「ありがとう」を伝えるために、AIを学ぶ。鳳凰高等学校が家族への思いを映像に する特別授業を実施
株式会社サイコムの協力のもと、専門家の個別支援のもとで、思い出の写真をローカルAIで動画に。保護者を招いた上映会で、作品に込めた思いを発表。

学校法人希望が丘学園 鳳凰高等学校(所在地:鹿児島県南さつま市、校長:中野新二)は、2026年9月5日(土)に、株式会社サイコムの協力のもと、特別授業「動画生成AIで、大切な人に感謝を伝えよう」を実施しました。
生徒たちは家族との思い出の写真をもとに、専門家の支援を受けながら映像作品を制作。保護者を招いた上映会で、作品に込めた感謝の気持ちを自分の言葉で伝えました。
今回の授業が目指したのは、新しい技術を使いながら、自分の思いを言葉にし、表現を工夫し、相手に届ける経験を重ねることです。企画から生成・編集・発表までを通じて、生徒一人ひとりが考え、試し、伝える学びに取り組みました。
企業の専門家と学ぶ、技術の使い方と仕事の世界
授業の冒頭では、BTOパソコンメーカーであるサイコムの佐藤氏による会社紹介に続き、講師の小泉氏がCG制作の仕事や、そこで培ったスキルをAIの活用につなげている経験を紹介しました。生徒たちは、技術の仕組みとともに、クリエイティブの仕事に触れました。

家族の写真を扱う今回の動画生成には、手元のPC内で生成処理を行うローカルAI環境を使用しました。外部の生成AIサービスに写真をアップロードしない構成を採用し、講師からはクラウド型との違いや写真の取り扱いについても説明がありました。生徒たちは、使う情報に応じて制作環境を選ぶ視点にも触れました。


思いどおりにいかない場面も、考えて試す経験に
実習では、講師によるサンプルの紹介と操作の実演を経て、生徒たちが個別に制作を進めました。持参した写真をもとに、AIへの指示文である「プロンプト」を入力。画像を生成して動きを加え、できあがった素材を編集して一つの動画にまとめました。

思い描いた動きが出ない場面では、講師が画面を一緒に確認しながら、一人ひとりに技術的なアドバイスを行いました。生徒たちは指示する言葉や映像の見せ方を工夫し、限られた時間の中で作品を仕上げました。教職員も動画制作に挑戦し、生徒とともに新しい技術に触れました。

学びの成果を、家族に届ける上映会
午後の上映会では、生徒が一人ずつ作品を紹介し、感謝を伝えたい相手や制作でこだわった点、AI操作で難しかったことや面白かったことを発表しました。


父親と遊園地に行った思い出を題材にした作品には、父親から、映像を通じて感謝が伝わったという感想が寄せられました。また、赤ちゃんの頃の自分と現在の自分を同じ画面に登場させた作品では、保護者から、AIならではの表現への驚きが聞かれました。

自分が宇宙へ飛んでいく場面をつくろうとして、思いどおりの映像にできなかったという発表には、保護者が次の作品に期待を寄せる場面もありました。制作中の試行錯誤を話すと、会場から笑いが起こることも。上映会は、生徒の工夫と家族への思いを、親子で受け止める時間になりました。




関係者コメント

株式会社サイコム AI事業部リードマネージャー 佐藤明
今回の授業では、最新のAI技術を単に「使ってみる」だけではなく、ローカルAIという環境を通じて、プライバシーにも配慮しながら、自分の大切な写真や思いを作品にしていく経験を生徒の皆さんに届けたいと考え、PCやAI環境の面から協力させていただきました。
実際の授業では、初めて触れるツールにもかかわらず、生徒の皆さんがすぐに試行錯誤を始め、「どうすれば自分の伝えたいものになるか」を考えながら何度も生成を繰り返していた姿が印象に残っています。最先端のAIや高性能なPCを使っていても、最後に作品を動かしているのは「家族に感謝を伝えたい」という人の気持ちであり、技術はその思いを形にするための手段なのだと改めて感じました。
AIはこれから、学校だけでなく家庭や仕事など、より身近な場所で使われる技術になっていくと思います。今回の経験をきっかけに、新しい技術をただ便利なものとして使うのではなく、「何のために使うのか」「どのように使えば人の役に立つのか」を自分自身で考えられるようになってもらえたら嬉しいです。
サイコムとしても、こうした新しい技術に実際に触れ、可能性を発見できる機会をこれからもつくっていきたいと考えています。

