「地上の太陽」ITER、炉の心臓部を形づくる主要機器が集結! 最後の真空容器セクターが到着

欧州製の最後の真空容器セクターが到着し、全9基がITER建設サイトに集結。世界各国の技術と国際協力の成果が結実し、ITER本体の組立は新たな節目を迎えました。

最後の真空容器セクターの到着を祝い、ITER建設サイトには、職員や請負企業、各加盟極の国内機関、産業界の関係者たちが集まった。現地では、到着を記念する式典が行われました。(写真提供:ITER機構)

最後の真空容器セクターが到着。ITER建設の新たな節目へ

2026年10月2日、ITER建設サイトに、欧州で製造された最後の真空容器セクターが到着しました。

今回到着したのは、真空容器を構成する9基のセクターのうち、最後となるセクター#2です。

この到着により、トロイダル磁場コイル、ポロイダル磁場コイル、補正コイル、中心ソレノイド、真空容器の各セクター、熱遮蔽体など、ITERの炉の心臓部を形づくる主要機器が、すべて建設サイトに揃いました。

2020年にクライオスタットベースの据付から始まったITER本体の組立。世界各地で製造されてきた巨大な機器が集まり、装置の全体像が着実に形づくられています。

南フランスのサン・ポール・レ・デュランスでは、将来のエネルギー源として期待されるフュージョンエネルギーの実現に向け、日本、欧州連合(EU)、米国、中国、韓国、インド、ロシアの7極が協力し、世界最大の核融合実験炉ITER(イーター)の建設を進めています。

※ITER計画 については、ITER日本国内機関Webサイト をご覧ください。

ITERはトカマクと呼ばれる世界最大の実験装置で、その中心にある真空容器は、40°の巨大なセクターモジュール9基を精密に組み合わせることで完成します。

※本記事は、ITER機構 Newsline をもとに翻訳・編集したものです。

記念の式典を開催 

10月5日には、ITER機構の職員や製造企業、各加盟極の国内機関、産業界の関係者が集まり、到着を祝う記念式典が開催されました。

  

巨大な機器の前に立ったITER機構長のピエトロ・バラバスキ氏は、10月2日(金)に到着し、まだ保護用の梱包材に覆われたままのこの機器を「記念碑的なもの」と表現し、以下のように述べました。

「欧州国内機関であるFusion for Energy(F4E)の同僚たちが、この調達プログラムを完遂するために尽力してくれたおかげで、最後の真空容器セクターが到着しました。これにより、計画どおりに装置の組立作業を進めることができます。」

オンラインで式典に参加したF4Eのマルク・ラシェーズ局長も、ITER機構や各国内機関との緊密な連携が、欧州の真空容器製造プログラムの完遂につながったと述べました。

「私自身にとっても、これまで関わってきた多くの人々にとっても、非常に感慨深い瞬間です。私たちが成し遂げたことを誇りに思います」

長年にわたり製造に携わってきた関係者にとって、最後のセクターの到着は、国や組織の枠を越えた協力の成果を実感する瞬間となりました。

ステージ上で並び立つ、組立据付プログラムマネージャーのイェンス・ライヒ氏(左)とITER機構長のピエトロ・バラバスキ氏(右)。背景のスクリーンにはオンラインで参加したFusion for Energy(F4E)のマルク・ラシェーズ局長が映し出されている。(写真:ITER機構提供)

16年以上に及ぶ製造の歩み。欧州の産業技術と国際協力の結晶

今回到着した真空容器セクターは、16年以上に及ぶ製造の歩みを経て、ITER建設サイトに届けられました。

欧州が製造を担当した5基のセクターには、Ansaldo Nucleare、Westinghouse、Walter TostoからなるAMWコンソーシアムをはじめ、15社以上の企業が関わりました。複数の企業や専門家が連携し、長期にわたる製造プログラムを支えました。

F4Eによると、欧州が製造した5基のセクターには、合計200万時間以上の作業時間が費やされ、溶接の総延長は約750キロメートルに達しました。

真空容器セクターの製造には、巨大な金属構造物を組み上げる技術だけでなく、厳しい品質基準を満たし、輸送や据付に耐えられる精度を確保するための高度な技術と綿密な工程管理が求められます。

また、真空容器の製造は欧州だけで完結したものではありません。

9基のうち4基を製造した韓国のチームも、製造を通じて得られた経験や技術的な知見を欧州のチームと共有しました。各国が培ってきた技術と経験を持ち寄る国際協力が、真空容器の完成を支えました。

欧州が製造を担当した5基のセクターは、過去2年間ですべてITER建設サイトへ届けられました。

イタリア・モンファルコーネのWestinghouse社工場で、出荷前の最終作業が進められる真空容器セクター#2(2026年9月上旬、写真:F4E提供)

ITER本体の組立は次の段階へ

最後の真空容器セクターの到着は、ITER建設における重要なマイルストーンです。

ただし、今回揃ったのは、ITERの炉の心臓部を形づくる主要機器です。ITER全体の組立が完了したわけではありません。真空容器内部に設置するダイバータやブランケットなどの機器に加え、各種プラントシステムや周辺設備の整備など、今後も多くの作業が続きます。

それでも、世界各地で長年にわたり製造されてきた主要機器が建設サイトに集結したことは、ITER本体の組立が大きな節目を迎えたことを示しています。

世界の技術と知恵を結集し、フュージョンエネルギーの実現を目指すITER計画。最後の真空容器セクターの到着を経て、その建設は次の段階へと進みます。

9月中旬にイタリア・モンファルコーネ港を出港し、10月2日(金)にようやくITERサイトへと到着した真空容器セクター#2。(写真提供:ITER機構)

欧州における5つの真空容器セクターの製造に関する詳細は、Fusion for Energy(F4E)のWebサイトにある こちらの記事(Europe's final ITER vacuum vessel sector delivered)をご覧ください 。

【参考・引用元】

  ・ITER機構 ITER NEWSLINE|A remarkable chapter draws to a close (2026年10月5日)
  ・ITER NEWSLINE 日本語訳|最後の真空容器セクターがITERに到着 記念すべき一章が幕を閉じる

SMART ENERGY WEEK 関西(FUSION POWER WORLD-核融合発電ワールドー)に出展します!

このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります

メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。

すべての画像


関連リンク
https://www.iter.org/
ダウンロード
プレスリリース素材

このプレスリリース内で使われている画像ファイルがダウンロードできます

会社概要

URL
https://www.fusion.qst.go.jp/ITER/
業種
官公庁・地方自治体
本社所在地
茨城県那珂市向山801-1
電話番号
029-270-7213
代表者名
花田 磨砂也
上場
未上場
資本金
-
設立
1985年04月