上場株インパクト投資の世界的な先駆者と日本のインパクト企業とのインパクト測定・マネジメント(IMM)に関する対話・ワークショップ第2弾を開催
社会変革推進財団(所在地:東京都港区、理事長:大野修一)が事務局を務めるGSG Impact JAPAN National Partner(旧称:GSG国内諮問委員会)(以下、「GSG Impact JAPAN」)は、「インパクト測定・マネジメント(IMM)とインパクト指標を題材とした投資家とインパクト企業との対話・議論ワークショップ第2弾」(以下、「本ワークショップ」)を、2025年3月に開催しました。
インパクト投資市場は17兆円を超え(※)、インパクト投資に注目が高まり続ける一方、事業者側の視点に立つと、インパクト企業が未上場の段階から、上場を経て、上場後も、インパクトを創出しながら持続的な企業価値の向上を図ろうとする際には課題が多く、参考となる事例も少ない現状があります。
そこで、GSG Impact JAPANでは2023年7月にインパクトIPOワーキンググループ会合を組成し、2024年5月にインパクト企業が活用できるガイダンスをとりまとめ、関係者とともに対話を重ねていくことの重要性を提唱しました。
2024年5月発行
「インパクト企業の資本市場における情報開示及び対話のためのガイダンス第1版」
その活動の一つとして、本ガイダンスに沿って、インパクト企業がインパクト投資家や専門家と対話・議論を行い、インパクト企業が上場時・上場後に直面するリアルな課題を浮かび上がらせ、ガイダンスの実用性をより高めることを目的とし、ワークショップを開催いたしました。本ワークショップには、上場株インパクト投資ファンドの世界的な先駆者である2社の海外インパクト投資家2名を招き、未上場企業3社、上場企業1社、国内の上場株投資家・IMM専門家2名が参加いたしました。
(※)『日本におけるインパクト投資の現状と課題 2024年度調査』 (一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)発行/GSG Impact JAPAN National Partner 監督)
<インパクト測定・マネジメント(IMM)とインパクト指標を題材とした投資家とインパクト企業との対話・議論ワークショップ第2弾」開催>
参加者:
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未上場企業 3社
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株式会社TBM
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株式会社リハス
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Ubie株式会社
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上場企業 1社
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株式会社ユカリア
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海外投資家 2名
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Ed Whitten氏(ベイリーギフォード社)
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Henk Jonker氏(トリオドス・インベストメント・マネジメント社)
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国内投資家・専門家 2名
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岩谷渉平氏
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今田克司氏(一般財団法人社会的インパクト・マネジメント・イニシアチブ)
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<ワークショップの開催結果>
Day1では、各企業と投資家・専門家らとの個別の対話デモやフィードバック、Day2では、参加企業と投資家・専門家らが全体での振り返りを行い、相互に学びを共有し合いました。参加企業からは、2日間のワークショップを通じて得た気付きとして、以下が挙げられました。
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ビジネスモデル・成長戦略とインパクト創出の関係性:取り組む課題の規模、受益者と顧客の属性、インパクト創出への当社ならではの貢献(競争優位性)、人的資本など非財務を含む資本の管理などに関して、インパクト投資家から多くの質問がありました。特に海外投資家には、日本の制度や文脈など背景情報も説明することの重要性が指摘されました。
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ミッション・パーパスなどの企業の理念と整合した一貫性のあるインパクト測定・マネジメント(IMM)の重要性:ただし、IMM実施において様々な課題があることについても企業と投資家間で認識が共有され、その場合は、インパクト測定の限界や変更の理由を明記した上で最大限誠実な開示をすることの重要性が強調されました。
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インパクト指標の設定:インパクトKPIと、財務KPIや中期事業戦略との関係性に関する説明の必要性や、個人や環境といった最終受益者への成果(アウトカム)に関する定量もしくは定性指標の設定への期待がありました。
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ネガティブなインパクトとリスクの管理:網羅的に評価し報告するのではなく、自社のミッション・パーパスなどの企業の理念と照らし合わせて重要度の高いリスクを特定して管理すれば良いのではないかといった投資家としての考えが共有されました。
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インパクトIPO:これから上場を目指すインパクト企業は、上場準備前の早い段階で、長期の上場株インパクト投資家などと対話を重ねていることが鍵だとの指摘がありました。
参加企業が感じている課題、投資家が見ているポイント、専門家の助言など、より具体的な情報をまとめ、後日GSG Impact JAPANウェブサイトに掲載予定です。
https://impactinvestment.jp/activities/impact-ipo.html
<開催概要>
開催日時:
・Day1 2025年3月13日(木)15:00-19:30
・Day2 2025年3月18日(火)15:00-17:00
開催場所:オンライン
参加者:インパクト企業(未上場企業、上場企業)、国内外の投資家
インパクト測定・マネジメント(IMM)の専門家
主催:GSG Impact JAPAN National Partner
事務局:SIIFインパクト・エコノミー・ラボ
<お問合せ>
本プロジェクトのナレッジやネットワークに期待する企業のご担当者はご連絡ください。
実践的なガイダンスの有効活用についてサポートさせて頂きます。
ご連絡先: lab@siif.or.jp(SIIFインパクト・エコノミー・ラボ 担当:菅野)
<関連情報について>
インパクトIPOとは(解説)
https://www.siif.or.jp/approach/42963/
GSG Impact JAPAN National Partner主催「インパクトIPOワーキンググループ会合」
https://impactinvestment.jp/activities/impact-ipo.html
インパクト企業の資本市場における情報開示及び対話のためのガイダンス 第1版
https://impactinvestment.jp/resources/report/20240510.html
ガイダンスの概要と策定経緯
https://note.com/siif_pr/n/n26f97102a19e
インパクト指標に関する対話・ワークショップ第1弾 開催報告
https://impactinvestment.jp/news/20241225.html
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