製造現場に混在する多様な無線通信を安定化する通信規格の適合性試験仕様を策定
~様々な無線機器をつなぎ、無線ネットワークの統合管理を実現~
フレキシブルファクトリパートナーアライアンス(FFPA)*¹は製造現場の様々な⽤途として混在して利⽤される多様な無線システムの安定化に必要な通信規格の適合性試験仕様を策定しました。FFPAは国⽴研究開発法⼈情報通信研究機構(NICT)の提案によるSRF無線プラットフォーム*²をシステムの基本構成として、2019年9⽉に通信規格の技術仕様を策定しました。このほど、技術仕様に適合する試験の基準や⼿順を明確にする適合性試験仕様が完成したことで、ベンダーがSRF無線プラットフォームのインターフェースを持った製品であることを確認することが可能となりました。これにより製造現場における無線ネットワークの可視化と統合管理の実現に向け⼤きく前進しました。
SRF無線プラットフォームの技術仕様は、製造現場に混在している多様な世代、規格、メーカーの無線システムが共存及び協調できる仕組みを実現しています。今回Version 1.1に更新し無線LANだけでなくBluetooth/BLEやLoRaWANなどSub-GHzを使う無線システムの制御パラメータや精細なスペクトルモニタの監視パラメータを追加しました。
SRF無線プラットフォームの技術仕様は、製造現場に混在している多様な世代、規格、メーカーの無線システムが共存及び協調できる仕組みを実現しています。今回Version 1.1に更新し無線LANだけでなくBluetooth/BLEやLoRaWANなどSub-GHzを使う無線システムの制御パラメータや精細なスペクトルモニタの監視パラメータを追加しました。
【背 景】
工場では自動化・省人化や変種変量生産への対応のため、ロボットや自動搬送機などの制御や、リアルタイムに人や製造設備からの情報を得て、AIやIoTを活用した検査、分析、作業支援などを行う機会が増えてきています。ニューノーマル時代を迎えたいま、常に人が現場に張り付くことなく、遠隔監視・遠隔作業が可能となる生産プロセスへ移行しつつあります。こうしたなか、移動する自走搬送機や人に対する通信手段を提供するため、また情報化された設備の設置容易性を高めるために、無線通信はなくてはならないものになっています。
工場で使用される通信機器では、規格や世代が混在し、通信システムの用途や、ベンダーも異なります。無線システムの場合には、システム間の調整がされず、通信障害の問題が発生することがあります。また、稼働した無線システムが、レイアウト変更や周囲の構造物の移動、他の無線システムからの干渉などの要因により、安定した通信ができなくなることもあります。
FFPAは、こうした課題に取り組み、各ベンダーが開発した無線機器をつなぎ、無線通信の可視化と統合管理を容易に実現するために、SRF無線プラットフォームの技術仕様を2019年9月に策定しました。このプラットフォーム上に構築された複数の無線システムは、互いの干渉を抑え、協調動作することが可能になります。
【成 果】
このほどFFPAは、無線機器がSRF無線プラットフォームの技術仕様の適合性試験に用いる仕様の策定を完了しました。SRF無線プラットフォームでは、フィールドマネージャと呼ばれるコントロ―ラが、ゲートウェイや無線端末から構成される複数の無線システムを管理・協調制御します。今回策定した適合性仕様では、ゲートウェイや無線端末が正しくフィールドマネージャと通信できるための基準や手順が記されています。これにより、様々なベンダーの製品がSRF無線プラットフォームの通信規格にしたがって動作することの確認が可能となりました。
さらにSRF無線プラットフォームの技術仕様もVersion 1.1に更新し、無線LANに加え、工場で利用されているBluetooth/BLE、LoRaWANなどSub-GHzを使う各種無線システムの制御パラメータや、精細なスペクトルモニタのための監視パラメータを追加しました。このプラットフォームを採用することにより、幅広い無線システムで構成されるネットワークの可視化と統合管理を実現することができます。
【今 後】
FFPAでは今後、2021年中の開始を目指して、認証プログラムの準備を進めてまいります。また、5G(第5世代移動通信システム)に対応する技術仕様Version 2.0の策定を進めています。製造現場の様々な情報の可視化と、ネットワークに接続された設備の統合管理を可能とするSRF無線プラットフォームの普及を促進し、生産性向上のための情報通信利活用を推進していきます。
<用語解説>
*1 フレキシブルファクトリパートナーアライアンスについて
フレキシブルファクトリパートナーアライアンスは、複数の無線システムが混在する環境下での安定した通信を実現する協調制御技術の規格策定と標準化、および普及の促進を通じ、製造現場のIoT化を推進するために2017年7月に設立された非営利の任意団体。