特別授業講師 デジタルアーティスト 小泉薫央
家族写真は生徒にとって大切な思い出であり、同時に守るべき個人情報でもあります。今回、提案していただいた「家族に感謝を伝える」というテーマには、写真を外部サービスにアップロードせず手元のPCだけで生成できるローカルAIが合っていると考え、今回の制作環境を選びました。授業では、AIはクラウドだけでなくローカルPCでも扱えること、使う情報によって環境を選ぶことの大切さを伝え、AIを扱う上でのリテラシーを大切にしました。保護者の方から「最初はプライバシーが心配だったが、ローカル環境だけで使うと聞いて安心した。こういう使い方があるのかと驚いた」という声をいただいたことが嬉しかったです。
生徒たちがComfyUIという初めて触るツールを使いこなせるか、最初は心配もありました。それでも、中村先生のもとでVRやメタバース、ゲーム制作に触れてきた生徒たちは、ためらわずに手を動かしていました。赤ちゃんの頃の自分と今の自分を同じ画面に並べようと、何度も指示を工夫していた姿が特に印象に残っています。短い時間の中で、全員が画像と動画の生成から編集までをやり遂げました。自分の声や実際の写真を重ねた映像作品には、AIだけでは生まれない温かさがあり、心を動かされました。
これからAIを含む新しい技術と向き合うときは、その仕組みや扱い方を正しく知ったうえで、「誰に何を届けたいか」という思いを大切にしてほしいです。最後に、高性能なPCをご用意くださったサイコム様、授業の場をつくってくださった鳳凰高等学校の皆様、そしてご協力いただいた保護者の皆様に、心より感謝申し上げます。

株式会社サイコム AI事業部担当マネージャー 小田学
鳳凰高等学校の先生方、講師の小泉さんとは、前例のない取り組みということもあり、「どのようなアプローチがベストか」を共に案出しをして準備を進めてまいりました。
授業では、生徒の皆さんがご家族への「感謝」をテキストにし、具体的なイメージへと膨らませていく姿を拝見しました。最先端のAIを使っているのに、その過程はどこかアナログで、「人間の温かみっていいな」と私自身が再認識する時間でした。完成した映像をご家族に発表した際、親御さんたちの目元が潤んでいる様子を拝見し、胸が熱くなりました。
AIは使い方次第で良くも悪くもなりますが、今回は皆さんに「AIの素晴らしい使い方の一つ」を体験していただけたと思っています。この経験が、生徒の皆さんにとってAIの持つ「もっと別の可能性」や、世の中の利益になる新しい使い方を考えるきっかけになればと願っています。

鳳凰高等学校 教頭 東中川嘉郎
生徒たちの誇らしげな表情や、それを見つめる保護者の皆様の嬉しそうな笑顔・温かい雰囲気に触れて、この授業に取り組んで本当に良かったと胸が熱くなりました。想いを言葉や形にして相手に届け、喜んでもらえた経験は、生徒たちにとってかけがえのない宝物になったと感じています。
「ありがとう」の伝え方が、紙から映像、そしてAIと協働する新たな表現へと変わっていっても、その根底にある感謝の気持ちの尊さは変わりません。時代や技術がどんなに変わっても、私たちが一番大切にしたいのは「その技術を、誰を笑顔にするために使うのか」という人を思う心です。これからも最新の技術をワクワクしながら学びつつ、相手を思いやる優しさを忘れない生徒たちを、私たち教職員も一人ひとりに寄り添いながら温かく育んでいきたいと思います。

鳳凰高等学校 学校戦略支援室 中村太悟
AIをはじめとする最新テクノロジーは、単なる効率化や目新しさの追求だけでなく、人と人を繋ぐ温かいコミュニケーションの手段になり得るということを生徒たちに体感してほしいと考え、本授業のテーマを「感謝」と設定いたしました。日頃は気恥ずかしくてなかなか伝えられない身近な人への「ありがとう」という想いを、最新の技術を用いて表現することで、技術を活用するうえで最も大切な「人を想う心」に気づいてもらうねらいがありました。
当日の授業では、サイコム様にご用意いただいた高性能なPCに向かい、小泉先生のサポートを受けながら、生徒たちが真剣な眼差しで試行錯誤する姿が非常に印象的でした。家族や友人への感謝の気持ちをなんとか一つの作品として形にしようとプロンプトを工夫し、自分の想いと重なる表現が生み出された瞬間の生徒たちの表情が深く心に残っています。
今回の特別授業を通して、生徒たちは「最先端のテクノロジーは、自分たちの表現力や可能性を広げてくれる素晴らしいパートナーである」と実感できたはずです。この感動と達成感を胸に、今後も失敗を恐れずに誰かを笑顔にできるよう新しいことに積極的に挑戦してほしいです。

