伊勢志摩の高付加価値なインバウンド誘客と、持続的な観光地づくりをめざす「iseshima connect プロジェクト」を発足

伊勢神宮、真珠、海女などシンボルとなる観光体験の開発や地域プレイヤーの育成を狙う

公益社団法人伊勢志摩観光コンベンション機構(以下、本機構)は、令和7年度伊勢志摩及び周辺地域における高付加価値旅行者向け事業として「iseshima connect プロジェクト」を立ち上げました。

本事業は伊勢志摩のインバウンド事業を推進することを目的とし、新しい観光プラン・体験コンテンツの開発や地域連携・人材交流の推進、国内外に向けた情報発信の強化などを行ってまいります。今回、プロジェクトの発足に伴い、新たにキービジュアルの公開とステートメント、プロジェクトのプログラム概要・詳細を発表します。

・公式HP: https://traveliseshima.com

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◾️プロジェクト発足の目的と背景

本プロジェクトでは、伊勢志摩の歴史・自然・文化・人々の営みを一貫したストーリーとして再編集し、旅行者がより深く地域の価値を体験できる仕組みを整備します。

全国各地で観光促進のプロジェクトが推進されている中、本プロジェクトは地域住民や自治体、地元企業と連携し、単なる観光振興にとどまらず積極的に異業種も交えることで、これまでの観光地づくりとは異なるアプローチを図ります。宿泊、飲食、交通といった観光消費の拡大だけでなく、地域事業者の新しい連携や雇用の創出につながり、持続可能な観光地づくりのモデルとなることを目指しています。

特徴的な取り組みとして、観光を軸に、漁業者・加工業者・土産店の連携による地域経済循環の実証や、宿泊施設の経営力強化支援、異業種との協働を促す「脳動ゼミ」の開催、高付加価値ガイドの育成などを通じて、地域の魅力向上と雇用創出を図ります。これら施策のように、観光を軸にしながらも「地域経済」「人材育成」「事業者連携」を包括的に支える取り組み群として機能しており、今後の地域観光経営の新たなモデルケースとなることが期待されます。

伊勢志摩の観光業の現状としても、漁業で有名な伊勢志摩ですが、伊勢海老も2010年後半を境目に漁獲量が激減、黒潮大蛇行の影響でアワビ・サザエの漁獲量も近年減少傾向にあります。シンボルである海女さんも資源の減少や高齢化による影響で2023年には514人と、50年間で約8分の1になっています。変わりゆく自然環境と人の営みの中で、伊勢志摩ならではの文化や自然を残し、伝えていくことが今求められています。

出典:令和6年度資源評価調査報告書(拡大種)(国立研究開発法人水産研究・教育機構)

一般財団法人食品分析開発センターSUNATEC

出典:(2023年5月発行)三重県志摩半島の沿岸で起こっている環境変動と海洋生物への影響

日本経済新聞、三重・志摩の海女514人 50年間で8分の1に

また、伊勢志摩に訪れたインバウンド観光客に向けたアンケートによると、伊勢志摩地域についてよく知らないと回答した人は全体の64%と、改めて国内外に向けた発信の必要性を感じます。一方で、再訪問意向は、85%が「大変満足」と回答し、理由としては「伝統的な街並み」、「自然がきれいで、静か」、「混んでいない」、「美しい景色」「ゆっくり過ごせる」等でした。

神宮についてのアンケートでは、約78%が神宮への理解度が十分でないと回答、約67%が事前知識がないと回答があり、ポテンシャルはあるものの旅行前の情報が十分に行き届いていないことがわかります。

出典:日本旅行全般及び伊勢志摩地域に関するヒアリング調査結果

調査場所:伊勢市(勢乃國屋)、鳥羽市(はちまんかまど)、志摩市(さとうみ庵)

調査期間:伊勢市(2025.8.23(土)~25(月))、鳥羽市(8.18(月)、8.22(金)、8.29(金))、志摩市(8.17(日)、8.19(火)、8.30(土))

調査対象:伊勢志摩地域を訪問した外国人観光客41組96人

出典:神宮に関するヒアリング調査結果

調査場所:伊勢市(勢乃國屋)

調査期間:2025.8.23(土)~25(月)

調査対象:内宮を訪問した外国人観光客18組35人

◾️プロジェクトの概要

今回、プロジェクト発足にあたり新たにキービジュアルとタグラインを公開しました。


<タグライン>

ISESHIMA

A place of natural beauty,

ancient rituals and timeless cycles

forever renewing.

<キービジュアル>

キービジュアルとタグライン

本プロジェクトでは、主に以下の取り組みを中心にインバウンド事業を推進してまいります。

1 伊勢志摩の物語をめぐる旅コンテンツの構築

伊勢神宮をはじめ、海と山に抱かれた美しい自然や地域の暮らしを「ひとつの物語」として体験できる旅コンテンツを新たに開発。伊勢志摩ならではの「神宮信仰・真珠・海女・伝統産業」などの文化を活かして、伊勢志摩の魅力を発信。さらに、より魅力が伝わるよう、既存プランを刷新しブランドブックを制作。

2 地域と連携した2次交通と宿泊施設の滞在価値の向上をめざした取り組み

より円滑な移動ができるよう、地元タクシー会社3社を中心にサービス改善を行い、他社も巻き込み運用スキームを構築。宿泊施設も地域における現状の実態調査と合わせて、宿泊施設を対象に滞在価値の向上を目指したコンサルティングや経営層へのコーチングを実施。

3 欧米国を中心とした海外への発信強化

アメリカ、イギリス、フランス、オーストラリア、シンガポールを中心に海外に向けた発信を強化。一部地域では、イベント出展やファムトリップを開催。第一弾として、米国サンディエゴ「Japanese Friendship Garden」にて一般向けのイベント展示とワークショップを開催。また翌日には「Univercity Club San Diego」にて経営者や政治家などを対象にしたイベントを開催。

