1型糖尿病患者・家族の支援団体日本IDDMネットワーク、1型糖尿病根絶を目指す研究4件に総額720万円の研究助成を決定
第13回1型糖尿病研究基金助成課題決定のお知らせ
全国の1型糖尿病患者・家族を支援する私たち認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク(理事長 井上龍夫、本部 佐賀市)は、1型糖尿病根絶(=治療+根治+予防)を目指す研究の助成課題を4件決定いたしました。これにより、1型糖尿病研究基金による助成件数・総額は56件2億8880万円となります。
【助成課題】
○1型糖尿病モデルマウスを用いた新規インスリン基礎分泌促進ペプチド(タークペプチド)の前臨床研究[治療]
研究代表者:佐伯久美子国立国際医療研究センター研究所・室長
助 成 金:120万円(1年間)
<理事長コメント>
1型糖尿病を発症しても多くの患者は長期間インスリン産生細胞である膵β細胞が残存していることが分かっています。この研究はその残存β細胞の機能を向上させる安全な飲み薬の開発を目指したものです。この研究によりインスリン分泌を復活させ、さらに自己免疫作用による攻撃にも抵抗力がつくことで、移植医療への応用にも展開されることを期待します。
○1型糖尿病に対するIL-7R標的Antibody-drug conjugate(ADC)の開発[治療]
研究代表者:安永正浩国立がん研究センター先端医療開発センター・新薬開発分野ユニット長
助 成 金:100万円(最長7年間)
<理事長コメント>
1型糖尿病の主な原因である「自己免疫」を制御する新しい治療法に挑戦する研究です。自己免疫のメカニズムの解明とその暴走を制御する薬剤開発はこの病気の本質に迫る治療法であり、将来的には再生医療との組み合わせで根本的な治療法開発に繋がることを期待します。
○1型糖尿病に対する根治治療としての自己由来脂肪幹細胞から作成したinsulin producing cell自家移植法臨床応用に関する研究開発[治療]
研究代表者:池本哲也徳島大学病院消化器・移植外科特任准教授
助 成 金:100万円(最長3年間)
<理事長コメント>
1型糖尿病の有力な治療法候補である「膵島移植」は膵島の提供者(ドナー)不足が現実的な障害になっています。この研究は患者自身の皮下脂肪から膵島細胞を作成し、患者自身に移植する自家移植を目指したもので、この研究によりドナー不足、免疫抑制剤使用などの現在の移植治療の課題が解決されることを期待します。
○ヒト膵島を用いた膵β細胞量増大の実現に向けた研究[根治]
研究代表者:白川純横浜市立大学医学部内分泌・糖尿病内科講師
助 成 金:400万円(1年間)
<理事長コメント>
1型糖尿病患者にわずかに残っているβ細胞の量を増やすことで根本的治療につなげる研究です。この研究はヒトのβ細胞を使用して直接的にヒトに効果を持つ細胞量調節因子を見出すというアプローチが独創的です。この研究は糖尿病の大部分である2型糖尿病の根本的治療にもつながることが期待されます。
【1型糖尿病とは】
原因不明で突然、小児期に発症することが多く、現在の医学水準では発症すると生涯に渡って毎日4-5回の注射又はポンプによるインスリン補充がないと数日で死に至る難病。糖尿病患者の大半を占める生活習慣病と称される2型糖尿病に対し、国内での年間発症率は10万人当たり1-2人と希少な病であるため患者と家族の精神的、経済的負担は大きい。
【日本IDDMネットワークについて】
日本IDDMネットワークでは、2005年の1型糖尿病研究基金設立後、これまで56件、2億8880万円の研究費助成を行っています。
当基金は、患者・家族自らが「不治の病を治る病にする」、「不可能を可能にする」挑戦に賛同いただいた方々からの当法人への直接の寄付並びに“佐賀県庁への「日本IDDMネットワーク指定」ふるさと納税”など、日本全国の方々からのご支援で成り立っています。
今回の研究助成財源は、当法人への直接の寄付によるものです。
【お問い合わせ先】
名 称:認定特定非営利活動法人日本IDDMネットワーク
所在地:〒840-0823 佐賀県佐賀市柳町4-13
電 話:0952-20-2062
Fax :020-4664-1804
E-mail:info@japan-iddm.net
WEB:https://japan-iddm.net/
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