生分解性と実用性を両立するPLA樹脂の開発
優れた生分解性でマイクロプラスチックの削減に貢献
帝人フロンティア株式会社(本社:大阪市北区、社長:平田 恭成)は、従来品より海洋・河川や土壌中での生分解速度が速く、生分解性と実用性を両立するPLA(ポリ乳酸)樹脂を開発しました。このPLA樹脂は、ポリマーに新たな生分解促進剤を添加することで、強度や成型性などの実用性を損なうことなく生分解速度を向上することが可能となりました。
帝人フロンティアは、環境戦略として「THINK ECO」を掲げ、幅広く環境配慮型の素材や製品を展開しています。このたび開発したPLA樹脂もこの戦略に沿ったものであり、今後も、より環境負荷低減に貢献するソリューションを提供していきます。
帝人フロンティアは、環境戦略として「THINK ECO」を掲げ、幅広く環境配慮型の素材や製品を展開しています。このたび開発したPLA樹脂もこの戦略に沿ったものであり、今後も、より環境負荷低減に貢献するソリューションを提供していきます。
1. 背 景
(1)PLA樹脂は、一般的に植物由来成分を原料にしていることや生分解性を持つことで、昨今の環境負荷低減ニーズに対応しており、また、生分解性素材の中でも高い融点と結晶性を有し、実用性を備えていることから幅広い製品に使用されています。
(2)しかしながら、高温多湿となるコンポスト環境下では生分解性能を発揮しますが、海洋・河川や土壌中においては生分解速度が非常に遅いため、マイクロプラスチックが長期間残留するという問題や、生分解性を向上させると強度が劣るなど実用性を損なうとの問題もありました。
(3)こうした中、それらの問題点を解決するため、帝人フロンティアはPLAポリマーに新たな生分解促進剤を添加することで、従来品と比較して海洋・河川や土壌中での生分解速度が速く、結晶性や成形性を損なうことがない、生分解性と実用性を両立するPLA樹脂を開発しました。
2. 開発品の特長
(1) 優れた生分解性と実用性
一般的にPLAポリマーは、加水分解により1万Mn(数平均分子量)(*1)未満になると、細菌や菌類に補食可能となり、二酸化炭素や水へ分解されます。今般の開発品は生分解促進剤を添加することで、無添加のPLAポリマーに比較して加水分解を促進させ、より速く分子量を小さくすることが可能となります。そのため、海洋・河川や土壌中においてもより速く生分解が促進されます。その一方、加工や保管時などにおいては一般的なPLAポリマーと同様に分子量の低下は小さいため、結晶性や成形性を損なわず実用性も実現します。(*1)Mn(数平均分子量):高分子鎖1本当たりの分子量の平均値
(2)様々な加工・成型に対応
通常のPLAポリマーと同様の加工や成型が可能なため、樹脂をはじめ、フイルムや射出・押出成形品および、テキスタイル・不織布などへの加工・成型が可能です。また、生分解促進剤の添加量や条件を調整することで分解期間のコントロール(*2)も可能となります。例えば農業や漁業に関する資材へ使用する場合は、その希望耐用年数に応じて、分解期間の設定が可能です。(*2)分解期間のコントロール:PLA繊維における社内試験では約6か月から約2年
(3)環境負荷低減素材
今般開発のPLA樹脂は、海洋・河川や土壌中においてもより速く生分解が促進されるため、マイクロプラスチックの削減に貢献します。また、植物由来成分を原料としており、商品のライフサイクルの期間内でのCO2の排出量の削減に貢献可能です。
3.今後の展開
(1)今後はペレットや射出・押出成形品、テキスタイルおよび不織布の加工品の生産・販売を開始します。
(2)2023年度内に素材の生産・販売を開始し、2026年度には、数億円規模の売上を目指します。
(1)PLA樹脂は、一般的に植物由来成分を原料にしていることや生分解性を持つことで、昨今の環境負荷低減ニーズに対応しており、また、生分解性素材の中でも高い融点と結晶性を有し、実用性を備えていることから幅広い製品に使用されています。
(2)しかしながら、高温多湿となるコンポスト環境下では生分解性能を発揮しますが、海洋・河川や土壌中においては生分解速度が非常に遅いため、マイクロプラスチックが長期間残留するという問題や、生分解性を向上させると強度が劣るなど実用性を損なうとの問題もありました。
(3)こうした中、それらの問題点を解決するため、帝人フロンティアはPLAポリマーに新たな生分解促進剤を添加することで、従来品と比較して海洋・河川や土壌中での生分解速度が速く、結晶性や成形性を損なうことがない、生分解性と実用性を両立するPLA樹脂を開発しました。
2. 開発品の特長
(1) 優れた生分解性と実用性
一般的にPLAポリマーは、加水分解により1万Mn(数平均分子量)(*1)未満になると、細菌や菌類に補食可能となり、二酸化炭素や水へ分解されます。今般の開発品は生分解促進剤を添加することで、無添加のPLAポリマーに比較して加水分解を促進させ、より速く分子量を小さくすることが可能となります。そのため、海洋・河川や土壌中においてもより速く生分解が促進されます。その一方、加工や保管時などにおいては一般的なPLAポリマーと同様に分子量の低下は小さいため、結晶性や成形性を損なわず実用性も実現します。(*1)Mn(数平均分子量):高分子鎖1本当たりの分子量の平均値
(2)様々な加工・成型に対応
通常のPLAポリマーと同様の加工や成型が可能なため、樹脂をはじめ、フイルムや射出・押出成形品および、テキスタイル・不織布などへの加工・成型が可能です。また、生分解促進剤の添加量や条件を調整することで分解期間のコントロール(*2)も可能となります。例えば農業や漁業に関する資材へ使用する場合は、その希望耐用年数に応じて、分解期間の設定が可能です。(*2)分解期間のコントロール:PLA繊維における社内試験では約6か月から約2年
(3)環境負荷低減素材
今般開発のPLA樹脂は、海洋・河川や土壌中においてもより速く生分解が促進されるため、マイクロプラスチックの削減に貢献します。また、植物由来成分を原料としており、商品のライフサイクルの期間内でのCO2の排出量の削減に貢献可能です。
3.今後の展開
(1)今後はペレットや射出・押出成形品、テキスタイルおよび不織布の加工品の生産・販売を開始します。
(2)2023年度内に素材の生産・販売を開始し、2026年度には、数億円規模の売上を目指します。
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