【京都府】ひとり親家庭の子育てに関する不安を解消するオンライン相談を実施しました。 —課題と今後の支援について—

株式会社みらぴか（大阪府大阪市北区西天満3丁目5番18号第三新興ビル704号）は、2024年6月から2025年2月の9ヶ月間、京都府のknocks! horikawaと協働し、ひとり親を対象とした無料オンライン相談及び保護者セミナーを実施しました。京都市ひとり親家庭に関する実態調査（令和元年6月）やひとり親家庭の保護者へのヒアリングによると、経済面や子どもの養育や教育に関する相談相手がいないという回答が６割にのぼります。今回の取り組みでは、ひとり親支援の窓口としてオンライン相談が有効な手段として考えられる一方で、PCやネット環境が整わず、相談をしたくてもできないという課題があることもわかりました。9ヶ月間の取り組みを通して見えたニーズと課題についてまとめています。

■オンライン相談実施の背景

＜背景＞厚生労働省が実施した「令和3年度 全国ひとり親世帯等調査」によると、母子父子世帯数は約135万世帯で、増加傾向にあります。子育てにおいて抱えている悩みは母子・父子家庭ともに「教育・進学」が最も多く、母子家庭では60.3%、父子家庭では57.5%。子どもの教育や進路に何かしらの悩みや不安を抱えているひとり親家庭は６割近くにのぼることが明らかになっています。

市・区役所や民生委員、各種支援団体などの相談窓口は多く設置されていますが、「存在を知らなかった」「参加する時間がない」などの理由で相談することができず、大半が自分で解決、もしくは両親や親戚などに相談しているというのが現状です。（令和元年京都市ひとり親家庭に関する実態調査、当事者ヒアリング）。

そこで、株式会社みらぴかでは、おとなと子どもの居場所づくりに取り組む「knocks! horikawa」と協働し、ひとり親の子育て負担の軽減に向け、時間や場所を問わずにいつでも相談できる、無料のオンライン相談窓口を設置しました。相談には、キャリアコンサルタントを中心とした進学や子育ての専門家が対応しています。

■オンライン相談で個別の悩みを解消、子どもの教育・進学に関する経済的な不安については奨学金セミナーを実施

本取り組みでは、以下の2つを柱に支援を展開しました。

 

1. オンライン相談

期間：2024年6月〜2025年2月

対象：京都府在住のひとり親家庭保護者

内容：子育て、生活、仕事など、日常の悩み全般について60分の無料オンライン相談

特徴：時間や場所を選ばず、仕事終わり、休日でも相談可能

利用料金：無料

 

2. ひとり親家庭向け奨学金セミナー

実施日：2024年10月

協力：京都市ひとり親家庭支援センターゆめあす

内容：子どもの進学に関する奨学金情報の提供

特徴：対面での情報提供・質問対応

■オンラインの利便性と相談による不安軽減の効果

今回、オンライン相談の実施件数は延べ22件、相談者数は13名。そのうち4名（約30％）が期間内に複数回リピート利用しています。利用後の満足度アンケートでは、回答した6名全員が「大変満足」（2名）または「満足」（4名）と回答。利用者の声からは、「支援情報の整理ができた」という内容面に加えて、「自宅で気軽に相談できる」「親身になって話を聞いてくれたので不安が軽くなった」など、オンラインの利便性と、心理的不安の軽減に役立ったことが感じられました。

■対面セミナーで相談予約が増加

当初、チラシでの告知だけでは相談予約が入りませんでした。2024年10月、京都市ひとり親家庭支援センターゆめあすの協力を得て実施した奨学金セミナーの実施後、セミナー参加者25名のうち、約半数である52.0%の13名がオンライン相談予約に結びつきました。アンケートでは、「話を聞いて詳細を知りたくなった」「オンライン相談の窓口があることを初めて知った」という回答が見られ、必要な支援情報が対象者に届いていないことが課題として上がりました。

また、「どんな人か分かったので相談しようと思った」と、直接話せたことで予約のハードルが下がったという意見もありました。このことから、対面によるセミナー実施は、事業周知と相談者が安心して利用できる環境作りに有効であると考えられます。

 

■電話や対面での相談希望が48.7％。相談したくても環境が整わない家庭も

奨学金セミナー参加者へ、子育て相談についてのアンケート調査を実施しました（回答者数23名）。「今後、オンラインでの個別相談の利用を希望されますか」という質問に対し、73.9%の参加者が「希望する」と回答しました。一方で、「ご都合の良い相談方法を教えてください（複数回答可）」という質問に対しては、①オンライン相談（26％）、②LINE（18％）③メール（8％）④電話（18％）⑤対面（31％）という結果になりました。

「電話」や「対面」といった、オンラインツールを使用しない相談方法の希望が合わせて49.0%と、回答数に対して約半数を占めており、その理由として、「Wi-Fi環境が家にない」「PCを持っていない」など、環境がネックとなっているという意見が上がりました。ネット環境以外の理由では「zoomの使い方がわからない」という声もあり、「相談はしたいがPCやネット環境が自宅に整っておらず利用が難しい」「オンラインツールに慣れていない」といった現状が浮き彫りになりました。

※原則として小数点以下第2位を四捨五入し表記しているため、合計が100%にならない場合があります。

 

■今後の支援に向けて —「知る・会う・相談する」の3ステップで支援体制を強化—

今回、ひとり親の子育て負担軽減に対するオンライン相談の有効性を示すには、相談実績が充分とは言えません。しかし、取り組みを通して、オンライン相談の利便性以前の、ネット環境の格差とそれによる情報格差という社会課題が見えてきました。また、支援情報の周知手段についても、対面セミナーから相談予約につながるケースが多かったことから、今後はセミナーなどで保護者との接点を増やし、「知る・会う・相談する」のステップでの支援モデルを構築します。同時に、必要な人へ必要な支援を届けるため、相談方法の多様化や地域の支援機関との連携を強化し、誰一人取り残されることのない支援を目指していきます。

 

■奨学金セミナー実施のご案内

2025年4月12日（土）「ひとり親家庭向け奨学金セミナー」（無料）を京都市ひとり親家庭支援センターゆめあすで実施します。ご興味のある方は下記URLよりお申し込みください。

https://yumeasu.com/2025041210344/　※ゆめあすHP内のイベントページへリンクします

 

「みらぴか」について

「みらぴか」は進路選択に特化した親子向けオンライン面談サービスです。ひとりで悩む保護者をなくしたいという思いから誕生しました。進路の多様化により複雑になる子育ての悩みを、いつでもどこでもオンラインで相談していただけます。キャリア支援の専門家が、子どもひとりひとりの価値観に沿ったアドバイスと情報で解消します。

「保護者向けオンライン相談」のご依頼について

株式会社みらぴかでは、保護者向けオンライン相談を、地域や学校と連携して実施しています。学校における働き方改革の一環として、教員と保護者の双方の負担を減らしていくための取り組みです。セミナー実施と組み合わせるなど、状況に応じた柔軟な対応が可能です。ご興味がありましたら、お気軽にお問い合わせください。

＜会社概要＞

団体名：株式会社みらぴか

所在地：大阪府大阪市北区西天満3丁目5番18号第三新興ビル704号

代表取締役：松⽥ 剛典

創業：2023 年 5 ⽉ 10 ⽇

WEB サイト：https://mirapika.jp

 

＜問い合わせ先＞

株式会社みらぴか　担当　野村

問い合わせ先：https://mirapika.jp/contact

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