全ての産業が土をよくする社会を目指して、イタリア発の国際企業コンソーシアムJINOWAを発足

土壌改良による脱炭素や生態系回復を世界最大の芸術祭ヴェネチア・ビエンナーレを機にイタリアで5月から社会実験開始

GEN
土の健康は植物、人間、あらゆる生命すべてに結びつき、人々のウェルビーングにも大きく寄与します。JINOWAは廃棄ゴールとせず、「土をよくすること」を目指したあらたな産業や社会全体の転換を推進し、土の肥沃化を地球環境だけでなく、人間を含むあらゆる生態系を回復する大きなソリューションとして提供していきます。
5月1日にイタリアで、日本とイタリア両国に拠点を持つ株式会社 GEN Japan (東京都渋谷区、以下GEN)の呼びかけによって日本・ドイツ・イタリアの地球規模の環境・生態系の回復に真剣に取り組む企業が参画するコンソーシアム「JINOWA」を設立いたします

 

JINOWA ロゴ  directed by Sync Kudo
  • 土の循環創出コンソーシアム 「JINOWA ~Root &Circle to Earth~」http://jinowa.org
本コンソーシアムは、今年2021年から2030年までの長期計画で現在国連が進める「生態系回復の10年 UN Decade on Ecosystem Restoration」へ参加し、地域コミュニティレベルでの生態系回復へ向けた実践をローカルな暮らしの全て、衣食住はもちろん、製造業、観光業、交通などあらゆる産業のあり方を循環型へ転換することへ向けた具体的な活動を行っていきます。

【土のちからに着目し、生態系回復に取り組む先進企業や団体の参画】
現在、地球全体で自然が破壊され、土に還ることのない廃棄物による環境負荷が大きな問題となっています。昨今ようやくプラスチックを廃止し、生分解され土に還る素材や堆肥化する製品へシフトすることが良いと考えられていますが、その中には土に還るまでに長い月日を要するものや、自然素材で作られていないものも含まれており、その環境・土壌への長期的な影響は今後しっかりと検証していく必要があります。

「JINOWA」が最も力を入れ、研究をするのは土の力です。多くの有機物、微生物を含む豊かな土は農業のみならず、建築や医療など幅広い活用の可能性があり世界的にその保護や土壌の改良が望まれています。健全な農作物を育てる土壌の大切さ、また土には未知数の人間の健康や微生物を含む生態系全体を助ける大きな役割があることを実証していきたいと考えています。​
あらゆる業種が植物由来の自然素材への転換を世界的に進めている中、土壌は人の手によって育まれるべき資源だという共通認識を広げ、あらゆる産業の基盤として質の高い土を、世界的な日本の土壌界の有識者の指導による優れた堆肥技術や多様性のある微生物と共に守っていく必要があります。

欧州からのJINOWA参画企業・団体
◼️DYCLE (ドイツ 堆肥になるオムツ)https://dycle.org/en
◼️MatteoBrioni SRL(イタリア 土のインテリア・建材)https://matteobrioni.com
◼️CibOfficina di Carlo Nesler(イタリア 食品生産)https://nesler.it
◼️Mondo Internazionale(イタリア 35歳以下の社会起業家Hub)https://mondointernazionale.com
ほか欧州・日本からの参画企業は今後発表予定

JINOWAへ土壌づくりのアドバイザーとして参画する土壌専門家(順不同・敬称略)
世界でも有数の豊かな土壌を誇る日本の土は、他国に類を見ない自然の資源であることを若手研究者に伝えている日本の土壌専門家をアドバイザーとしてお迎えし、世界へ優れた日本の土作りの技の発信を続けていきます。

橋本力男(堆肥・育土研究者)写真左
1952年、三重県生まれ。1977年東京農業大学国際農業開発学科卒業後、有機農業をはじめる。2000年環境保全型農業推進会長賞2007年ボリビア堆肥指導2008年農林水産省「農業技術の匠」授与2007年からオーガニックフラワーに取り組む。その後、生ごみリサイクルでフィリピン、パレスチナ、ネパール、パラオ共和国などを支援。日本農業経営大学校講師。

