植物性オメガ3脂肪酸のアルファリノレン酸(ALA)が 心血管疾患リスク低下に関連すると新たな研究で判明 ~くるみは優れたALA源~
■研究レポート要約へのアクセス
http://ajcn.nutrition.org/content/early/2012/10/17/ajcn.112.044040.abstract
■くるみに豊富に含まれる植物性オメガ3脂肪酸のALAに注目
今回の系統的レビューで27件の研究、合計25万1,049人の被験者を検討した結果、総ALA摂取量が心血管疾患のリスク低下と関連することが判明しました。実際、食事に関する統合分析で、1日当たりのALA摂取量が1グラム増えるごとに冠状動脈性心疾患による死亡リスクが10%低下していました。これまでオメガ3脂肪酸に関する研究結果の大半は海洋性を対象としていましたが、最近では植物性オメガ3脂肪酸であるALAへの注目が高まっており、ALA摂取が心血管系によい効果をもたらすことも示唆されています。研究者たちは、ALAに直接的または間接的な抗不整脈作用があって、ALAが冠状動脈性心疾患に対して保護作用をもつと思われる理由の一部がそれで説明できるのではないかと考えています。これまでの研究で、ALA摂取がコレステロール値を低下させ、血栓症によい効果をもたらし、内皮機能を改善し、炎症を抑える働きのあることが判明しています。
くるみなどに含まれる植物由来のオメガ3脂肪酸は、魚に含まれるオメガ3脂肪酸と異なります。ペンシルベニア州立大学の栄養学特別教授のペニー・クリス=エサートン博士によれば、消費者は植物性オメガ3脂肪酸の栄養効果を理解する必要があるそうです。同博士は「研究によって、ALAの作用にはALA特有で他の要因とは無関係な効果があって、これが私たちの健康にとって重要なのかもしれないということがわかってきました」と指摘しています。
心臓専門医のジェイムズ・ベッカーマン博士は、今回の研究がきわめて注目に値すると考え、心臓の健康増進と致死的な心イベントの潜在的リスク低減のために、ALAの豊富な食品をもっとたくさん食事に取り入れるべきと提言しています。「植物性のALA源のほうが魚由来のオメガ3脂肪酸と比べて価格が安く、多くの人にとって入手も容易であることを考えると、今回の研究は心疾患と戦うための武器を増やし、生活に容易に取り入れられて安全で受け入れやすい食事介入という手段を与えてくれます」とベッカーマン博士は指摘します。
栄養所要量を定める医学研究所(IOM)は、ALAを1日1.1~1.6グラム摂取することを推奨していますが、これは容易に達成できます。「たとえばくるみをひとつかみ食べるのは、ALA摂取量を増やすためのすばらしい方法です。わずかひとつかみ、すなわち1オンス(約28グラム)で、医学研究所の推奨するALA摂取量を大きく上回ります。ほかにもいろいろな栄養素がたっぷりなのは言うまでもありません」とクリス=エサートン博士は言います。ALA以外にも、くるみは抗酸化物質が豊富で、さらにクリス=エサートン博士の考えでは相乗的に作用すると思われるさまざまな微量栄養素も含んでいます。
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*カリフォルニア くるみ協会 (California Walnut Commission/CWC) とは
1987年に設立されたカリフォルニア くるみ協会は、生産業者の課徴金から資金を得ています。カリフォルニア州の代理機関として、カリフォルニア州食品農業局(CDFA)の長官と協調して活動します。主に健康に関する研究と輸出市場開拓の活動をおこないます。カリフォルニアくるみに関する健康情報、レシピ、または産業界に関する情報は、
www.walnuts.org(英語)及びwww.californiakurumi.jp (日本語)まで。
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