米国の主要3学会、共同で作成する心房細動治療ガイドラインにPRADAXA®(プラダキサ)を追加
- 非弁膜性心房細動患者の脳卒中発症抑制治療に用いる、ワルファリンに代替する治療選択肢として、同剤を推奨
(日本での製品名:プラザキサ®(PRAZAXA) 薬価未収載 未発売)
2011年2月14日 米国/コネチカット州リッジフィールド
直接トロンビン阻害剤PRADAXA®(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩:以下ダビガトランと記載)が、ワルファリンに代わる治療選択肢として推奨される旨、米国の主要3学会共同で作成する心房細動患者の管理に関するガイドライン(1)に記載されました。
ガイドラインは、米国心臓学会議(ACCF)/米国心臓協会(AHA)/米国不整脈学会(HRS)が合同で作成しているものです。ダビガトランの追加記載は、ガイドライン改訂のハイライトとして、米国心臓病協会のCirculation誌、Journal of the American College of Cardiology誌、HeartRhythm Journal誌(1)に掲載されました。
ダビガトランは2010年10月に米国で、非弁膜症性心房細動患者の脳卒中及び全身性塞栓症発症リスク抑制を適応として承認されました(2)。ダビガトランは、現在までに承認された薬剤で、ワルファリンとの比較において、脳卒中発症リスクの有意な低下を示した唯一の薬剤(2)です。同剤については通常投与量(1回150mg1日2回投与)で、PT-INR(プロトロンビン時間国際標準比)2.0~3.0を目標としたワルファリンに対し、脳卒中/全身性塞栓症の発症を35%有意に低下させたことが示されています(2)。
「ダビガトランの承認を受けて、この薬剤の重要性についての専門家間のコンセンサスを反映し、心房細動患者の管理に関するガイドラインを改訂しました」と、セントヴィンセント・インディアナポリス病院(St. Vincent Indianapolis Hospital)の臨床電気生理学研究室部長エリック・プリストウスキ医学博士(Eric Pryrstowsky M.D.)は語ります。「ダビガトランを迅速に、非弁膜性心房細動患者の脳卒中リスク抑制の重要な治療選択肢としてガイドラインに含めた、ガイドライン作成委員会の対応は称賛に値します。私たち医師は数十年来で初めて、この患者グループに対し、ワルファリンに代わって使える薬剤を手にすることができたのです」と、コメントをまとめました。
改訂されたガイドラインは、発作性または持続性の心房細動を有する患者の脳卒中発症リスク抑制に有効なワルファリンに代替する治療選択肢として、ダビガトランを推奨しています。人工心臓弁を置換されている患者、血行動態面から顕著な心臓弁疾患有する患者、高度の腎障害や進行した肝疾患を有する患者は投与対象ではありません(1)。
「承認を受けてガイドラインが迅速に改訂されたことは、PRADAXA®の非弁膜性心房細動の治療におけるワルファリンに代わる治療選択肢としての重要性を裏付けています」と、ベーリンガーインゲルハイム・ファーマシューティカルズ社(ベーリンガーインゲルハイムの米国現地法人)医薬部門長クリストファー・コルシコム医学博士(Christopher Corsicom M.D.)は語ります。「非弁膜性心房細動患者の脳卒中発症リスクをワルファリンよりも有意に抑制する、このPRADAXA®という革新的な新規経口抗凝固薬を発売していることに、誇りを感じています」とまとめました。
心房細動と脳卒中
不整心拍を特徴とする心房細動(3)を発症すると、心臓内(左心耳)で血栓が形成され、それが血流により脳に達して脳卒中を引き起こすことがあります(3)。米国における心房細動患者数は現在230万人と推測され、2050年には560万人に達すると推計されています(4)。2006年版のACCF/AHA/ESCガイドラインによると、心房細動と診断される症例うち95%を、非弁膜性心房細動が占めています(4)。なお非弁膜症性とは、リウマチ性僧帽弁障害ではない、または人工心臓弁術および弁修復術を受けていない場合を示します(5)。心房細動を生じると脳卒中リスクは5倍近くに上昇します(5)。心房細動に起因する脳卒中は、米国における脳卒中全体の15%に相当します(5)。心房細動はそれ自体が医療経済上の負荷となりますが(6)、脳卒中を発症した場合に特にその負荷は大きくなります(7)。
ダビガトラン(米国での製品名:PRADAXA®、日本での製品名:プラザキサ®)について
ダビガトラン(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩)は、急性または慢性の血栓塞栓症の予防と治療において、未だ満たされていない大きな医療ニーズに対応することが期待され、注目されている新世代の経口抗凝固薬/直接トロンビン阻害剤です。2010年10月に、心房細動患者での脳卒中発症抑制を適応として、北米で承認を受けました。
なお日本では2011年1月に、「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」を効能・効果として承認を受けており、薬価収載を待って発売を開始する予定です。日本での用法・用量は次の通りです。
【日本での用法・用量】
