ゲーム機からスマホゲームへ、最新調査で見えたゲーム習慣の過去と現在

1000人を対象としたアンケートにより、時代とともに移り変わるゲームのトレンドや習慣について調査しました。

Seeders Holding B.V.

ゲーム情報サイト「4Gamer.net」の読者層に合わせて日本の30~59歳の1,000人(男性800人、女性200人)を対象に行われた最近の調査では、日本のゲーム文化における世代間の嗜好の変化が浮き彫りになっています。多くの回答者が20代の頃に経験した家庭用ゲーム機中心の時代から、現在のモバイルゲームやカジュアルゲームの時代に移行するなかで、年齢やライフスタイル、テクノロジーの進化がゲームの習慣や好まれるジャンル、プラットフォームに著しい影響を与えていることがわかりました。

ゲームのトレンドに関して特に気になる調査結果は以下の通りです。

  • ゲーム歴が20年以上のベテランプレイヤーは今もゲームを続けているが、多くのプレイヤー(特に女性)は若い頃に比べてゲームから離れている。

  • ゲーム歴のある人のうち、男性は20代の頃、主にロールプレイングゲーム(RPG)やスポーツ・レースゲームを好んでいた(それぞれ21%、12.5%)が、現在は約50%が深い没入感を求めてRPGを好むようになっている。一方、女性は20代の頃には特定のジャンルへの関心が比較的薄く(26%)、現在ではパズルやカジュアルゲームを好む傾向が強まっている(53%)。

  • 20代には家庭用ゲーム機の利用が主流だったが、現在ではモバイルゲームが主流となり、20代の頃に比べて現在はゲーム自体をしない層も多い。

  • 全体的に週あたりのゲームプレイ時間が減り、20代の頃と比べて短くリラックスしたスタイルへと変化している。

  • 男性は主に懐かしさを楽しむためにゲームをプレイしている一方、女性はストレス解消の手段としてゲームを活用し、競争から余暇的な楽しみ方へと傾向が変わっている。

サブトピックとしてオンラインカジノゲーム経験者94人(男性82人、女性12人)を対象に行われた追加調査では、リアルマネーゲームよりも無料ゲームが好まれる傾向が見られ、またライブディーラーゲームやパチスロにも一定の人気があることがわかりました。また、女性には日本的なテーマのゲームを好む傾向が見られました。多くが30~40代でスリルを求めてこの種のゲームを始め、28%は20代に比べてプレイ時間が増加したと答え、33%がプレイするのをやめたと答えています。

これらのデータは全体的に、日本のゲーム文化が多様でカジュアルなスタイルへと変化していることを示しています。本調査結果は、ゲーマーや業界関係者にとっても、日本のプレイヤー層の動向を理解する手がかりとなるでしょう。

調査方法

日本における成人のゲーム習慣の変化を調査するために、2025年3月にオンラインアンケートツール「Freeasy」を利用して全国規模の2つの調査が実施しました。1つ目の調査では、30~59歳の成人1,000名(男性800名、女性200名)からゲーム習慣や好み、その変化に関するデータを収集しました。この調査は、日本の代表的なゲーム情報サイトである「4Gamer.net」の読者層を参考に設定され、特に日本の一般的なゲーマー人口の統計を反映させるために、男性の人数を意図的に多くしています。2つ目のフォローアップ調査では、一次調査でオンラインカジノゲームの経験があると回答した94名(男性82名、女性12名)を対象に、具体的なゲームジャンルや好み、利用パターンについてさらに詳しく調べました。これらの調査を合わせることで、全体のトレンドとニッチなゲームジャンルの両面に焦点を当て、日本におけるゲーム習慣の長期的な変化を多方面から検証しています。


調査結果

【スクリーニング調査】有効回答者数:1000名

あなたのゲーム歴はどれくらいですか?あなたの状況に一番近いものを選んでください。

回答者の多くは20年以上ゲームをしているか、一度もしたことがないかのどちらかに分かれており、それ以外の経験年数のある人はかなり少数です。20年以上の経験がある人は全体の約3分の1を占め、未経験者は約4分の1を占めています。

性別で見ると、20年以上のゲーム歴がある人が男性の約38%なのに対し、女性では約21%と少なく、長期のプレイ歴に男女差が見られます。反対に、「ゲームをしたことがない」と答えた女性は約42%で、男性(約24%)よりもかなり多く、ゲーム経験の有無に大きな差があります。それ以外の経験年数では、男女の割合に大きな違いは見られませんでした。

現在、あなたのお気に入りのゲームジャンルは何ですか?当てはまるものを全て選んでください。

最も人気があるのはロールプレイングゲームで、パズル/カジュアルゲームも多くの支持を集めています。また、アクション/アドベンチャーやシミュレーション/ストラテジーゲームにも一定の関心が寄せられています。スポーツ/レーシングや格闘ゲームを好む人もいますが、お気に入りのジャンルが「特にない」とする回答も一定数見られました。全体として、多くの人が複数のジャンルを好む傾向にあり、ゲームの好みに幅広い多様性があることがわかります。

性別ごとの傾向を見ると、男性はロールプレイングゲーム(約50%)やスポーツ/レーシング(約23%)を好む割合が高く、女性はそれぞれ約37%と約4%にとどまっています。反対に、女性はパズル/カジュアルゲームを強く支持しており(約53%)、それに対し、男性は約24%と差が見られます。

現在、ゲームに最もよく使うプラットフォームはどれですか?

