〜女性就業率全国最下位の奈良県で、地場産業の活性化に邁進〜次期社長が「第2回活躍する女性リーダー表彰」受賞

3/8国際女性デーに合わせて開催、受賞者を代表してスピーチも

有限会社巽繊維工業所

2024年3月12日 14時00分

奈良県において靴下・繊維製品の製造販売を行う有限会社巽繊維工業所(所在地：奈良県橿原市／代表取締役：巽亮滋) の取締役である巽美奈子は、大阪商工会議所が主催する「第2回活躍する女性リーダー表彰」を受賞しました。授賞式は女性の地位向上を目指す“国際女性デー”である3月8日(金)にあわせて行われ、受賞者38名を代表してスピーチを行いました。2015年に入社、現在は企画営業として勤務している巽美奈子は、2024年4月に四代目の代表取締役就任を予定しています。

「活躍する女性リーダー表彰」を受賞

活躍する女性リーダー表彰H P：https://www.osaka.cci.or.jp/bluerose/

次期社長「活躍する女性リーダー表彰」を受賞

当社は1928年に創業し、国内靴下生産量日本一(※)である奈良県で靴下・繊維製品の製造販売を行っています。この度、現・取締役であり、来月に四代目の代表取締役の就任を予定している巽美奈子が、大阪商工会議所の主催する「第2回活躍する女性リーダー表彰」を受賞、3月8日(金)の授賞式で受賞者を代表してスピーチを行いました。

3月8日は「国際女性デー」であり、授賞式では表彰楯と、国際女性デーを象徴するミモザ「ムーンダスト」と、“夢かなう”が花言葉の青いバラ、サントリーブルーローズ「アプローズ」の花束が授与されました。

（※日本靴下協会2022年度版「産地別生産量推移」http://www.js-hosiery.jp/data.html）

活躍する女性リーダー賞とは

大阪商工会議所の主催する「活躍する女性リーダー表彰」は、政府の提言する第5次男女共同参画基本計画を受け、企業活動や文化的活動などで活躍している女性を表彰し、女性の活躍を促進することを目的にしています。「業績」「人材育成、業務・職場環境改善」「社会貢献、都市魅力向上」を選考基準に、慎重かつ厳正に審査を重ねた結果、38人が表彰に値するとの決定に至りました。

受賞者は今後、女性活躍事業などにロールモデルとして登壇し、後進の育成に寄与するとともに2025年大阪・関西万博の機運醸成に向けた取り組みも予定されています。

受賞者集合写真

巽美奈子プロフィール

取締役　巽美奈子

1988年8月13日生まれ（現35歳）

2011年　専門商社に入社、営業職に従事

2015年 (有)巽繊維工業所　入社

2023年取締役　就任

主軸事業である靴下のOEM生産が低迷し、会社存続の危機にあった2015年に入社。自社ブランドの開発や、インターネット販売サイトを立ち上げるなど新しい挑戦を行ない、コロナ禍にありながらも７期連続の増収増益を記録。疲弊する繊維業界で奇跡的に業績を回復させてきた。今後は海外市場にも目を向ける。

受賞スピーチ抜粋

この度、素晴らしい賞をいただきました事を心から感謝申し上げます。

私自身、男も女も関係ない！と思い仕事に邁進してきましたが、背中を押していただける大変心強い賞であると感じ、受賞を心から嬉しく思っております。また、受賞された皆様はどの方も『実績』と『リーダーシップ』の双方を兼ね備え、お一人お一人が計り知れない努力と経験をお持ちだと尊敬しております。皆様と一緒に、自分自身と業界の枠を超えた交流や取組みも展開できれば幸いです。

このような賞を通じて多方面で女性の活躍を応援いただいている事に感謝しながら、私一個人として、また会社としてどのように社会貢献が出来るのかを考え、今後も仕事に実直に取り組んで参ります。この場をお借りして関係者の皆様に心からの感謝を申し上げ、受賞者のことばとさせていただきます。

全国最下位の女性就業率、県外就業率は全国３位の奈良県

総務省が発表した「就業構造基本調査(2022年)」によると、奈良県の「配偶者がいる女性の有業率」は49・1%で、全国で唯一50％を切り、長年最下位であることが明らかになりました(※1)。

一方で、奈良県が女性を対象に行ったアンケート調査結果によると、回答者のうち約8割に勤労意欲があることがわかりました(※2)。調査結果では「働く意欲があるのに働けない」という女性が多い理由として、子育てや介護など、家庭との両立が可能な職場が生活圏内に少ないということが挙げられており、職場環境の整備が必要であるとされています。また、奈良県は県外就業率（他県で従業する人の割合）が全国3位であり(※3)、一因として、奈良県内で従事可能な産業や企業が少なく、通勤時間をかけても近隣府県に就業せざるを得ないことが考えられます。

※1総務省統計局就業状況基本調査(2022年)

https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/index2.html

※2 奈良県女性の就業等意識調査結果報告書

https://www.pref.nara.jp/secure/35943/gaiyou.pdf

※3 総務省統計局令和2年国勢調査

https://www.pref.nara.jp/secure/230173/r2zyugyouchi_gaiyou.pdf

人の「手」で支えられる国内生産量日本一のモノ作り

国内生産量日本一の靴下産業は、奈良県が誇る地場産業のひとつです。製造工程は分業体制で、人の手による作業が必要であり、当社ではその多くを女性パート従業員が担っています。現在８名いる女性従業員の就業時間は平日の９時から15時で、その全員が家庭との両立をこなしています。子どもの急な発熱や体調不良での早退や欠勤は「お互いさま」という社内風土の醸成は、人を大切にする当社が当たり前に行ってきた結果です。

他にも、近隣の高齢女性が靴下の縫製作業を内職として長年請け負ってくれていたり、こまめに機械の点検整備作業を行い、質の高い製品の安定供給を可能にしてくれる職人の存在があったりするなど、多くの人の「手」によって当社の靴下製造は支えられています。

当社はこれからも培ってきた技術と人、信頼関係を大切に、お客様に満足いただける製品づくりに務め、そこから生まれる雇用や事業承継を通して地域経済の活性化に寄与してまいります。

当社の高品質な製品モノ作りは、多くの人の「手」によって成り立っています