通常、成人にはダビガトランエテキシラートとして1回150mg(75mgカプセルを2カプセル)を1日2回経口投与する。なお、必要に応じて、ダビガトランエテキシラートとして1回110mg(110mgカプセルを1カプセル)を1日2回投与へ減量すること
ベーリンガーインゲルハイムについて
ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界50ヵ国に142の関連会社を持つベーリンガーインゲルハイムグループは、世界で41,500人の社員を有するトップ20の製薬企業のひとつです。1885年の設立以来、125年間、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、人々の健康および保健医療の向上に寄与すべく、ヒト用医薬品およびアニマルヘルス(動物薬)を中心にビジネスを展開しています。2009年度は127億ユーロの売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の約5分の1相当額を研究開発に投資しました。
ベーリンガーインゲルハイムは日本で、半世紀にわたり企業活動を展開してきました。グローバルな研究・開発の一翼を担う医薬研究所や、国内向けとして山形に生産拠点を擁し、呼吸器、循環器、中枢神経などの疾患領域で有用な医薬品を提供しています。詳細は下記をご参照ください。
www.boehringer-ingelheim.co.jp
当プレスリリースについて
当資料はベーリンガーインゲルハイム・ファーマシューティカルズ社(ベーリンガーインゲルハイムグループの米国現地法人)が2月14日付で配信したプレスリリースの日本語版であり日本国内の状況と異なる情報が含まれる場合があります。内容および解釈は、オリジナルである英文(http://us.boehringer-ingelheim.com に掲載)が優先します。
References:
(1) Wann, L.S., et al. "2011 ACCF/AHA/HRS Focused Update on the Management of Patients with Atrial Fibrillation(Update on Dabigatran): A Report of the American College of Cardiology Foundation/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines." Circulation. 2011; 123:00-00.
(2) Pradaxa Prescribing Information, US
(3) NHLBI website. "What is AFib?" Available at: http://www.nhlbi.nih.gov/health/dci/Diseases/af/af_what.html. Accessed on: August 2, 2010.
(4) Go, AS., et al. "Prevalence of Diagnosed Atrial Fibrillation in Adults: National Implications for Rhythm Management and Stroke Prevention: the ATRIA Study." JAMA. 2002; 285:2370-2375.
(5) Fuster, V. et al. "ACC/AHA/ESC 2006 Guidelines for the Management of Patients With Atrial Fibrillation Executive Summary: A report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines and the European Society of Cardiology Committee for Practice Guidelines (Writing Committee to Revise the 2011 Guidelines for the Management of Patients With Atrial Fibrillation): Developed in Collaboration With the European Heart Rhythm Association and the Heart Rhythm Society." Circulation. 2006; 114;700-752.
(6) Coyne, K.S., et al. "Assessing the Direct Costs of Treating Nonvalvular Atrial Fibrillation in the United States." Value in Health. 2006; 9:348-356.
(7) Harley C., et al. "Direct Costs And Health Care Utilization Associated With Stroke in the Presence of Atrial Fibrillation in the United States." ASAIS Conference, Feb. 2009.