回答者の約34%は現在ゲームをしておらず、一方で、ゲームをしている人の間では、モバイル端末(26%)とNintendo Switch(17%)が最もよく使われています。それに対して、PlayStation 5、PlayStation 4、ゲーミングPCなど、その他のプラットフォームの利用率はあまり高くありませんでした。

1週間にどのくらいの時間をゲームに費やしていますか?

回答者の大半(約71%)においては、1週間のゲーム時間が10時間未満にとどまっているようです。ゲーム時間が長くなるほど人数は少なくなり、特に20時間以上プレイする人は回答者の約9〜10%に過ぎません。

性別ごとに見ると、女性では1週間のゲーム時間が2時間未満の人が男性より多く(女性約42%、男性約30%)、逆に男性では20時間以上の人が女性より多い傾向が見られます(男性約10%、女性約6%)。これらの差は中間の時間帯(2時間以上15時間未満)ではほとんど見られず、ゲーム時間が少ない層と極端に多い層で男女差が顕著です。全体として、男性はより長い持間をゲームに費やし、女性のゲーム時間はそれに比べて短い傾向が見られます。

20代の頃と比べて、あなたのゲーム習慣はどのように変わりましたか?当てはまるものを全て選んでください。

20代の頃と比べて「プレイ時間が減った」と回答した人が約半数を占めており、一方で「特に変わっていない」という人は約30%、「プレイ時間が増えた」人は約7.7%でした。また、より競争を意識するようになった人はごく少数でした。全体的に見ると、多くの人はゲーム時間を減らしていることが分かります。

性別ごとに見ると、女性のほうがプレイ時間の減少を感じる割合が低く(女性約37%、男性約50%)、逆にゲーム時間が増えたと感じる割合は女性が約11%、男性が約7%で女性のほうがやや高くなっています。また、ゲーム習慣が特に変わっていないと回答した割合も女性のほうが高く(女性約40%、男性約28%)、また、男性の方が明らかに多く「わからない」と答えています(女性約2.5%、男性約9%)。

【フォローアップ調査】有効回答者数:94名

オンラインカジノゲームとの付き合い方は、時間とともにどのように変化しましたか?あなたの状況に一番近いものを選んでください。

回答結果によると、オンラインカジノゲームへの関わり方は時間とともに様々な方向に変化しています。以前より頻繁にプレイするようになった人が約28%いる一方で、プレイ頻度を減らした人が約23%、完全にやめた人が約33%います。また、ほとんど変化がなかった人は約16%です。これらの結果から、利用パターンは多様化しており、特に一定数がオンラインカジノゲームから離れていることがわかります。

オンラインカジノゲームを始めたのは何歳くらいのときですか?

データによると、オンラインカジノゲームを始める年齢は45〜49歳が最も多く、次いで30代後半も多いことがわかりました。一方で、25歳未満で始めた人は非常に少ないようです。全体的に見ると、オンラインカジノゲームを始める年齢は幅広く分かれていますが、特に30〜49歳の年齢層が中心になっています。このトピックの最新情報は、オンラインカジノの業界通のSNSアカウントなどで見ることができます。

まとめ

日本におけるゲーム習慣は、30~59歳の成人1,000名を対象とした調査およびオンラインカジノ経験者94名への追加調査からも明らかなように、大きく変化してきてきました。かつて20代の頃、ゲーマーたちはPlayStationなどの家庭用ゲーム機(38%)を中心に長時間ゲームを楽しんでおり、若者特有の熱狂的なプレイスタイルが主流だったようです。しかし現在では、スマホなどのモバイルプラットフォーム(26%)が主流となり、短時間のカジュアルなゲームが好まれ、さらに20代の時にゲームをしていた人のうち34%は、現在ゲームから完全に離れています。この変化には、年齢や多忙なライフスタイル、スマホの普及が影響していると考えられます。

20代の頃にはロールプレイングゲームとスポーツ・レースゲームに人気が二分されていた男性ゲーマーにおいては、現在はストーリー性の強いRPG(50%)を好む傾向が見られ、これは懐かしさ(19%)を動機とするゲーム嗜好の成熟を示していると考えられます。一方、若い頃は特定ジャンルへの関心が薄かった女性(26%)は、現在ではパズルやカジュアルゲーム(53%)を強く好むようになり、競争よりもストレス解消(64%)を求めているようです。週あたりのゲーム時間は10時間未満へと減り、動機としては20代の頃の競争心からリラクゼーション(57%)へと変化が見られます。これは、20代の頃に趣味として打ち込んでいた熱狂的な娯楽から、生活スタイルに合わせてより気軽で身近にできる娯楽へと、ゲームとの付き合い方が変化していることを示しています。

オンラインカジノゲーム経験者においても同様の傾向が見られますが、独自の傾向も見られました。また、多くの回答者は30〜40代でこの種のゲームを始めています。ゲーム開発者においては、男性向けには懐かしさを感じさせるRPGを、女性向けにはストレス解消を目的としたカジュアルゲームを提供することが、変化し続ける日本のゲーム文化を支えるためのヒントとなるでしょう。


引用・転載に関するお願い

調査結果や画像を引用・転載する場合は、以下の点を厳守いただくようお願いいたします。


1枚目の画像: Imani Williams: https://www.pexels.com/photo/tokyo-leisure-land-arcade-salon-5905578/

2枚目の画像: JESHOOTS.com: https://www.pexels.com/photo/two-people-holding-black-gaming-consoles-442576/

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会社概要

URL
https://seeders.agency
業種
サービス業
本社所在地
Dokter Van Deenweg 122, 8025 BN Zwolle, the Netherlands
電話番号
-
代表者名
Dennis Akkerman
上場
未上場
資本金
-
設立
2019年04月