2021年「ビジネスパーソン1000人調査」【雑談機会と効果】
職場において雑談は自身にとって「プラスである」が8割超 週1日以上テレワークをしている人で「雑談する機会が減った」が5割超 生産性、創造性、人間関係の構築のためにも雑談機会の確保が重要
一般社団法人日本能率協会(JMA、会長:中村正己)は、2013年より全国のビジネスパーソン1000人に対し、職場や仕事に対する考えについて意識調査を行っています。この調査は、働く人びとに焦点を当て、その時々の旬の話題をデータで紹介するシリーズです。
今回は、「テレワークの実施状況」と「職場メンバーとの雑談機会と効果」について調査しました。
たかが「雑談」ではありますが、職場においては「プラス」と捉える人が多く、コロナ禍で働き方が激変するなか、「雑談」の効果を再認識する結果となりました。なお、本調査の結果を受けてのコメントは、最終ページに記載しております。
今回は、「テレワークの実施状況」と「職場メンバーとの雑談機会と効果」について調査しました。
たかが「雑談」ではありますが、職場においては「プラス」と捉える人が多く、コロナ禍で働き方が激変するなか、「雑談」の効果を再認識する結果となりました。なお、本調査の結果を受けてのコメントは、最終ページに記載しております。
- トピックス
2.雑談の機会は、テレワークの有無に関わらず、「オフィス出勤時に対面で」が7割超
3.ほぼ毎日、雑談-「テレワークを行っている人」は、「行っていない人」の半分以下
4.雑談する機会-「減った」が35.6%。週1日以上テレワークをしている人では5割超が「減った」
5.テレワークを行っている人は、8割以上が「雑談がしにくくなった」
6.業務の「生産性を高める」「創造性を高める」ことにつながっていると回答が6割超
7.「人間関係を深める」ことにつながっているが7割超
8.雑談があることは、自身にとって「プラス」8割
- 調査概要
調査期間:2021年8月13日~2021年8月23日
調査対象:全国の20歳~69歳までの正規の就業者
(企業や団体で働く正社員、役員、経営者。ただし、契約・嘱託社員、派遣社員、パート・アルバイト、
医師・弁護士などの専門職業、自由業を除く)
調査方法:「モニターリサーチ・システム」を活用したインターネット調査
回答数:1,000人
属性:性別:男性685人、女性315人
年代:20代162人、30代235人、40代276人、50代223人、60代104人
勤務先従業員数:5,000人以上167人、1,000~5,000人未満178人、300~1,000人未満140人、
100~300人未満155人、100人未満360人
- 調査結果
合計が100%にならないものがあります。
「テレワークを行っていない」が7割。「週3日以上行っている」は15.7%
Q1. あなたは、テレワークを行っていますか? ※営業日ベースでお答えください。
・「テレワークを行っている」は、全体の3 割程度で、7 割が「テレワークを行っていない」と回答しています。本調査は全国の正規就業者を対象にしていますが、地域や業態によっては、テレワークを実施していない(できない)ケースもあり、これが現実的な数字と言えます。
・週に3 日以上と高い頻度でテレワークを行っている人は、全体の15.7%(「週3-4 日」、「週5 日以上」の合計)でした。
雑談の機会は、テレワークの有無に関わらず、「オフィス出勤時に対面で」が7割超
Q2. あなたは、仕事中に職場メンバーとどのように「雑談」していますか。(複数回答)
・雑談の機会は、テレワークの有無に関わらず、「オフィス出勤時に対面で行う」が全体の7 割超、回答しています。
・テレワークを行っている人は、ZOOM やTeams などの「オンラインでの会議システム」(49.8%)や、「メール等」(37.1%)、チャットやSlack といった「メール以外の会社のコミュニケーションツール」(31.4%)を活用し、雑談に繋げています。
・何気ないことを気楽に話す雑談ですが、オンライン会議やコミュニケーションツールを利用しての会話よりも、対面での会話の方が高い数値になったのは、相手の顔が見えたり、その場の空気を読んだりすることができる点に利便性を感じているからではないでしょうか。