(日本での製品名:プラザキサ®(PRAZAXA) 薬価未収載 未発売)
2011年2月14日 米国/コネチカット州リッジフィールド
直接トロンビン阻害剤PRADAXA®(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩:以下ダビガトランと記載)が、ワルファリンに代わる治療選択肢として推奨される旨、米国の主要3学会共同で作成する心房細動患者の管理に関するガイドライン(1)に記載されました。
ガイドラインは、米国心臓学会議(ACCF)/米国心臓協会(AHA)/米国不整脈学会(HRS)が合同で作成しているものです。ダビガトランの追加記載は、ガイドライン改訂のハイライトとして、米国心臓病協会のCirculation誌、Journal of the American College of Cardiology誌、HeartRhythm Journal誌(1)に掲載されました。
ダビガトランは2010年10月に米国で、非弁膜症性心房細動患者の脳卒中及び全身性塞栓症発症リスク抑制を適応として承認されました(2)。ダビガトランは、現在までに承認された薬剤で、ワルファリンとの比較において、脳卒中発症リスクの有意な低下を示した唯一の薬剤(2)です。同剤については通常投与量(1回150mg1日2回投与)で、PT-INR(プロトロンビン時間国際標準比)2.0~3.0を目標としたワルファリンに対し、脳卒中/全身性塞栓症の発症を35%有意に低下させたことが示されています(2)。
「ダビガトランの承認を受けて、この薬剤の重要性についての専門家間のコンセンサスを反映し、心房細動患者の管理に関するガイドラインを改訂しました」と、セントヴィンセント・インディアナポリス病院(St. Vincent Indianapolis Hospital)の臨床電気生理学研究室部長エリック・プリストウスキ医学博士(Eric Pryrstowsky M.D.)は語ります。「ダビガトランを迅速に、非弁膜性心房細動患者の脳卒中リスク抑制の重要な治療選択肢としてガイドラインに含めた、ガイドライン作成委員会の対応は称賛に値します。私たち医師は数十年来で初めて、この患者グループに対し、ワルファリンに代わって使える薬剤を手にすることができたのです」と、コメントをまとめました。
改訂されたガイドラインは、発作性または持続性の心房細動を有する患者の脳卒中発症リスク抑制に有効なワルファリンに代替する治療選択肢として、ダビガトランを推奨しています。人工心臓弁を置換されている患者、血行動態面から顕著な心臓弁疾患有する患者、高度の腎障害や進行した肝疾患を有する患者は投与対象ではありません(1)。
「承認を受けてガイドラインが迅速に改訂されたことは、PRADAXA®の非弁膜性心房細動の治療におけるワルファリンに代わる治療選択肢としての重要性を裏付けています」と、ベーリンガーインゲルハイム・ファーマシューティカルズ社(ベーリンガーインゲルハイムの米国現地法人)医薬部門長クリストファー・コルシコム医学博士(Christopher Corsicom M.D.)は語ります。「非弁膜性心房細動患者の脳卒中発症リスクをワルファリンよりも有意に抑制する、このPRADAXA®という革新的な新規経口抗凝固薬を発売していることに、誇りを感じています」とまとめました。
心房細動と脳卒中
不整心拍を特徴とする心房細動(3)を発症すると、心臓内(左心耳)で血栓が形成され、それが血流により脳に達して脳卒中を引き起こすことがあります(3)。米国における心房細動患者数は現在230万人と推測され、2050年には560万人に達すると推計されています(4)。2006年版のACCF/AHA/ESCガイドラインによると、心房細動と診断される症例うち95%を、非弁膜性心房細動が占めています(4)。なお非弁膜症性とは、リウマチ性僧帽弁障害ではない、または人工心臓弁術および弁修復術を受けていない場合を示します(5)。心房細動を生じると脳卒中リスクは5倍近くに上昇します(5)。心房細動に起因する脳卒中は、米国における脳卒中全体の15%に相当します(5)。心房細動はそれ自体が医療経済上の負荷となりますが(6)、脳卒中を発症した場合に特にその負荷は大きくなります(7)。
ダビガトラン(米国での製品名:PRADAXA®、日本での製品名:プラザキサ®)について
ダビガトラン(ダビガトランエテキシラートメタンスルホン酸塩)は、急性または慢性の血栓塞栓症の予防と治療において、未だ満たされていない大きな医療ニーズに対応することが期待され、注目されている新世代の経口抗凝固薬/直接トロンビン阻害剤です。2010年10月に、心房細動患者での脳卒中発症抑制を適応として、北米で承認を受けました。
なお日本では2011年1月に、「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」を効能・効果として承認を受けており、薬価収載を待って発売を開始する予定です。日本での用法・用量は次の通りです。
【日本での用法・用量】
通常、成人にはダビガトランエテキシラートとして1回150mg(75mgカプセルを2カプセル)を1日2回経口投与する。なお、必要に応じて、ダビガトランエテキシラートとして1回110mg(110mgカプセルを1カプセル)を1日2回投与へ減量すること
