸×トナミ運輸

実施日:2026年2月6日(金)~2月7日(土)

中継拠点:名鉄NX運輸 浜松ハブターミナル (静岡県浜松市西区)

運行タイムスケジュールの詳細

関東と関西、およそ500km離れた拠点からそれぞれ出発したトラックが、静岡県浜松市に仮設された中継拠点で合流します。ドライバーが互いの車両を乗り換えて、それぞれの出発地へ戻ります。通常、他社のトラックがどこを走っているかを知る術はありません。今回は、共通の動態管理プラットフォームを導入し、運行管理者が必要に応じて双方の車両位置や運行状況を確認できる環境を整備しました。中継という特殊な運行形態であることを踏まえ、トラブルの有無や到着見込みを随時確認しながら、安全かつ円滑な運行管理を行いました。

第1班 1/30-31実施分 (西濃運輸-福山通運)

19:00~20:00:出発準備

19:00頃、各拠点にて積込作業を完了。アルコールチェックを含む出発前点呼を実施。

20:00頃、西濃運輸車両は堺支店を、福山通運車両は藤沢支店を出発。同時に動態管理プラットフォーム上で位置情報の共有を開始。

20:00~24:00:往路運行

各車両は高速道路を利用して中継地点へ移動。

運行管理者はシステム上で双方の接近状況をモニタリング、到着予定時刻のズレがないか確認。

24:00~25:00:中継交替

24:00頃、西濃運輸浜松支店に両社車両が到着、ドライバー交替に伴う以下の業務を実施。

中間点呼及び健康状態の確認 (電話による所属営業所への報告など)

車両点検 (タイヤ・灯火類や車両外装の相互チェックなど)

運行操作確認 (デジタコの手動切替設定、車両特有の操作方法の伝達など)

25:00~05:00:復路運行・帰庫

25:00頃、ドライバーは相手企業の車両に乗車、出発地方面へ折り返し運行を開始。

4:30-5:00にかけて、それぞれのトラックの属する拠点に帰着。車両及び伝票の引渡を実施、運行業務を完了。

第2班 2/6-2/7実施分 (名鉄NX運輸-トナミ運輸)

19:00~20:30:出発準備

19:00頃、各拠点にて積込作業を完了。アルコールチェックを含む出発前点呼を実施。

20:30頃、名鉄NX運輸は葛西支店及び淀川支店から、トナミ運輸も大阪中央支店及び葛西支店から各車両が出発。

20:30~24:30:往路運行・合流調整

各車両は高速道路を利用して中継地点へ移動。

浜松ハブターミナルへの到着時刻を合わせるため、運行状況をモニタリングしながら移動。

24:30~25:00:中継交替

24:30頃、名鉄NX運輸の浜松ハブターミナルに両社車両が到着、30分間で以下の引継業務を実施。

車両点検 (タイヤ・灯火類や車両外装の相互チェックなど)

運行操作確認 (デジタコの手動切替設定、車両特有の操作方法の伝達など)

25:00~04:30:復路運行・帰庫

25:00頃、相手企業の車両に乗車、出発地方面へ折り返し、中継拠点を出発。

4:00~4:30頃、各拠点へ帰庫。荷下作業及び終業点呼を経て全行程を完了。

本実証運用上の工夫

本実証においては、企業横断型中継輸送の本格展開を見据えて、円滑な企業間連携を実現するために、以下の施策を講じました。

動態管理の共通化:共通の動態管理プラットフォーム「Traevo」を使用しました。各社の既存システムに加え、異なる事業者の車両位置をリアルタイムで可視化し、中継地点でのドライバー交替後も含め、最終到着地点までの運行状況を一体的に把握・管理できる体制を構築しました。

緊急時対応フローの策定:事故や車両故障等のトラブル発生時に備え、連絡系統を定めた「想定事象シート」を作成しました。自社運行管理者と車両保有会社の双方へ適切に情報共有が行われるよう、エスカレーションフローを統一しました。

点検項目の標準化:各社の点検項目を統一し、中継拠点においても確実な確認ができるよう、各社既存のチェック項目をベースに国交省の標準フォーマットも参考にしたチェックリストを整備しました。車両外装や装備品の点検手順を明確化しました。

検証結果と課題

実証実験を通じて得られた成果と、今後解決すべき課題は以下の通りです。

【成果】

日帰り運行の確立:中継輸送スキームにより、長距離運行におけるドライバーの拘束時間(宿泊先での待機時間含む)のサイクルを短縮。日帰り勤務が可能であることを確認しました。

