【石川県加賀市】日本初・e-加賀市民制度(加賀版e-Residency)の提供へ
~ 市の官民サービスを世界に開放、温泉×リモートワークも後押し ~
これまでの市民・市民以外に加えて「電子市民」という新たなカテゴリーを設けて、官民の様々なサービスを提供するe-加賀市民制度を通して、これまで加賀市と接点のなかったような人々へも加賀市の魅力をオンライン・オフラインの両面から届け、リモートワーカー及び移住者を増加させ、将来的な人財や産業集積を図ります。
- e-加賀市民制度(加賀版e-Residency)とは
- なぜ、加賀市がe-Residencyを始めるのか
- 「e-加賀市民制度(加賀版e-Residency)」の提供に至った経緯
一方で加賀市は、主に「人口減少」と「観光客減少」といった2つの大きな課題に長年悩まされています。
加賀市の人口は、1985年の約8万人をピークに、2021年5月現在で64,822人と減少の一途を辿っています。2014年には、日本創成会議が示した「消滅可能性都市」の一つに指摘されており、市も強い危機感を覚えています。
また、観光客は1980年代の約400万人をピークに、2019年には約180万人と半減。そして新型コロナウイルス感染症の影響もあり、2020年は約100万人にまで減少しており、年間8万人にまで伸びていたインバウンド観光客も期待できない深刻な状態です。
このように「人口減少」と「観光客減少」という2つの課題に対して、時代に即したソリューションを用いた改善が加賀市の急務となっていました。これら2つの課題を解決し、加賀市の魅力をより多くの人々に届ける施策として、e-加賀市民制度(加賀版e-Residency)を提供します。
- 「e-加賀市民制度(加賀版e-Residency)」が“開放”する加賀市の可能性
利用者はe-加賀市民になることで、例えば以下のようなサービスを受けられるように検討しています。
● 滞在日数に応じて、加賀市往来時の宿泊費等を支援
● 市民のみを対象としていたセミオンデマンドタクシーの利用
● 移住体験プログラムの優先提供
● 市の施設であるコワーキングスペースや会議室を無償貸出し
● 移住時における手続きのワンストップ支援
● 法人設立時の手続きを市が支援
※名称・施策は全て予定であり、今後、追加・変更する可能性がございます。
e-加賀市民になると、まずオンライン上で、加賀市のデジタルサービスにアクセスすることが可能になります。
例えば、市の政策決定のための電子投票システムを用いた意向調査に参加できたり、実際に加賀市に訪問する際に、一定の滞在日数を超える場合に限って、加賀市に滞在時の移動や宿泊費等の支援を受けたりすることができます。また、加賀市が運営しているコワーキングスペースを無料で使用することができるなど、日中は仕事に集中、夜は各温泉街にある総湯を利用することで、心身共に快適な環境で仕事を進めることができます。
中期滞在を通じて加賀市の魅力を見出だし、移住や拠点化を検討するe-加賀市民には、移住体験プログラムや、お試し居住体験の家の利用 、補助金の交付などのプログラムを提供し、移住に向けた支援を行います。移住の際には、引っ越しワンストップサービスと連携して必要な手続きを最小限にし、引っ越しにまつわるあらゆる「面倒」を解消するべく支援していく方針です。
なお、e-加賀市民になるための申請や、補助金の交付申請は全て電子上で行うことを想定しており、既に市民に対して提供している「行かない・書かない・待たないサービス 」のコンセプトを体験することが可能です。また、なりすましや多重登録を防ぐために、マイナンバーカード等を活用したデジタルIDソリューション”xID”を用いて本人確認や電子署名を行う形を採用します。
- 加賀市だからこそできるe-加賀市民制度へ
加賀市は、本プログラムを通じてe-加賀市民が加賀市を訪れて滞在する動機を作り、湯治やワーケーション等の中・長期滞在を通じて、日常的に加賀市に触れる機会を創出します。それによって、旅館等への宿泊効果や地域内での経済効果、移住の増加や定住の促進を図るとともに、将来的な人財や産業集積を図ります。