メンバー企業は、2020年12月末現在、オムロン株式会社、株式会社国際電気通信基礎技術研究所、国立研究開発法人情報通信研究機構、日本電気株式会社、富士通株式会社、サンリツオートメイション株式会社、村田機械株式会社、シーメンス株式会社、一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター。会長は、アンドレアス・デンゲル(ドイツ人工知能研究センター)。
https://www.ffp-a.org/jp-index.html
*2 SRF無線プラットフォーム
多種多様な無線機器や設備を繋ぎ、安定に動作させるためのシステム構成。SRF(Smart Resource Flow)は、マルチレイヤシステム分析を用い、製造に関わる資源(人、設備、機器、材料、エネルギー、通信など)がスムーズに流れるよう管理するシステム工学戦略。SRF無線プラットフォームの技術仕様は、FFPAによって策定されている。
工場では自動化・省人化や変種変量生産への対応のため、ロボットや自動搬送機などの制御や、リアルタイムに人や製造設備からの情報を得て、AIやIoTを活用した検査、分析、作業支援などを行う機会が増えてきています。ニューノーマル時代を迎えたいま、常に人が現場に張り付くことなく、遠隔監視・遠隔作業が可能となる生産プロセスへ移行しつつあります。こうしたなか、移動する自走搬送機や人に対する通信手段を提供するため、また情報化された設備の設置容易性を高めるために、無線通信はなくてはならないものになっています。
工場で使用される通信機器では、規格や世代が混在し、通信システムの用途や、ベンダーも異なります。無線システムの場合には、システム間の調整がされず、通信障害の問題が発生することがあります。また、稼働した無線システムが、レイアウト変更や周囲の構造物の移動、他の無線システムからの干渉などの要因により、安定した通信ができなくなることもあります。
FFPAは、こうした課題に取り組み、各ベンダーが開発した無線機器をつなぎ、無線通信の可視化と統合管理を容易に実現するために、SRF無線プラットフォームの技術仕様を2019年9月に策定しました。このプラットフォーム上に構築された複数の無線システムは、互いの干渉を抑え、協調動作することが可能になります。
【成 果】
このほどFFPAは、無線機器がSRF無線プラットフォームの技術仕様の適合性試験に用いる仕様の策定を完了しました。SRF無線プラットフォームでは、フィールドマネージャと呼ばれるコントロ―ラが、ゲートウェイや無線端末から構成される複数の無線システムを管理・協調制御します。今回策定した適合性仕様では、ゲートウェイや無線端末が正しくフィールドマネージャと通信できるための基準や手順が記されています。これにより、様々なベンダーの製品がSRF無線プラットフォームの通信規格にしたがって動作することの確認が可能となりました。
さらにSRF無線プラットフォームの技術仕様もVersion 1.1に更新し、無線LANに加え、工場で利用されているBluetooth/BLE、LoRaWANなどSub-GHzを使う各種無線システムの制御パラメータや、精細なスペクトルモニタのための監視パラメータを追加しました。このプラットフォームを採用することにより、幅広い無線システムで構成されるネットワークの可視化と統合管理を実現することができます。
【今 後】
FFPAでは今後、2021年中の開始を目指して、認証プログラムの準備を進めてまいります。また、5G(第5世代移動通信システム)に対応する技術仕様Version 2.0の策定を進めています。製造現場の様々な情報の可視化と、ネットワークに接続された設備の統合管理を可能とするSRF無線プラットフォームの普及を促進し、生産性向上のための情報通信利活用を推進していきます。
<用語解説>
*1 フレキシブルファクトリパートナーアライアンスについて
フレキシブルファクトリパートナーアライアンスは、複数の無線システムが混在する環境下での安定した通信を実現する協調制御技術の規格策定と標準化、および普及の促進を通じ、製造現場のIoT化を推進するために2017年7月に設立された非営利の任意団体。
メンバー企業は、2020年12月末現在、オムロン株式会社、株式会社国際電気通信基礎技術研究所、国立研究開発法人情報通信研究機構、日本電気株式会社、富士通株式会社、サンリツオートメイション株式会社、村田機械株式会社、シーメンス株式会社、一般財団法人テレコムエンジニアリングセンター。会長は、アンドレアス・デンゲル(ドイツ人工知能研究センター)。
https://www.ffp-a.org/jp-index.html
*2 SRF無線プラットフォーム
多種多様な無線機器や設備を繋ぎ、安定に動作させるためのシステム構成。SRF(Smart Resource Flow)は、マルチレイヤシステム分析を用い、製造に関わる資源(人、設備、機器、材料、エネルギー、通信など)がスムーズに流れるよう管理するシステム工学戦略。SRF無線プラットフォームの技術仕様は、FFPAによって策定されている。
図1 SRF無線プラットフォームの実装例
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