患者さんは「ともに課題解決を行うパートナー」 PHARMONY活動のさらなる発展を目指しCHUGAI PHARMONY DAY 2024を開催
中外製薬は、2024年10月16日(水)に「PHARMONY※」の取り組みを共有・発信するイベント「CHUGAI PHARMONY DAY 2024」を開催しました。患者団体・患者支援団体より17名のゲストを招き、総合司会には、フリーアナウンサー 笠井信輔氏を迎え、患者さんご自身の闘病経験に基づく講演、当社が取り組んできたPHARMONYにおける具体事例の共有、2020年より続けてきた当社CEOと患者団体による直接対話「ダイアログ」を行いました。
※ PHARMONY:Patients(患者)とPharma(製薬)の頭文字と、Harmony(調和)を組み合わせた造語
定義:「中外製薬が患者さん・ご家族の声を聞き、相互理解を目指しながら、共有価値創造に向けて取り組む活動の総称」
Opening
代表取締役社長 最高経営責任者(CEO) 奥田修
NPO法人肺がん患者の会ワンステップ 理事長 長谷川一男氏
オープニングでは、中外製薬CEOの奥田より、「なぜPHARMONY DAYの開催に至ったのか」「中外製薬の患者団体との協働の考え方」について説明しました。直近1年間で実施した『患者団体と協働し実施した具体的プロジェクト数=96件』を示し、中外製薬は、患者団体を「課題解決のパートナー」であると考えていることを述べました。
Session1
講演「乳がん再々発患者 9年7ヵ月の歩み ~今まで、今、これからのこと~」
登壇者:認定NPO法人オレンジティ スタッフ、理事 中野季里子氏
本講演では、現在も治療を続けられている中野氏が、治療と向き合う中で感じられている想いを中心に、ご家族や医療関係者との関係性や、製薬会社への期待についてもお話しいただきました。2019年にマネジャー研修として実施した、全マネジャー(約900名)と患者さんによるワークショップにも参加いただいており、そこで中野氏の講演を聞いた社員とは、久々の再会となりました。
当日会場で参加した社員(営業本部東海北陸統括支店 静岡支店支店長 松山浩之)からも、直接お話を伺った感想や御礼を述べました。
Session2
社員からの取り組み発表
登壇者:一般社団法人 日本難病・疾病団体協議会 常務理事 辻邦夫氏
一般社団法人 CSRプロジェクト 代表理事 桜井なおみ氏
代表取締役社長 最高経営責任者(CEO) 奥田修
2-1「創薬研究初期段階における患者視点のニーズの着眼と検証
―公開文献や医療者に見過ごされ得る潜在ニーズについて―」
登壇者:林円香(研究本部 創薬薬理第二研究部)
創薬研究の段階で、患者さん・ご家族等へヒアリングを行うことの重要性や、今後の展望を紹介しました。非当事者では把握しきれない潜在ニーズが存在し、それを捉えるには「従来からの着眼点の変更が必要」であり、患者さん自身の「生活行動」に着目することが重要です。今後の展望として、生活行動変化を臨床試験の指標に活かすことにより、患者さん視点で意味のある治療かどうかを評価でき、患者さんにとって価値のある薬を提供できるのではないかと述べました。
2-2「患者さんの声を聞き、想いを新たに “患者さん中心の製剤開発“に活かす
~製剤研究部 Summer camp の取り組み~」
登壇者:酒井憲一(製剤研究部)
製剤研究部という原薬の特性や製品の服用性・使用性を考慮して製剤の剤形設計、デバイス設計、包装設計などを開発する部署が、部署全体で実施した取り組みを発表しました。研究員一人ひとりが製品を利用される方々の声を聞いたことで、これまで思い込みがあったことに気づいたといいます。「患者さんのためにもっとできることがあるはず」「我々だからできる」という想いを新たにし、製品開発や技術開発力を高め、今後やっていきたい具体的なアクションやアイデアが数多く出たことを紹介しました。
2-3「患者さんと共に進む臨床開発の歩み」
登壇者:鴇田 裕也(スペシャリティ臨床開発部)
臨床開発機能として、真に患者さんが必要とする情報資材をお渡ししたいという想いから、①Thank you letter(治験に参加いただいた患者さんへの感謝の気持ちを伝えるための手紙)、②医薬品開発協働ガイド(医薬品開発の一般的な情報や、「なぜ患者さんの声が重要であるか」を事前に知ってもらうためのガイド)を、患者団体との意見交換を経て作成した内容を発表しました。患者さんと強い信頼関係で結ばれている未来を目指し、新薬の開発に向け共に進んでいきたいと述べました。
2-4「患者さん視点を取り入れた、補償の在り方の革新」
