EPSホールディングス株式会社とサスメド株式会社が業務提携
~「ブロックチェーン技術」を活用した治験業務の効率化を目指す~
EPSホールディングス株式会社(東京都新宿区、代表取締役:厳 浩、以下、EPS)とサスメド株式会社(東京都中央区、代表取締役:上野太郎、以下、SUSMED)は、「ブロックチェーン技術(*1)」を活用した治験業務の効率化を目的とし、業務提携契約を締結いたしました。
【本提携の背景】
現在、医薬品開発治験のモニタリングについては、データの質と信頼性を担保するために、原資料とCRF(*2)の照合をCRA(*3)が施設を訪問し、実地でのモニタリングをおこなっておりますが、EPSでは、モニタリング業務を効率化するため「CRAが施設へ訪問しなくてもよいバーチャル」の実現を目指し、「Virtual Go」構想を推進しております。
一方、SUSMEDは、産業競争力強化法によるグレーゾーン解消制度(*4)を利用し、SUSMEDが特許を有するデータ改ざんが困難であるブロックチェーン技術を活用することで、臨床試験の原データとCRFのデータの実地での照合による一致性の確認作業は不要であるとの回答を、厚生労働大臣及び経済産業大臣から得ています。
(経済産業省/グレーゾーン解消制度の活用実績より、「ブロックチェーン技術を用いた臨床データのモニタリングシステムの提供」申請日:令和2年11月4日、回答日:令和2年12月4日 https://www.meti.go.jp/policy/jigyou_saisei/kyousouryoku_kyouka/shinjigyo-kaitakuseidosuishin/result/gray_zone.html)
本提携は、臨床試験のプロセス全般の受託支援で実績のあるEPSと、ヘルスケア分野におけるデジタル技術で高い開発力と特許技術を持つSUSMEDとが協力し、先進的な技術であるブロックチェーン技術を実装した臨床試験システムをバーチャル治験に導入することにより、モニタリングの効率化を図るものであり、大きなシナジーを生みだせると考えています。
*1 ブロックチェーン技術:分散型ネットワークを構成する複数のコンピューターに、暗号技術を組み合わせ、取引情報などのデータを同期して記録する手法。
*2 CRF:Case Report Form(症例報告書)
*3 CRA:Clinical Research Associate(臨床開発モニター)
*4 産業競争力強化法によるグレーゾーン解消制度:事業に対する規制の適用の有無を、事業者が照会することができる制度。事業者が新事業活動を行うに先立ち、あらかじめ規制の適用の有無について政府に照会を申請、事業所管大臣から規制所管大臣への確認を経て、適用の有無について回答される。
【主な内容】
今後、EPSとSUSMEDは、医薬品開発治験の効率化を実現すべく、以下のようなシステム開発や運用手順の確立を行います。
- バーチャル治験における課題発掘・解決策の提示を目的とした共催セミナーの開催
- バーチャル治験でのモニタリングの効率化に必要となるシステム開発等の共同検討
- バーチャル治験の運用・レギュレーション上の問題を解決するための共同提案
両社が持つ強みを融合させ、バーチャル治験に用いるツールの選択肢の一つとして、データ改ざんが困難である「ブロックチェーン技術」を実装した臨床試験システムについて共同でシステム開発や運用手順の確立をおこなうことで、バーチャル治験の普及・推進し、医薬品開発の効率化に貢献して参ります。
【EPSの「Virtual Go」構想】
EPSは臨床試験業務を支援するリーディングカンパニーとして、これまで培ってきたデータサイエンスに関する専門性や豊富な経験・実績をもとにバーチャル治験を推進していく「Virtual Go」という構想を進めております。
「Virtual Go」とはEPSがバーチャル治験を推進するためのサービス総称です。
「被験者が施設へ訪問しなくてもよいバーチャル」と、「CRAが施設へ訪問しなくてもよいバーチャル」を念頭に、オンライン診療をはじめとした、DDC(*5)、eCOA(*6)、eConsent(*7)、ウェアラブルの活用、治験薬配送、訪問看護、検体回収など様々なスキームについて、試験デザインや疾患領域に合わせてEPSがトータル的に提案・運用・管理を行い、バーチャル治験を推進します。
*5 DDC:Direct Data Capture(電子的な記録データの直接収集)
*6 eCOA:Electronic Clinical Outcome Assessment(電子臨床アウトカム評価))
*7 eConsent:Electronic Consent(電子的同意取得)
【SUSMEDの「ブロックチェーン技術」を実装した臨床試験システム】
SUSMEDは、ブロックチェーン技術の医療応用の一環として、2019年4月に規制のサンドボックス制度の認定を受け、国立がん研究センターと共同で、ブロックチェーン技術を活用した臨床試験のモニタリングを実施し、モニターが医療機関を訪問し原資料と報告用資料の照合を行わなくとも、データの信頼性が担保されることを実証いたしました。
このブロックチェーン技術を活用することにより、原資料とCRFの照合作業(SDV: Source Data Verification)を代替することについて、臨床試験の基準を定めるGCP省令の定めに違反しないことを、先述の規制のサンドボックス制度で実証した成果に基づき、産業競争力強化法によるグレーゾーン解消制度を通じて確認を申請しました。
その結果、ブロックチェーン技術を適切に運用することで、臨床試験の原データとCRFのデータの実地での照合による一致性の確認作業を不要とすることが可能であるとの回答を、厚生労働大臣及び経済産業大臣から得ました。SUSMEDはこのブロックチェーン技術を実装した治験・臨床研究向けのシステムの提供し、治験・臨床試験の効率化を推進いたします。
【EPSホールディングス株式会社】
1991年 CRO(*8)のパイオニアとして創業以来、開発から育薬、マーケティング、販売、コンサルテーション等のソリューションに加え、ビッグデータ& AI 、再生医療などへの取り組みで製薬、 医療機器関連企業、病院・クリニック、アカデミアヘ新しい価値を提供するヘルスケア ・ソリューション・プロバイダーです。
社名 EPSホールディングス株式会社
所在地 東京都新宿区津久戸町1番8号 神楽坂AKビル6階
代表 厳 浩
設立 1991年5月30日
資本金 38億8,800万円
ホームページ https://www.eps-holdings.co.jp/
*8 CRO:Contract Research Organization(医薬品開発業務受託機関)
【サスメド株式会社】
サスメド株式会社は、デジタル医療を推進する研究開発型企業です。臨床開発支援システムのほか、医療用アプリ開発の汎用プラットフォーム、各疾患向けの治療用アプリ開発及びAI自動分析システムの提供を行っております。ブロックチェーン技術の医療応用や医療用アプリについての各種特許を取得するなど、技術に立脚しデジタル医療を推進しております。
社名 サスメド株式会社
所在地 東京都中央区日本橋本町三丁目8番5号
日本橋本町三丁目ビル5階
代表 上野 太郎
設立 2015年7月
ホームページ https://www.susmed.co.jp/
【本件に関するお問い合わせ先】
EPSホールディングス株式会社
事業統括本部 探索事業推進センター 未来事業探索部
未来事業探索室
Email: pr@eps.co.jp
サスメド株式会社
E-mail:support@susmed.co.jp
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザーログイン既に登録済みの方はこちら
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像