【9月の不登校】子どもや保護者が直面する課題とは|不登校専門オンライン教室「夢中教室WOW!」が調査
251名分の回答のうち、約3割が「子どもが定期的に通う場所がない」、また半数以上が「働き方に影響が出た」と回答。
子どもも保護者も、夏休み明けの9月は不登校・行き渋りに関する不安や悩みが増える一方で、学校やその他の居場所との関わり方の多様さや、子どもや家庭が直面する多くの課題も判明しました。
調査の背景と内容
2022年度の小中学校で30日以上欠席した不登校の児童生徒が29万9048人になり、21年度から22.1%(5万4108人)増え過去最多を更新したと、文部科学省から公表されました。年々増え続ける不登校問題への根本的な解決は、日本が抱える最重要課題の一つと言えるでしょう。
特に夏休み明けの2学期は、年々不登校・行き渋りの子どもの数が急増するタイミングです。夏休み明けに子どもや家庭が抱える困りごとや悩みの実態を知ることは、不登校問題について考える上でとても重要だと言えます。
そこで不登校専門のオンラライン教室「夢中教室WOW!」は、SNSでの発信・NPO法人キーデザイン「お母さんのほけんしつ」の協力のもと、不登校・行き渋り経験をもつ保護者を対象に「夏休み明けの子供の行き渋り調査」を行いました。その結果、236名の保護者が回答し、251名の子どもについての回答が集まりました。(調査期間:2023年9月15日〜2023年9月27日)
主な調査内容
・夏休み明けの子どもの様子
・新学期の保護者の不安・悩み
・保護者が学校や支援機関に求めること
調査結果
1.回答者の属性・状況
回答者の属性は、236名のうち98.7%が「母親」、1.3%が「父親」でした。
夫婦の仕事の仕事状況としては、54.7%が「共働き」、33.1%が「父親のみ働いている」、11.0%が「シングル家庭」と続き、また少数ですが「生活保護家庭」「どちらも働いていない」を選択した方もいました。
また、子どもの不登校による回答者の仕事への影響について、「雇用形態を変えた」「遅刻・早退が増えた」「休職、退職した」「急な欠勤が増えた」「リモートワークに切り替えた」など、何らかのかたちで仕事に影響が出たと回答した方は、半数を超える結果となりました。
また、子どもの学年としては、最も多かったのが中学2年生の41名であり、中学3年生・小学4年生がともに32名、中学1年生・小学6年生が27名と続きました。
2.「行き渋りのサイン」と「学校との関わり方」
回答した家庭の子どもたちのうち、夏休み明けの9月、学校に登校することに対して何らかのサインを示した子は約半数でした。
「言葉で行きたくないと伝えてきた」「体調不良」「気持ちの不安定さ」が回答の中で目立ちます。
「特に変わらない」との回答は約9.5%で、また不登校期間が長期化していることで「特に気にしていない」と回答した人は41.7%に及びました。
また、子どもの学校への関わり方としては、「ほとんど・全く行かない」との回答が半数を超えました。一方で、「日によって全然違う」「保護者同伴登校」「参加したい行事のみ行く」「別室登校」「放課後のあいさつにいく」など、学校の時間の一部だけ参加するような多様な関わり方も見られました。
3. 学校外の居場所の利用
「学校外で定期的に通っている場所」(定期的:月に複数回以上)について、81名(32.1%)の子どもについて「定期的に通っている場所はない」と回答し、学校外の居場所もないと考えられる子どもが約3割いることが判明しました。
同時に、同じく81名の子どもについて「習い事・塾」を選択しており、定期的に通う場所としては一番多いことが分かりました。
一方、「フリースクール」は13.1%、「適応指導教室・教育センター」は16.7%と、不登校支援の代表的な場所の利用は約3割にしか至りませんでした。
また、14.3%ですが、「オンラインの場」を選択されていることも注目できます。
4.保護者の不安
保護者が抱える新学期時の不安は、「学習の遅れ」と「子どもの将来」がともに131名、「社会とのつながり」が130名と、「学習」「将来」「つながり」の3つが、保護者の2人に1人が不安を抱えていることが判明しました。
そして、「学習」「将来」「つながり」に次いで、「ゲーム・Youtubeの自己コントロール」を48.4%の保護者が回答しており、子どもがゲームやYoutubeからなかなか離れないことに頭を悩ませている保護者も多いことが分かります。
36.9%の保護者は、「子どもにどう接すればいいか分からない」状態にあることも明らかになっており、不登校になった時の家庭内での対応方法の難しさが想像されます。
また、「子どもの不登校についての悩み」を自由記入回答で集めたところ、130名の方から回答があり、その多くは「家に子どもがずっといて、状況が変わらないことに対する焦りや不安が大きくなている」という趣旨のものでした。
個別の回答については下記URLリンクよりご参照ください。
▼質問「お子さまの夏休み明けの行き渋り・不登校について、悩まれた事や感じた事があればお教えください」への個別回答130件
https://wowfull.jp/news/2023reseach03-02/
5.新年度明けの学校や支援機関に求めること
保護者が「学校や教育委員会・民間機関に求めること」についても、自由記入で回答を募集したところ167件の回答が集まりました。
「授業は受けたいが、人が怖いので、オンラインで授業配信をして欲しい」
「子供の居場所、親の会など苦しくても自分で探さなければ、情報を得られなかった。居場所マップが出来ていたら、どんなに心が救われただろうと感じる」
「子どもの信頼できる人が親以外に欲しい」
「学校・教育委員会には、不登校のことを学んで受け入れて、教育確保法やCOCOLOプランのことを身近な事に感じて欲しいです」
などのコメントをいただいていますが、学校・行政への要望が多く集まりました。
特に、
・不登校の子どもの心の理解
・オンライン授業の認可や別室の設置など、教室外で教育を受ける機会の拡充
・教室あたりの人数上限を減らすこと
といった要望が中心に集まっています。
また、学校外の選択肢を選ぼうとしても、
・学び・居場所の選択肢がまだ足りないこと
・相談窓口が分からないこと
・金銭的負担が大きいこと
といったお悩みが多く挙げられました。
学校側の余裕も減ってきているなか、どうやって不登校の子ども・家庭に適切な支援を届けていくのか、喫緊の問題と言えるでしょう。
個別の回答については下記URLリンクよりご参照ください。
▼質問「学校や教育委員会・民間機関に求めること」への自由記入回答(全167件)
https://wowfull.jp/news/2023reseach03-03/
アンケート調査の総評
「子どもにあう場所の少なさ」と「保護者への負担」
今回のアンケート調査を通して、子どもも保護者もどちらも、新学期が始まるこの時期は、不安や悩みが高まっていることが分かりました。
子どもの居場所については、選択肢の数と、アクセスするための情報がまだまだ足りていないことが大きな課題だと言えます。
また、居場所があっても、子どもにとって行くハードルが高いことなども、定期的に行ける居場所がない子どもが多い理由だと言えるでしょう。
また、保護者への負担も深刻です。
約半数の保護者の働き方に影響があったり、子どもへの対応法など精神的な不安が多くあったりなど、保護者への負担はとても大きいことも課題でしょう。
不登校の人数が30万人近くになった今、改めてどんな教育・不登校支援が必要なのか社会全体で考えていく必要があるのではないでしょうか。
夢中教室WOW! 代表 辻田寛明
【夢中教室WOW! 事業概要】
会社名:ワオフル株式会社 (サービス名:夢中教室WOW!)
代表取締役社長:辻田寛明
所在地: 福岡県福岡市東区多の津4-14-1
設立:2020年9月1日
資本金:1000万円
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