加賀市は既にマイナンバーカードを活用したデジタルサービスの提供を全国の自治体でもいち早く開始しており、e-加賀市民制度の展開にあたっても、既に市民向けに開発・提供しているサービスを基軸としているため、全てのサービスをゼロから構築する必要がありません。この点において、加賀市の強みを活かす制度です。
e-加賀市民制度において新たに開発するデジタルサービスに関しても市民が利用できる形とし、本制度を推進することで、e-加賀市民のみならず、市民の利便性の向上も図ります。また、デジタルサービスと並行してコワーキングスペースやインキュベーションスペースなどの「アナログの場」の整備も推進し、 市民サービスと電子市民サービスの相乗効果を図ります。
- 民間企業と連携してシステムを開発
システムとしては、e-Residency申請プラットフォームや、e-Residency API、加賀電子住民基本台帳等を事業者と開発します。IDにはマイナンバーカードをもとに個人認証する「xID」を採用し、重複のないIDを発行することを可能にします。IDによってe-加賀市民である認証や、他のデジタルサービスとのデータ連携も可能となるため、市内外の民間サービスとの提携も期待されます。
例えば、宿泊台帳などの記録と連携することによって、訪問回数や滞在日数に応じて利用サービスの優遇を受けられる、といったデータ連携による新たな付加価値の提供が実現可能です。
主な利用者としては、デジタルを活用することで、国内外のリモートワーカーやノマドワーカーといった、場所に制約を受けない働き方を実現している人々を想定しています。申請料・利用料は今後発表予定です。
今後は2021年夏以降を目処にウェブサイトを公開し、事前登録者や市内外の連携事業者を募集する予定です。
- 宮元市長コメント
本市では、人口減少等により発生してきているさまざまな地域課題に対して、
先端技術を地域に導入することで解決を図り、市民生活の質の向上を目指す
「スマートシティ加賀」の取り組みをスピード感をもって進めています。
そのインフラの一つと考えるマイナンバーカードの普及に努めており、交付率が65.1%と全国トップの普及率となっています。
本日発表させていただくマイナンバーカードを活用する「e-加賀市民制度(加賀版 e-Residency)」は、これまでの単なる先進的な取り組みではなく、一線を画した前例のない日本初の取り組みであり、人口減少という全国の多くの地方自治体が直面している大きな課題に対する先駆的でチャレンジングな取り組みです。
現在、各地方自治体が注力する多拠点居住、移住をはじめとした「関係人口」の増加につながる施策と考えており、スマートシティ加賀を推進する中で、e-加賀市民制度による関係人口の創出モデルを確立し、人口の増加と新たな産業を創出すると
ともに、消滅可能性都市896の市区町村を代表して、ニューノーマル時代の新たな地方創生モデルを実現します。
- 加賀市について
石川県南西部に位置し、大日山(標高1,368m)に源を発する大聖寺川・動橋川が日本海に注ぎ、森や水など豊かな自然に恵まれた地域。全国有数の温泉地であり、山代温泉、山中温泉、片山津温泉 の加賀温泉郷が有名で、毎年約200万人の 観光客が訪れています。日本を代表する器である「山中漆器」や「九谷焼」は この地から誕生しました。加賀市は行政のデジタル化にも力を入れており、2018年には「ブロックチェーン都市宣言」、2019年にはxID株式会社と「次世代電子行政の実現に向けた連携協定締結」を発表しています。2020年には「加賀市スマートシティ宣言」を行うとともに、「スマートシティ加賀構想」を策定し、持続可能な地域を目指すSDGs未来都市に認定されました。2021年には「スマートシティ加賀推進計画」を策定しています。
このプレスリリースには、メディア関係者向けの情報があります
メディアユーザー登録を行うと、企業担当者の連絡先や、イベント・記者会見の情報など様々な特記情報を閲覧できます。※内容はプレスリリースにより異なります。
すべての画像