Books&CompanyのAI小説執筆事業が第2フェーズに入りました
文芸作品の新たなステージを目指した協働事業
電子出版ベンチャーの株式会社Books&Company (本社:東京都千代田区、代表取締役:野村 衛 2017年9月創業 http://www.books-company.com)は去る5月、カンボジアのキリロム工科大学と提携し、AI(人工知能)による小説執筆のプロジェクトを開始しました。第1フェーズである、小説の自然言語理解のトライアルを終了し、いよいよ第2フェーズである自然言語生成の段階に入っていきます。
<プロジェクト概要>
このプロジェクトは単なる研究にとどまらず、AIが執筆した作品を商業出版させることを目的としています。AIによる小説執筆は研究としては以前から国内他大学などで取り組みが始まっていますが、まだ、社会実装=商業出版という段階には至っていません。
Books&Companyとキリロム工科大学はこれを一歩進めて、人工知能が執筆した小説を実際の書店で販売できるレベルまで引き上げることを目指しています。
<第一フェーズの検証結果>
第一フェーズでは、村上春樹氏の短編小説『象の消滅』をAIに学習させ、どの程度理解しているのかを検証しました。
合計59の質問のうち、物語の解釈に関する「正解釈率」が88%、ファクトに関する「正答率」が84%と、非常に高い回答率を示しました。
中でも「象は何のメタファ(暗喩)か?」という抽象的な質問に対して、AIは「象は力によって収容されたかつての生活様式や敏感な関係性の象徴となります」と回答しました。
まさに人工“知能”の性能を示したと言えます。
<AIエンジンの開発とプロセス>
小説創作に用いるのは、AIテクノロジーの中でも自然言語処理に分類されるジャンルです。身近なサービスでは、自動翻訳、AIスピーカー、チャットボットなどで社会実装されています。
これと同じテクノロジーを駆使して、あたかも人間が書いたかのような物語を創作するAIエンジンを開発するのが今回の目的です。
そのためには構造化されたデータを学習させ、幾度となくチューニングを重ねて文章を生成させます。
そのプロセスは、①データ付与②データ分析③解釈④物語の構築⑤物語の詳細の生成⑥文章生成⑦物語の創作と進みます(右図)
<チャレンジするAI小説のジャンル>
小説は時代を超えた普遍的なテーマがいくつかあり、そのバリエーションを時代のニーズに合わせて展開していくことによってヒット作が生まれていきます。
パターン化や最適化は人工知能が最も得意とする分野であり、過去のベストセラーや名作を学習させることで、ヒット作品を効率よく生み出すことが期待できます。
今回チャレンジするのは以下のジャンルです。
① 夏目漱石や太宰治などの文豪、物故作家が残した作品の「その後」や「続編」
② 3億円事件やグリコ森永事件など、関心の高い事件をテーマにしたフィクション
③ 戦国時代や明治維新など、日本人に好んで読まれる歴史小説の新分野
これらの中から最も質が高く、商業出版の意味のある作品から発表する予定です。
※創作されたすべての作品の著作権はBooks&Companyに帰属します。
◆キリロム工科大学◆
カンボジアの首都プノンペンから120キロ離れたキリロム高原にあるカンボジア政府から認可を受けた全寮制の4年制大学。ポテンシャルのあるカンボジア・アジアの優秀な学生に、AIのほか、VR/AR、ブロックチェーン、IoTなど実践的な先端ITテクノロジーの教育、研究を推進しています。
2014年に日本人起業家・猪塚武氏が創設。カンボジア開発評議会(CDC)に認可された大型プロジェクトの一環でもあり、同国および日本を含めたアジアの将来を担うグローバル人材の育成を目指しています。2018年度からは日本人学生の受け入れを開始しました。
開発業務は同大学の教授陣の指導のもと、学生がプロジェクトとして行います。
キリロム工科大学公式サイト/ https://www.kirirom.info/
<株式会社Books&Company について>
「最新の技術を使い、人類の普遍的な価値を残す」
「時代に即した新しい作品を広く読者に提供する」ことをミッションとして、
2017年9月に設立した電子出版ベンチャーです。
紙書籍のまま埋もれている良質な作品を読者に提供すると同時に
テクノロジーの力で顧客の課題解決に貢献します。
<会社概要>
代表者/野村 衛
住所/東京都千代田区神田神保町2-2
電話/03-6272-3535
サービス内容/電子書籍制作・配信 販売促進支援 編集支援システム開発
所属団体/日本電子出版協会 日本出版学会
ホームページ/http://www.books-company.com
問い合わせ/http://www.books-company.com/contact/
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