横山和成(農学博士・土壌微生物・土壌生態系研究者)写真右
1959年、和歌山県生まれ。北海道大学大学院農学研究科修了(農学博士)後、米国コーネル大学農学・生命科学部およびボイストンプソン植物科学研究所客員研究員、北海道農業研究センター畑作研究部生産技術研究チーム長や(独)農研機構中央農業総合研究センター生産支援システム研究チーム長、情報利用研究領域上席研究員、尚美学園大学尚美総合芸術センター 副センター長等を経て現在、立正大学特任教授。

【JINOWA ミッションステートメント】


私たちは太陽光パネルを購入したり、プラスチックをやめたり、電気自動車を購入したりする以上の方法で、地球の共通課題である環境と生態系の回復へ向けた抜本的な転換が必要です。

空気中のCO₂ を吸収する土の力は地球環境の改善にも注目され、脱炭素化社会へ向け土壌に存在する炭素量を毎年0.4%ずつ増やすと、大気中のCO₂ 増加量を大幅に削減し温室効果ガスの増加を食い止める力があるという考えに基づいた「4パーミルイニシアチブ」では、日本含む283の国や国際機関が登録し、脱炭素化へ向けた取り組みが世界的に行われています。 

また土が肥沃で健康であれば、人間や自然環境も健康になります。肥沃で健康な土は、健康な農作物を育て、そこに育つ草木を食べる畜産物にも良い影響を与えます。しかし汚染された土壌は水を腐らせ、それが海洋に流れ込むと、海水汚染を引き起こす原因にもなり人間や自然環境に悪影響の連鎖を起こします。農作物はじめ人間の生活を支える物質の多くを作り、生命の営みを守り、多様性を育んで地球上全ての存在に大きな影響を与える土は、まさに環境問題解決の鍵となるものだと考えます。

炭は縄文時代から日本でも土壌の肥沃化のため取り入れられており、南米のアマゾンの黒土「Terra Preta」など世界各地に残る土壌改良の伝統知は、土にバイオ炭を混ぜることで土壌の透水性や保水性を向上させ、土壌に流れ入る汚染水を浄化し、土壌中の有用微生物の繁殖を促しながら改良を行うことを示しています。

このような伝統知に学び、現代の暮らしに無理なく取り入れることができるよう創意工夫することで、地球環境に負荷をかけないだけではなく、循環によってプラスを生み出す社会の変革、それを担う人材を育てる事も可能になります。世界中の企業が生態系回復へ貢献する事業のあり方へシフトを求められる今、建築・食・美容・医療・ファッションなどあらゆる分野の企業が、「土を良くして生態系を回復する」ことを自らの事業の目的とすることを目指し、その先端的な取り組みを進めている企業とパートナーシップを広げていきたいと思っています。

● 5月7日(金)からJINOWA イノベーターライブセミナーシリーズ開始

「JINOWA」では、世界的な循環経済・生態系回復に取り組むプロフェッショナル同士を、言語や国境を超えて結び、土・循環・生態系回復への最先端の取り組みを、世界各国の食・建築や都市計画・ファッション・医療などの分野で活躍するゲストをお迎えして3カ国語でナレッジシェアを行うオンラインミーティングを「JINOWA イノベーターライブセミナー」として5月7日を皮切りに毎月第一金曜に展開していきます。
 
  •  「JINOWA イノベーターライブトーク」Vol.1 カルロ ネスラー  
2021年5月7日(金)18:00 〜19:30 
下記ページにて参加登録を5月6日までにお願いいたします。ご登録後、参加用のリンクをお送りいたします。
https://bit.ly/3ueBbU6
初回参加無料 日本語・イタリア語・英語の同時通訳付き