ほぼ毎日、雑談-「テレワークを行っている人」は、「行っていない人」の半分以下
Q3. あなたは、この1 週間を振り返って、職場のメンバーとどれぐらいの頻度で「雑談」をしましたか。
※1週間が夏期休暇等の場合は、平均的な1週間についてお答えください。
・1 週間を振り返った雑談の頻度について、「テレワークを行っていない人」は、「ほぼ毎日、雑談する機会があった」が、全体の5 割だったのに対し、「テレワークを行っている人」は、2 割程度と半分以下にどどまっています。
・コロナ下でさまざまなメリットがあるテレワークですが、雑談に関して言えば、その機会を減らす原因のひとつになっているようです。
雑談する機会-「減った」が35.6%。週1日以上テレワークをしている人では5割超が「減った」
Q4. 新型コロナウイルス感染症の拡大前(2020 年3 月以前)と比較して、仕事中に職場メンバーと「雑談」する機会は変化がありましたか。※「雑談」は、対面やオンライン等の方法は問いません。(1つだけ選択)
・新型コロナウイルス感染症の拡大前と比較して、職場メンバーと「雑談」する機会はどのように変化したかを尋ねました。雑談する機会について全体の35.6%が、「減った」(「やや減った」、「減った」の合計)と回答しています。
・テレワークの有無で見ますと、「テレワークを行っていない」人は、7 割が「変わらない」と回答したのに対して、週1日以上(「週に1-2 日」、「週に3-4 日」、「週に5 日以上」の合計)のテレワークをしている人では5割超が、「減った」(「やや減った」、「減った」の合計)と回答しています。
・また、雑談する機会が「減った」(「減った」「やや減った」の合計)と回答した人は、「週1-2 日テレワークを行っている人」は54.8%、「週3-4 日テレワークを行っている人」は56.5%、「週5 日以上テレワークを行っている」人は56.9%とテレワークの頻度が多い人ほど、雑談機会が減る傾向が見られます。
テレワークを行っている人は、8割以上が「雑談がしにくくなった」
Q5. 新型コロナウイルス感染症の拡大前と比較して、職場メンバーとの「雑談」をしにくくなったと感じたことがあれば教えてください。(あてはまるものすべてを選択)
・「テレワークを行っている人」は、8 割以上が「雑談がしにくくなったと感じる」と回答しています。これは、「テレワークを行っていない人」(43.1%)のほぼ2 倍です。
・テレワークを行っていない人は、半数超が「雑談がしにくいと感じることはない」と、回答がありました。
・雑談をしにくくなったと感じる理由を見ますと、「テレワークを行っている人」は、「テレワークで対面機会が減ったから」(60.0%)がトップ。次いで、「対面でもソーシャルディスタンスが必要だから」(28.6%)、「オンライン会議が増えて、時間が限れているため」(22.5%)、「気軽に雑談できる環境(ツールや場所)がないから」(18.1%)と続きます。
・一方、「テレワークを行っていない人」は、「対面でもソーシャルディスタンスが必要だから」(19.3%)がトップ。後は「無駄なく効率の良い業務推進を求められるから」(9.1%)、「気軽に雑談できる環境(ツールや場所)がないから」(8.8%)、「働き方改革で、残業がしにくく、時間が限られているから」(6.3%)が続きますが、いずれも10%未満です。
・既述のとおり、雑談をしにくくなった理由は、テレワーク実施の有無で大きく異なる結果となりましたが、それでも、「対面でもソーシャルディスタンスが必要だから」は全体の2 割以上を占め、共通した理由となっています。新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、職場での対面の雑談まで我慢していると言えそうです。
全体の6 割が、「雑談」は業務の生産性を高める
Q6. 職場メンバーと「雑談」することは、あなた自身の業務の生産性を高めることにつながっていると思いますか。
・全体の6 割(「そう思う」、「ややそう思う」の合計)が、「雑談」することは、自分の業務の生産性を高めることにつながっていると回答しています。
・また、「テレワークを行っている人」は、「そう思う」(14.0%)、「ややそう思う」(59.0%)を合わせて7 割以上が、自分の業務の生産性を高めることにつながっていると回答しており、「テレワークを行っていない人」(55.6%)に比べて17.4 ポイント高い結果となっています。