鳳凰高等学校 学校戦略支援室コーディネーター 鮫島歩
これからの未来を見据えて、次世代の担い手たちにどんな学びを届けるのか。そして、そのための学習環境を大人がどう用意していくのか。そこにこそ、私たち大人が責任感と使命感を持って取り組むべき課題があると考えています。今回は、家族の写真を安心して扱えるローカルAI環境と高性能なPC、クリエイティブの現場を知る講師、一人ひとりに付き添える体制という、学校だけでは揃えにくい学びの環境を、サイコム様と小泉さんのご協力によって一日の特別授業の中に揃えることができました。
本プロジェクトは、作品をつくって「すごかったね」で終わらせるのではなく、最先端の技術や制作プロセスを知り、作品を届けることでどんな価値が生まれるのか、社会に対してどんな意義を示せるのかまでを見据え、上映会での発表や外部への発信までを含めて、企画・運営を進めてきました。生徒はもちろん、ご家族、講師、企業の皆さま、そして私たち教職員関係者も含め、関わったそれぞれが何かを得て、学びを持ち帰ることができた取り組みになったと感じています。
今後も地域や企業の皆さまと連携しながら、生徒が学校の内外で作品や学びを発揮できる機会をつくっていきたいと考えています。
技術を使う経験を、人に思いを伝える力へ
授業の締めくくりには、小泉氏が生徒たちの集中力をたたえ、今後も作品づくりを楽しんでほしいとエールを送りました。サイコムの佐藤氏からは、AIを活用する経験が家庭でのコミュニケーションを深めるきっかけになることへの期待が語られました。
また、東中川教頭は、感謝の伝え方が紙や映像、AIとの協働による表現へと変化しても、その根底にある感謝の気持ちの尊さは変わらないと振り返りました。
鳳凰高等学校は今後も、地域や企業と連携し、生徒が自分で考え、表現し、人に届ける機会を大切にしてまいります。新しい技術と身近な人への思いを結びつけた今回の経験を、これからの学びにつなげていきます。

■実施概要
- 授業名:動画生成AIで、大切な人に感謝を伝えよう
- 実施日:2026年9月5日(土)
- 会場:鳳凰高等学校 e-base教室
- 所在地:鹿児島県南さつま市加世田唐仁原1202
- 対象:本校の参加希望生徒(全コース・学年を対象に募集)
- 協力:株式会社サイコム
- 制作環境:ComfyUIを用いたローカルAI環境
■鳳凰高等学校について

鳳凰高等学校は、鹿児島県南さつま市にある1956年創立の私立高等学校です。看護科・文理科・普通科の3学科を設置し、建学の精神のもと、生徒一人ひとりの進路実現と人間的成長を支える教育活動に取り組んでいます。
部活動での全国的な活躍に加え、DXハイスクール重点校として、デジタル技術を活用した新たな学びにも挑戦しています。
公式サイト:https://hooh.ed.jp
公式note:https://hooh-hs.note.jp
公式Instagram:https://www.instagram.com/hooh_official/
■学校法人希望が丘学園について
学校法人希望が丘学園は、鹿児島県を拠点に、幼児教育・高等学校教育・交通安全教育など、地域に根ざした多様な教育事業を展開しています。
同法人は、鳳凰高等学校をはじめ、附属幼稚園である加世田しらうめ幼稚園、鴨池しらうめ幼稚園、加世田自動車学校を運営し、子どもたちの成長から、社会で必要とされる知識・技能の習得まで、幅広い学びの機会を提供しています。
鳳凰高等学校では、看護科・文理科・普通科を設置し、進学、資格取得、探究学習、部活動、DX教育などを通じて、生徒一人ひとりの進路実現と人間的成長を支援しています。また、附属幼稚園では幼児期の豊かな心と健やかな成長を育み、加世田自動車学校では地域の交通安全と人材育成に貢献しています。
学校法人希望が丘学園は、これからも地域社会とともに歩む教育機関として、時代の変化に対応した教育環境の充実を図り、未来を担う人材の育成に取り組んでまいります。
鳳凰高等学校:https://hooh.ed.jp
加世田しらうめ幼稚園:http://kaseshiraume.ed.jp
鴨池しらうめ幼稚園:http://kamoshiraume.ed.jp
加世田自動車学校:https://www.kaseda-ds.co.jp/
■報道関係者からの問い合わせ先について
学校法人希望が丘学園 鳳凰高等学校
担当部署:学校戦略支援室
担当者:中村太悟・鮫島歩
電話:0993-53-3633
メール:pr@hooh.ed.jp
受付時間:平日9:00~17:00
すべての画像
