伝承館『直会naorai』は、美術家・山倉研志氏による呼継ぎ作品展示会『絵画と呼継ぎの間』を開催いたします。
日本で唯一、呼継ぎ教室を開催する山倉研志(Kenshi Yamakura)が「アトリエ黒ボックス」で制作された呼継ぎ作品を今回初めて展示いたします。
「呼継ぎ(ヨビツギ)」は、欠けたり割れたりした器の陶片を集め、足らないところを補い ながら 新たな「呼継ぎ」と呼ばれる器を創り出す技法です。
山倉研志氏は、漆を用いた金継ぎ技術を駆使し、独自の世界を築いてきました。その作品は、 漆の力強い接着性が描く緻密な美しさと、縄文時代から続く伝統が感じられます。 捨てられた陶片を集め、時間と手間をかけて全く新しい器を作り出す過程は、まさに創造の 原点が感じられるものです。 日本人が生んだ呼継ぎ文化からは、創造の原点や共同作業の楽しさ、理想的な付き合いが見 えてきます。直会は、呼継ぎから学ぶ日本古来の精神性と伝統文化を、現在そしてこれから に繋いで行く思いで、この度の展示会を企画いたしました。 山倉研志氏の感性と熱意が詰まった呼継ぎ作品を通して、多くの方々に、新たな発見や感動 をお届け出来ますことを願っております。
また、7 月 27 日(土)14:00~15:30 には、美術家・山倉研志氏によるトークショーが行われます。山倉氏の、呼継ぎに込めた思いを直接伺うことの出来る貴重な機会です。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。
〇 名称:伝承館『直会 naorai』presents 『山倉研志 絵画と呼継ぎの 間 あいだ 』
〇 主催:伝承館『直会 naorai』
〇 後援:株式会社ポロロッカ
〇 協力:アトリエ黒ボックス
〇 会期:2024 年 7 月 13 日(土)~8 月 28 日(水)
〇 開催時間:11:00~20:00(全期間)
〇 山倉研志トークショー:7 月 27 日(土)14:00~15:30
〇 会場:直会(naorai)KITTE 丸の内店 東京都千代田区丸の内 2-7-2 KITTE 丸の内 2階
<資料>
■伝承館『直会naorai』
日本人が古より長きに渡って育て 継承してきた伝統工芸産業は、近年、伝統工芸士の高齢化や後継者不足、生産額の減少などにより縮小の傾向にあります。
このような状況が今後も続けば、日本人が築き上げてきた独自の文化や技術が衰退の道を辿ってしまうかも知れません。
私たち(株)ポロロッカは、時代の流れに埋没したり、取り残されようとしている日本独自の文化や技術などに敢えて光を当てて、脈々と受け継がれてきた「和の趣き」や、作り手や担い手の思いを、現在そしてこれからに繋いで行きたく伝承館『直会 naorai』を立ち上げました。
■山倉研志 絵画と呼継ぎの間
絵画は器のように、器は絵画のように。
器は道具でありノンフィクションの存在ですが、絵画は純粋にフィクションの存在です。
フィクションはとても不安定なので、拠り所を求めて形式やイメージに頼ったり、作家の感情やイデオロギーに流されたりして、結果つまらない絵画になってしまいます。
一方ノンフィクションは、確固たる存在が設立しているので逆にフィクションの夢を見たがります。器は祝詞(のりと)を入れる“サイ“に憧れたり、神器と呼ばれたいと願ったりします。呼継ぎの器を作るのに惜しみ無く手間と時間を費やすのは、単なる道具から特別な何かに生まれ変わりたいと器が願っているからです。絵画も呼継ぎ同様に何度も塗りと研ぎを繰り返すのは、見られるより体感する存在になりたいと絵画が望んでいるからでしょう。
絵画と呼継ぎの間には、何か創造の秘密があるように感じています。
今回初めて絵画と呼継ぎの器を並べて展示します。
是非ご覧ください。
山倉研志 Kenshi Yamakura
■山倉研志 Kenshi Yamakura 略歴
1956 千葉県生まれ
1981 ハッピーアート展(村松画廊、銀座)
1982 かたちへ・かたちから展(村松画廊)※パフォーマンス
自在と自制の空間展(代々木アートギャラリー、東京)
1983 個展(コバヤシ画廊、銀座)※パフォーマンス
臨界芸術・83年の位相展(村松画廊)※以後1985年
1984 第20回今日の作家展(横浜市民ギャラリー、横浜)