登壇者:西谷内正和(臨床開発業務部リスク渉外グループ)
患者さんとの対話を通じて、治験の補償(治験に係る被験者に生じた健康被害によって被験者の被った損失を適切に補うため、治験依頼者が定めた補償規程に基づいてなされる給付【GCPガイダンスより一部抜粋】)の手順の見直しや、補償文書を分かりやすく改訂したことを紹介しました。取り組みを通じ、「思い込み」を払拭し、今後は補償の説明に関する動画を作成する計画であるとし、継続して補償の在り方の革新を進めていくと述べました。
2-5「米国における子宮内膜症の患者支援団体との協働:
-Understanding the Unspoken Journey of Endometriosis」
登壇者:児玉尚士(ビジネスインサイト&ストラテジー部グローバルビジネス戦略グループ)
米国における子宮内膜症のアンメットメディカルニーズ(診断、治療、ケア)に関するインサイトを学び、社会の認識向上を目指すために米国の3つの患者支援団体と意見交換した内容を発表しました。継続したアンメットニーズが改めて明らかになったことに加え、医療環境の違いなど、公知の情報に基づいても、米国における子宮内膜症患者さんの抱える困難は、日本以上に大きなものであると推察されました。今後、各患者支援団体から得られたインサイトをホワイトペーパーとしてまとめていくことを目指すと述べました。
桜井氏は、補償の在り方の発表について、「補償の問題は患者サイドも言い出しづらく、または過剰に言ってしまうこともあるが、間に立って変えていこうと取り組んでくれたことが、まさにPatient Centricityである」と述べました。
辻氏は、「企業が患者さんの声を取り入れるアプローチは有効であり、是非会社全体でスタンダードなアプローチにしていって欲しい」と述べました。
Session3 CEOダイアログ(患者団体の皆様と当社CEOとの対話)
司会:特定非営利活動法人ASrid 理事長 西村由希子氏
登壇者:一般社団法人グループ・ネクサス・ジャパン 理事長 天野慎介氏
一般社団法人日本筋ジストロフィー協会 代表理事/特定非営利活動
法人ホップ障害者地域生活支援センター 代表理事 竹田保氏
代表取締役社長 最高経営責任者(CEO)奥田修
患者団体と中外製薬CEOとのダイアログは2020年から毎年実施しており、今年で5回目の開催になりました。CEOダイアログの目的は、①「患者中心」をコアバリューの一つに掲げる当社の活動を経営者の言葉で語り、患者団体のメンバーと相互理解を深めること、②患者団体との対話を通してお互いの課題を共有し、社会課題解決につながる活動に発展させていくことです。
今年は以下のテーマでダイアログを実施しました。
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創薬研究~市販後のすべてのプロセスに患者さんの声を反映
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社内外の情報連携(社内:各部門への横展開 社外:他社への波及効果)
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適切な情報へのアクセス
2020年から参加されている天野氏は、「毎年ダイアログで出てきた課題や意見に対して、1年間で取り組んだことを翌年に共有するサイクルを回していることが素晴らしい」とコメントされました。今年初めて参加された竹田氏からは、「(中外製薬に)期待できる。患者だけが感じる効果があり、そこに耳を傾けてほしい」とコメントされました。奥田は今後の展望に触れ、「1つは、患者さんを中心とした取り組みに対し、社内で部門を超えた横展開を進め、来年にどこまで進んだか確認したい。2つめはマルチステークホルダーを巻き込んで対話をして結果を出していきたい」と述べました。
司会の西村氏は、「個社や一つの患者団体だけでは変えられないことを、チームとしてCo-Creation(共創)していくことが重要である。また、本日の機会を通じ、中外製薬が最終的なカスタマーを尊重する姿勢が見えた」とまとめられました。
Closing
NPO法人パンキャンジャパン 理事長 眞島喜幸氏
眞島氏は、CEOダイアログを2020年から継続してきた中外製薬への評価や、今後の活動に向けた課題や期待をお話しされました。新薬開発のスピード感、患者中心の視点を深め、アンメットメディカルニーズを解決することにチャレンジしてほしい、と述べました。
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