◆ Carlo Nesler 略歴 ◆ 
イタリア人 大豆を使わない味噌醤油生産者 I  世界的な発酵のスペシャリスト
2016年、発酵と自然農法に焦点を当てた生産、トレーニング、実験の拠点として、ローマから北へ1時間ほどのビテルボにCibOfficinaMicrobioticaを設立。幼い頃から培われた料理や発酵食品への情熱から、専門知識を極め、パーマカルチャーデザインコースに参加した後、生物学者のサビアナ パロディデルフィーノの指導の下、発酵の分野の専門家として独立。イタリアでは発酵分野の第一人者として全国で教室を開催し、彼の生徒は海外の発酵コミュニティにも広がっている。またコンサルタントとして、Norbert Niederkofler、Oliver Piras、MauroRicciardiの著名シェフとのコラボレーションも多数。アメリカの発酵カルチャーのリーダーであるサンダー・キャッツのイタリア版翻訳者として、ワイルドファーメーテーション(発酵)の普及にも貢献している。
 

 

 


◆ ゲストスピーカー Johnny Drain 博士 ◆ 
シェフ、デザイナー、サイエンティスト(オックスフォード大学でマテリアルサイエンスの博士号を取得)であるジョニーは、世界最高のバー、キッチン、食品ブランドが発酵を使用して美味しさと持続可能性を生み出し、増幅するのを支援する専門家で、イギリスではもちろん、世界のガストロノミーシーンにおいて、発酵、持続可能性の最先端専門家として、人々により健康的で、公平で、環境にやさしい食のあり方を手助けをしています。

ゼロウェイスト(食品廃棄物)フードのパイオニアシェフであるダグラス マクマスター(サイロ)とビバレッジ業界の第一人者であるライアン氏とともに、彼は食品副産物をおいしいものに変えて食べたり飲んだりする方法を開発する研究開発スペースを設立。他のクライアントや協力者には、NomaのNordic Food Lab(2星)、Mirazur(3星)、Alchemist(2星)、Mr Lyan、Diageo、およびアルゼンチン農業省など世界一流のレストランが含まれています。
ジョニーは発酵分野のカルチャーシーンを世界に伝えるwww.thisismold.comの一部であるMOLD Magazineを共同設立。雑誌を通じて、私たちが食べるものが地球の健康をどのように変えることができるかを探求するストーリーテリングをしています。

【JINOWAが提唱する「TOKOWAKA(常若)」社会の新しい指標について】

大量生産、大量消費のリニアモデルから循環経済への転換は世界的な課題となっています。資本主義社会を拡大させてきた「大量に、便利に、早く、手軽に、一気に」という価値観から脱却し、具体的に下記のような新しい指標を軸とした社会へ転換していくことが必要だと考えています。
  •  適 (Appropriate)
大量生産、消費から脱却し、地域や自然環境に適しているか、無駄や無理のない適切な量か、その人や土地の能力に適し(適地、適職)、負荷が少ない状態にあるかに価値をおく​
  • 繋 (Connection) 
効率化を重んじ、無人化・機械化していくよりも、創造的な手仕事によって、どれだけ人との繋がりや交流を生み出しているか
  • 継(Succeed)
急激な拡大成長を目指すのではなく、時代に合わせ常に刷新しながら、手間暇をかけ長く継続・継承されているか

このような新しい価値を目指して地域をリデザインし、その土地や自然環境や人間にもっとも負担のない産業、ものづくりやサービス、プロダクトを生み出していく人間の創造力や技術力、そして創造的な手仕事こそが地域の文化の継承や自然環境の回復へつながる具体策だと考えます。

JINOWAは本年の5月22日から11月まで、初のプロジェクトとして、イタリアヴェネチアビエンナーレで出展される土の建築作品を通した社会実験が開始される予定です。

本件に関するお問い合わせ先
広報担当 田中 info@gen.education
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