1985 個展(村松画廊)※以後個展多数
1986 五つの表現展(村松画廊)
TAMA VIVANT86「溶けはじめた、索引」(多摩美術大学、渋谷西武シードホール)
現代日本の美術3「新世代の作家たち」(宮城県立美術館、仙台)
1989 幻の山村コレクション展(兵庫県立近代美術館、神戸)
1990 ミュージアムシティ天神(福岡、天神地区)※パフォーマンス
1992 個展(ギャラリー手、銀座)※以後個展多数
1993 個展(ギャラリー天竺、豊島)※以後個展多数
1994 様々な平面3(かねこ・あーとギャラリー、京橋)
1995 島久幸・沼尻昭子・山倉研志3人展(我孫子市民プラザギャラリー、千葉)
1996 サバイバルツール(佐倉市立美術館、佐倉)
戦後美術の断面(千葉市美術館、千葉)
1997 Chiba Art Flash97「動き出す断層」展(千葉市民ギャラリー、稲毛)
1997現代美術「分離したリアリティ」展(我孫子市民プラザギャラリー)
2001 あるコレクターがみた戦後日本美術(群馬県立近代美術館、高崎)
Chiba Art Now'01 絵画の領域(佐倉市立美術館)
2003 個展(ギャラリー覚、銀座)※以後2006年
TUKUBA現代美術の磁場2003展(茨城県つくば市美術館、つくば)
2010 山倉克己・山倉研志二人展(松山庭園美術館、匝瑳)
2018 ニュー・ウエイブ 現代美術の80年代(国立国際美術館、大阪)
2019 山村コレクション展(兵庫県立美術館)
<パブリックコレクション>世田谷美術館 兵庫県立美術館・山村コレクション 群馬県立美術館・各務コレクション
■呼継ぎの世界
絵画と呼継ぎは似ています。
「漆」は自然界最強の接着剤で、古くは縄文時代から土器の接着などに使われ江戸時代には茶の湯に「金継ぎ」は欠かせないものとなりました。そして現代、日本独特の金継ぎはオックスフォード英語辞典に収録される程グローバルになっています。
江戸時代に金継ぎ文化が成熟すると、奇異な「呼継ぎ」と呼ばれる器を作る人々が美濃地方(岐阜)に現れます。誰も見向きもしない捨てられた陶片を何百何千と集めて来て、反りや色の合う陶片を一つ一つ選び出し、1年、2年、3年と途方も無い時間と手間をかけて全く新しい器を作り出します。
その美しい器は、商売としてでは無く「お互いに離れがたいもの同士が呼び合う」「一度くっついたら離れない」と嫁入り道具に欠かせない縁起物として大切に使われたそうです。
しかし産業革命から昭和の大量生産大量消費時代になると「呼継ぎ」は姿を消しました。
白洲正子のエッセイ「地位も職業も教養も、それぞれ異なる人々が、どこからとなく呼び合うように集まって、足らぬところを補いながら一つのものを造り上げて行く。これほどの理想があるだろうか」と呼継ぎの精神性を記した一文に私は釘付けになり、創造の原点がそこにあるのではと独学で呼継ぎの器を創りはじめました。
「人はなぜ絵を描くのだろう」は絵を描く人の永遠のテーマです。
巷には商業主義にどっぷり浸かったイメージの絵画が溢れて、コスパを美徳と叫ぶ人々。私はその対極に手間と時間がかかるけれども、忘れられた大事な何かがあるのではと考えながら制作しています。
はじめて絵画と呼継ぎのコラボ展示をします。是非ご高覧ください。
山倉研志(Kenshi Yamakura)
店舗名 |
直会(naorai) |
取扱商品アイテム |
伝統工芸品、生活雑貨、衣料品など |
所在地 |
本店: 東京都文京区本駒込6-15-9六義園マンション1階 KITTE丸の内店:東京都千代田区丸の内2-7-2 KITTE丸の内 2階 |
営業時間 |
11:00〜20:00 |
URL |
《SNS》
・Instagram:https://www.instagram.com/naorai_1_3_0/ (@naorai_1_3_0 )
商号 : 株式会社ポロロッカ
代表者 : 代表取締役 篠田 修史
所在地 : 〒113-0021東京都文京区本駒込6-15-9六義園マンション1階
設立 : 2022年12月
事業内容 : 日本創生事業
URL : https://pororoca.co.jp
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