【国連Energy Compacts】中小企業による太陽光発電を通した地域の防災力向上と障がい者就労支援の取り組みに関するSDG7の行動目標が国連に承認されました。
株式会社太陽住建(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:河原勇輝、以下「太陽住建」)が行う太陽光発電をはじめとするSDG7に関する取り組み目標が、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES、本部:神奈川県三浦郡、理事長:武内和彦、以下「IGES」)の協力により、9月23日、国連Energy Compactとして承認されました。太陽住建は、太陽光発電による再生可能エネルギーの普及と同時に、福祉避難所や自社で取り組む体験型空き家活用「solar crew」 の全拠点への太陽光発電設備導入、さらに設備設置に関しては障がい者の就労支援を進めています。
太陽住建は設立12年目、社員8名の中小企業です。「本業を通した地域貢献」を念頭におき、太陽光発電事業、リフォーム事業、空き家活用事業に取り組んでいます。国連は、2021年9月24日に開催された「国連ハイレベルエネルギー対話」に向けて、国連加盟国およびステークホルダーに対し、2030年までのSDG7の達成、2050年までのゼロカーボンに向けた具体的な取組目標を「Energy Compacts」として自主的な宣言を行うように広く呼びかけました(詳しくはhttps://www.un.org/en/energycompacts/page/registry)。
この動きに対して、太陽住建はIGESの協力により、自主的に「Energy Compact」を取りまとめ、国連による審査プロセスを経て9月23日に承認され、河原勇輝社長の動画メッセージと共に、国連のホームページに掲載されました。
《国連掲載ページ》
原文:https://www.un.org/en/energycompacts/page/registry#TaiyoJyukenandIGES
日本語版:https://www.taiyojyuken.jp/info/3035.html
今回の承認に関して、太陽光発電の普及だけでなく、それに伴う障がい者の就労支援、また「電力の供給が可能な避難所」を焦点にしていることが評価されたものと考えます。
■太陽住建の行う太陽光発電事業とは
太陽住建は、災害時に一般的な避難所では生活に支障をきたす高齢者や障がい者、妊婦らの避難先となる「福祉避難所」を主とし、太陽光発電普及を行っております。太陽光発電から生み出される電気によって、平常時は自家消費を行い再エネ比率の高い電力の使用、災害時には発電した電力を地域に開放するなど、太陽光発電を通した課題解決をご提案しています。
また、太陽住建は、施設側の負担なく設置可能な「0円設置」を可能としています。具体的には新電力会社等が補助金を受け、施設の屋根に太陽光発電設備と蓄電池を導入します。施設側はそこで発電した電力を新電力会社から有償で供給し、投資回収を行うスキームです。施設側はおおよそ10年間の契約期間後には設備一式を無償で受け取ることができます。
施設側は電気料金やCO2の削減の他、災害時でも電力の確保が可能となり、より安全な要支援者の避難先となりえます。一方、地域は、携帯電話の充電(おひさまおすそ分けPJ)を通して、施設の活動や想いを理解するきっかけとなり、関係性の構築及び共生社会の創出につながります。これらは太陽光発電設備を通し、福祉施設及び福祉避難所としての付加価値を高めるものです。
当事業に関しては比較的安全な場所限定で太陽光発電の組立作業を細分化、単純化し、障がい者の賃金向上、就労支援の提供を行っております。
■復興支援から見えてきた避難所問題と空き家問題
太陽住建はこれまでに「本業を通した地域貢献」として、太陽光発電を身近に感じてもらうためのソーラバッタの工作体験や各種イベントへの出展、小学校〜大学までの外部講師として環境問題やSDGsに関する授業を継続してきました。また震災時には復興支援として現地の泥水の除去、支援物資の提供などを行なってきました。
2016年に発生した熊本地震では、復興支援のため発生直後に現地へ向かった際に、過酷な生活環境を目の当たりにしました。80代の高齢者夫婦が自宅前のコンクリートに張られたテントで避難生活を送っていました。お話を伺うと「3km先に大きな避難所があるが、高齢の私たちにはとても遠い距離。何より自宅も心配でならない。」という言葉が返ってきました。もっと自宅が安全な場所で、さらには身近に避難できる場所があれば、と考えさせられました。
一方で2033年には3軒に1軒が空き家になると予測されるほど、空き家問題は深刻化しています。太陽住建で開催しているリビングラボ(まちの主役者である住民に加え、産官学民が協働し、地域課題の解決や暮らしを豊かにするためのモノやサービスを生み出す場所)でも、働き方、子育て、などと並び空き家がテーマとなる回がありました。
太陽住建では空き家問題を解決するために、2018年9月より、横浜市磯子区にある空き家をコミュニティスペース兼コワーキングオフィスとして活用を開始しました。さらに前記の避難所問題の解決策として、耐震シェルターと太陽光発電設備を導入し、地域の小さな避難所としての機能ももたせることにしました。このスキームを展開するため、2020年に体験型空き家活用「solar crew」をスタート。多くて困る空き家を少なくて困る防災拠点へと再転させ、さらなる地域課題の解決の拠点となる取り組みを進めています。拠点に太陽光発電を導入するため、拠点が増えれば増えるほど、再エネ普及にもつながります。なお、横浜市磯子区の拠点で使用する電力は再エネ率100%の電力で運営を賄っています。
■太陽住建の実績と目標
太陽住建は、太陽光発電および再生可能エネルギー調達により、既に自社の電力を100%再生可能エネルギーの電力にしています。
太陽住建は、太陽光発電事業の取り組みをを通じて、2030年までに横浜市内にある432か所の福祉避難所に太陽光発電を導入し、合計19,440kWの発電容量の設置を目指しています。これは横浜市が掲げる「横浜市地球温暖化対策実行計画」(2018年10月)の目標値の12.15%に相当します。
また太陽光発電設備導入に伴う障がい者の就労支援数、社会課題となっている空き家を活用した耐震シェルターと太陽光発電設備を備えたコミュニティー拠点数に関する2030年までの目標値も宣言しています。これらの進捗は、太陽住建SDGsレポートとして2019年および2020年に報告しており、今後も毎年発表する予定です。
《 関連URL 》
◆太陽住建Energy Compact国連掲載ページ
https://www.un.org/en/energycompacts/page/registry#TaiyoJyukenandIGES
◆太陽住建Energy Compact国連掲載内容和訳資料(一部和訳をしておりません)
https://www.taiyojyuken.jp/info/3035.html
◆公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)
https://www.iges.or.jp/jp
◆体験型空き家活用「solar crew」
https://solarcrew.jp/
◆太陽住建SDGsレポート
2019 https://www.taiyojyuken.jp/seminar/1982.html
2020 https://www.taiyojyuken.jp/report/2638.html
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