全体の6 割が、「雑談」は業務の創造性を高める
Q7. 職場メンバーと「雑談」することは、あなた自身の業務の創造性を高めることにつながっていると思いますか。
・全体の6割以上(「そう思う」、「ややそう思う」の合計)が、「雑談」することは、業務の創造性を高めることにつながっていると回答しています。
・また、「テレワークを行っている人」は、「そう思う」(19.4%)、「ややそう思う」(52.4%)を合わせて7 割以上が、自分の業務の創造性を高めることにつながっていると回答しており、「テレワークを行っていない人」(55.0%)に比べて16.7 ポイント高い結果となっています。
全体の7 割以上が、「雑談」は職場の人間関係を深める
Q8. 職場メンバーと「雑談」することは、あなた自身の職場における人間関係を深めることにつながっていると思いますか。
・全体の7 割以上(「そう思う」、「ややそう思う」の合計)が、「雑談」することは、人間関係を深めることにつながっていると回答しています。
・また、「テレワークを行っている人」は、「そう思う」(31.7%)、「ややそう思う」(51.7%)を合わせて8 割以上が、自身の職場における人間関係を深めることにつながっていると回答しており、「テレワークを行っていない人」(73.4%)に比べて10.1 ポイント高い結果となっています。
雑談があることは、自身にとって「プラス」が8割超
Q9. 「雑談」があることは、あなた自身にとってプラスだと感じますか。それともマイナスだと感じますか。
・全体の8 割(「プラスである」、「ややプラスである」の合計)が、「雑談」があることは、自身にとってプラスであると回答しています。
・また、「テレワークを行っている人」は、「プラスである」(25.7%)、「ややプラスである」(60.3%)を合わせて8 割超が、雑談があることは、自身にとってプラスであると回答しており、「テレワークを行っていない人」(76.5%)に比べて9.5 ポイント高い結果となっています。
・以上のQ6~Q9 について、テレワークの有無別でみますと、「テレワークを行っている人」は、雑談が業務の生産性・創造性を高める、職場の人間関係を深める、プラスであると思う割合が、「テレワークを行っていない人」よりも総じて高い結果となりました。日常で何気なく行っていた「雑談」ですが、テレワークによる機会喪失を経験したことで、雑談の”ありがたみ”を再認識した結果と言えそうです。
- 結果を受けてのコメント
まず、8割の人が、職場における雑談が「自分にとってプラスである」と答えています。
さらに、職場における人間関係を深めることや、自身の業務の生産性・創造性を高めることにつながっているという回答が多数を占めています。
一見、無駄なこと捉えがちな「雑談」が、単に人間関係を良好にするというだけではなく、生産性や創造性という観点からも、必要とされているという結果は、これからの職場におけるコミュニケーションを考えていくうえで、示唆があると考えます。
一方で、今回の調査から明らかになったように、やはり、テレワークの広がりによって、雑談する機会が減っているという実態も明らかになっています。
とりわけ、テレワークを行っている人の方が、雑談機会が減少していることは、当然のことと言えるでしょう。
テレワークを行っている人の方が、雑談の効能に対する評価を、よりポジティブに捉えているという傾向も見ることができています。
新型コロナウイルス感染拡大の収束後においても、一定程度、テレワークが継続されるものと思われますが、オンラインでのコミュニケーションツールを、時にはインフォーマルな雑談に活用するといった工夫をすることも効果的でしょう。また、オフィスにおける働き方についても、社員が相互に交流できるような場や時間を設けるということが重要になってくると思われます。
さらに、管理職や職場リーダーにとっても、雑談を通じたコミュニケーションの活性化を促せるような、新しいマネジメント能力も必要になってくるのではないでしょうか。
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