アブダビ、Expat都市ランキングで世界66都市中、10位にランクイン

InterNationsが毎年行っている「Expat都市ランキング」レポートにおいて、アブダビが世界66都市中10位と中東地域では最上位にランクインしました。同レポートは、「Expat Insider」アンケートに基づき、世界181の国や地域に暮らす173カ国、15,000人の国外居住者（Expat）を対象に、都市生活の質、現地での雇用状況、都市環境などの生活のさまざまな面について調査を行ったものです。

暮らしやすさ

アブダビは、特に住みやすさの項目で高い評価を得ており、安全性で6位、医療機関の利用のしやすさで10位となりました。別のクラウドソーシングデータサイト、Numbeoによる調査でも4年連続「世界で最も安全な都市」に選ばれているほか、UAEは2018年に行われたブルームバーグの国別ヘルスケア効率化指数における中東地域トップ、ヘルスケアでは世界10位となっています。 また、子供連れで赴任する場合に重要なポイントになる学校についてもトップクラスが揃う都市として評価されています。例えばCranleigh Abu Dhabiは、Spear's Schools indexの世界の私立学校トップ100、中東地域における学校トップ5に選ばれています。

未来の分野
住みやすさの魅力だけでなく、アブダビ経済は急速に多様化が進み、投資を呼び込む環境が整っていることから仕事をするにも最適な場所となっています。政府はイノベーションとテクノロジー、特にアグテック、フィンテック、エドテック、ヘルステックなどの生産性の高い分野に多額の投資を行っており、雇用と投資の機会を創出しています。

スタートアップへのサポート

アブダビは、持続可能な将来を見据えた経済を構築する計画の一環として、起業家の支援、インセンティブの提供、および新規事業への投資を行っています。アブダビのグローバル・テック・エコシステムHub71は、成功の可能性を高め、卓越した技術革新を生み出し、グローバルに展開したいと考える革新的なテック企業に最適な環境を提供しています。57社のスタートアップ企業を擁するハブ71のインセンティブ・プログラムは、シードステージや新規スタートアップ企業に住宅、ヘルスケア、オフィススペースを無料・割引価格で提供しているほか、トップVCファンドや投資家を誘致して資本調達の手段を提供しています。
アブダビのスタートアップ・エコシステムは、公的な共同持株会社のADQ が、インドと東南アジアの新規事業を対象としたAED11億のベンチャーファンドを5月に発表したことで、さらなる盛り上がりを見せています。このファンドは、ADQがスタートアップ企業への投資の支援を行うための手段として機能し、持続可能で長期的な財務リターンを生み出し、若い起業家をアブダビに呼び込むことを目的としています。

海外直接投資ライセンス（FDI）
大幅な規制緩和が外国人投資家をさらに惹きつけています。10月にはアブダビ経済開発省（DED）が「海外直接投資ライセンス」を導入し、投資家が事業の100％を所有することができるようになりました（従来はフリーゾーン外に拠点を置く事業は、現地のパートナーが過半数の株式を所有する必要がありました）。このライセンスは、農業、工業、サービス部門の122の経済活動を対象としており、総資本がAED200万～1億以上の企業を対象としています。
アブダビ証券取引所（ADX）が7月に上場企業4社の外国人投資家保有限度額を49％に引き上げた結果、外国人投資家が参入できるADX上場企業数が55社と取引所の80％を占めるようになりました。現在、世界的な資産運用会社の上位25社がADXの投資家として登録されています。

 

ビジネスのしやすさ
アブダビはビジネスのしやすさでますます知られるようになっており、世界銀行が発表した「ビジネスのしやすさ」2020年のレポートでは16位にランクインしました。このレポートでは、開業、不動産登記、クロスボーダー取引など6つのパフォーマンス指標に基づいて経済を評価しています。加えて、新規事業にも利用可能な、短時間にオンラインで取得できるアブダビの「インスタント・ライセンス」も高評価を得た要因に含まれます。

フリーゾーン
新たに開始されたFDIライセンスに加え、アブダビ・グローバル・マーケット、アブダビ・ハリーファ工業地区、マスダール・シティFZ、アブダビ空港FZ、twofour54など、5つのビジネス・フリーゾーンでは外国人による100％所有が認められています。

フリーランス
今月初め、アブダビ経済開発省は、「フリーランサー・ライセンス」をアブダビとUAE外に住む人を含むUAE国民以外にも拡大すると発表しました。このライセンスにより、事務所を構える事なく自宅や認可された場所で柔軟に48種の仕事をすることが可能となります。また、アブダビのメディアフリーゾーンであるtwofour54は、11月に新たに57種類のゲームおよびeスポーツのライセンス受付を開始したことを発表し、eスポーツ分野に特化したライセンスを提供する地域初のフリーゾーンとなりました。