オペレーションの実現性:異なる企業間であっても、事前のルール統一とシステム活用により、安全な車両交換と運行管理が可能であることを確認しました。

【社会実装に向けての5つのポイント】

参加各社の運行管理者およびドライバーからのフィードバックにより、以下のような課題が抽出されました。

1)荷役・配送の役割分担の再設計

企業横断の中継輸送を成立させるうえで最大の壁となるのが、荷役作業の会社ごとの差です。フォークリフト前提の有無、パレット中心かバラ中心か、荷崩れリスクを踏まえた積付手順や荷扱いルールなど、現場の前提が揃っていない状態では、ドライバー交替後に他社の荷役を担うことが難しく、運用の不安定化につながります。そこで、荷役手順・荷姿・設備条件を標準化し、各社ドライバーが相互に荷役を担える状態を目指します。併せて、標準化が難しい領域では荷役と配送を分離し、オペレーション上の懸念が生じない運用設計を選択肢として確立します。

2)中継対象車両の要件整理と運転環境整備

乗り継ぎ時の負担は「運転できるか」そのものより、車両特性の差分が見えないことから生まれます。荷台床面の高さ(低床・高床)や軸配置の違いは、取り回し・死角・切り返し感覚に直結し、構内操作やドッキング時のヒヤリハットを増やす要因になります。そこで、全面統一ではなく、乗り継ぎで最低限揃えるべき要件を整理し、とくに床面高さ・軸配置など「運転感覚に直結する差分」を中心に基準化します。同時に、この車両はどこが違うかを短時間で把握できる差分情報の提示形式を標準化し、構内・拠点作業まで含めて事故につながりやすいポイントを織り込んだ注意事項の型を整備します。

3)拠点運用設計と中継距離の最適化

企業横断の中継では、拠点側の物理条件が成立性を大きく左右します。とくにバース(ホーム)の高さや接車条件は、荷役のしやすさと安全性に直結し、構内導線・駐車配置・夜間運用の制約も含め、拠点ごとの差が運用難度を押し上げます。そこで、共同利用・企業横断を前提に、影響の大きいバース高さ・接車条件を中心に互換の考え方を整理し、成立しない組合せは事前に排除できる設計とします。

4)各社の貨物・運行情報の連携

中継輸送には、貨物情報(高価品の有無等)や点呼・勤怠を含む運行情報の企業間連携が不可欠です。しかし現状は、マニュアルかつ属人的な情報伝達に依存し、提携フォーマットや簡易なコミュニケーション手段が整っていないため、混載など輸送効率化の取り組みが進みにくい懸念があります。まずは中継時に必ず発生する運行情報の連携と当日の情報交換方法を最小共通項として定義し、連絡・申し送り・例外時共有が確実に回る運用基盤を整えます。そのうえで中長期テーマとして、混載を見据えた帳票類の統一と情報連携の共通化を重要課題に位置づけ、企業横断で扱える前提を整備します。

5)責任分界とリスクマネジメント体制の明確化

企業横断で連携する際、ドライバー評価や車両情報が各社内に閉じていると、相手のケイパビリティが見えず、適切な組合せ(人×車×拠点)を組みにくくなります。結果として、無理のある運用や過度な安全マージンが発生し、継続運用の阻害要因になり得ます。そこで、企業横断連携の前提として、ドライバーと車両のケイパビリティを可視化し、何ができるか、どの条件なら安全にできるかを共有できる仕組みを整えます。さらに、その可視化情報に基づき、連携範囲や条件を柔軟に設計できる“できることに応じて組む”運用ルールを整備し、責任分界とリスクマネジメントの実効性を高めます。

今後の展望

物流コンソーシアムbatonでは、今回の実証実験で得られたデータとフィードバックを基に、中継輸送の社会実装に向けたガイドライン策定を進めます。車両・機器の標準化や、ドライバーの新たな評価モデルの構築を含め、企業横断型中継輸送の本格展開を目指し、より長期的な業界全体の持続可能性向上に貢献してまいります。

以上

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会社概要

物流コンソーシアムbaton

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URL
https://www.logi-baton.jp/
業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
東京都千代田区大手町2-6-4
電話番号
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代表者名
原田 秀美
上場
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資本金
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設立
2024年11月