ベーリンガーインゲルハイムについて
ドイツのインゲルハイムを本拠とし、世界50ヵ国に142の関連会社を持つベーリンガーインゲルハイムグループは、世界で41,500人の社員を有するトップ20の製薬企業のひとつです。1885年の設立以来、125年間、株式公開をしない企業形態の特色を生かしながら、人々の健康および保健医療の向上に寄与すべく、ヒト用医薬品およびアニマルヘルス(動物薬)を中心にビジネスを展開しています。2009年度は127億ユーロの売上を示しました。革新的な医薬品を世に送り出すべく、医療用医薬品事業の売上の約5分の1相当額を研究開発に投資しました。
ベーリンガーインゲルハイムは日本で、半世紀にわたり企業活動を展開してきました。グローバルな研究・開発の一翼を担う医薬研究所や、国内向けとして山形に生産拠点を擁し、呼吸器、循環器、中枢神経などの疾患領域で有用な医薬品を提供しています。詳細は下記をご参照ください。
www.boehringer-ingelheim.co.jp
当プレスリリースについて
当資料はベーリンガーインゲルハイム・ファーマシューティカルズ社(ベーリンガーインゲルハイムグループの米国現地法人)が2月14日付で配信したプレスリリースの日本語版であり日本国内の状況と異なる情報が含まれる場合があります。内容および解釈は、オリジナルである英文(http://us.boehringer-ingelheim.com に掲載)が優先します。
References:
(1) Wann, L.S., et al. "2011 ACCF/AHA/HRS Focused Update on the Management of Patients with Atrial Fibrillation(Update on Dabigatran): A Report of the American College of Cardiology Foundation/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines." Circulation. 2011; 123:00-00.
(2) Pradaxa Prescribing Information, US
(3) NHLBI website. "What is AFib?" Available at: http://www.nhlbi.nih.gov/health/dci/Diseases/af/af_what.html. Accessed on: August 2, 2010.
(4) Go, AS., et al. "Prevalence of Diagnosed Atrial Fibrillation in Adults: National Implications for Rhythm Management and Stroke Prevention: the ATRIA Study." JAMA. 2002; 285:2370-2375.
(5) Fuster, V. et al. "ACC/AHA/ESC 2006 Guidelines for the Management of Patients With Atrial Fibrillation Executive Summary: A report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Practice Guidelines and the European Society of Cardiology Committee for Practice Guidelines (Writing Committee to Revise the 2011 Guidelines for the Management of Patients With Atrial Fibrillation): Developed in Collaboration With the European Heart Rhythm Association and the Heart Rhythm Society." Circulation. 2006; 114;700-752.
(6) Coyne, K.S., et al. "Assessing the Direct Costs of Treating Nonvalvular Atrial Fibrillation in the United States." Value in Health. 2006; 9:348-356.
(7) Harley C., et al. "Direct Costs And Health Care Utilization Associated With Stroke in the Presence of Atrial Fibrillation in the United States." ASAIS Conference, Feb. 2009.
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