4 地域づくりを担うプレイヤーの発掘とネットワークの創出

地域内外の観光業だけでなく、真珠などの水産漁業者や伝統文化の語り手となる職人など、さまざまなバックグラウンドを持った方々との繋がりを強め、地域と密に連携した環境づくりを目指しています。そこで、異業種から観光業に携われるプレイヤーの発掘を目的として、県内外の方々を対象に、伊勢志摩の地域や観光の課題をテーマにした共創型ワークショップ「脳動ゼミナール」を開催。

◾️具体的なプログラム展開(一部抜粋)

・海外への発信強化:米国サンディエゴ「Japanese Friendship Garden」に出展

2025年10月8日に伊勢志摩地域の伝統・文化・クラフトの魅力をサンディエゴの地域住民や日米交流に関心のある人々へ発信することを目的として開催される、「Japanese Friendship Garden」に出展いたしました。当日は、現役海女で「海女小屋体験施設さとうみ庵」でも活動し、かつてサンディエゴの水族館で海女ショーへの出演経験を持つ林喜美代さんが真珠や海女文化の歴史・実体験を語るトークイベントや、三重の伝統工芸品「伊賀組紐」を使った真珠アクセサリー作りのワークショップを開催しました。

翌日の10月9日には伊勢志摩地域の食文化や地域の魅力をサンディエゴの政財界人に発信し、伊勢志摩への旅行のきっかけを作ることを目的にイベントを開催いたしました。イベントには会場となったUnivercity Club San Diegoのダン・ホム名誉会長や在サンディエゴ日本国名誉領事のケイト・レナード氏、チュラビスタ市のジョン・マッキャン市長ら政財界から約40名が参加しました。当日は、現役海女の林喜美代さんと志摩観光ホテル総料理長の樋口宏江さんによる伊勢志摩の食を切り口にしたディナートークを実施しました。このイベントを機会に10月27日・28日にダン・ホム名誉会長が伊勢志摩を訪問され、2026年1月上旬にはUnivercity Club San Diegoの会員活動の中でも旅行をテーマにしたクラブ活動の一環として、伊勢志摩を紹介するイベントを開催予定です。

・体験コンテンツの開発:伊勢志摩のシンボルとなる観光プラン設計に向けた取り組み

神道文化体験(しめ縄づくり)

「神宮信仰・真珠・海女・伝統産業」など、伊勢志摩ならではの価値を体験コンテンツに昇華し、海外市場に向けた調査・実証・商材化・販売までの観光プランを設計します。具体的には、神棚づくりのような伊勢信仰や伝統文化を伝えるワークショップや伊勢の伝統産業である擬革紙アート体験、真珠や海女文化をテーマにしたコンテンツを開発予定です。提供は1月下旬をめざし、各地域の事業者との連携を進めてまいります。

・地域プレイヤーの育成・発掘:「脳動ゼミナール」プロジェクトの開催

脳動ゼミナール(昨年度の様子)

地元事業者とともに主体的に動ける地域プレイヤーやコーディネーター人材の発掘・育成を目指して、地域の事業者と共に伊勢志摩の価値を体感的に学び、問い、動き出す実践型プログラムを開催。伊勢志摩エリアと名古屋エリアを対象に、伊勢志摩の課題や資源を起点に共創型ワークショップをリアル・オンラインにて定期的に開催することで、観光地づくりの機運醸成や地域内外との関係人口創出を目指します。

※「脳動ゼミナール」とは:

三重県や地域プロジェクトに興味・関心がある方を対象に、実際に地域ビジネスやコミュニティ活性化等に関わる仕掛人たちから学び、気づきを得ることにより、新たなプロジェクトの創出につなげていくことを目的とした講座。2024年に三重県の首都圏営業拠点「三重テラス」で開催し、延べ300名超が参加。

<公益社団法人 伊勢志摩観光コンベンション機構 専務理事 須﨑 充博>

専務理事 須崎 充博

この戦略の基本にあるのは、「ターゲットの明確化と絞り込み」です。私たちは、単に観光客数を追うのではなく、地域経済への高い波及効果をもたらす、欧米やアジア圏の富裕層、そして知的好奇心を持つ国内富裕層を主たるターゲットと定めます。まずは国内富裕層の皆様にお越しいただき、その高い満足度とネットワークを通じて、海外富裕層への波及を図ってまいります。

伊勢志摩には、「神宮(信仰)」、「食(御食国)」、「伊勢志摩国立公園(自然の循環)」、そして「海女文化」という、他に類を見ない核となる魅力があります。この豊かな魅力を、富裕層の皆様の視点から再構築し、ハイエンドな宿泊施設を起点とした、質の高い周遊・滞在コンテンツとして提供してまいります。 特に、知的好奇心を持つ旅行者を誘致することは、地域文化への深い理解を促し、結果としてオーバーツーリズムを防ぎ、持続可能な観光を実現する鍵となります。そのため、富裕層の皆様が求める質の高い情報提供ができる人材の育成にも、力を注いでまいります。

私たちの目指すところは、観光産業だけに留まりません。観光消費を、しっかりと地元の食、工芸品、その他の産業へ広く波及させることで、地域経済全体の持続的な好循環を確立いたします。 この戦略を通じ、伊勢志摩が世界中の方々の「憧れの地」となり、世界に誇れる観光地としての地位を確立すること。そして、それが地域経済の活性化と持続可能な発展へと繋がることが、私たち機構の最大の使命であると認識しております。 関係各位の皆様のご理解とご協力を賜りながら、この壮大な目標の実現に向けて邁進していく所存です。

公益社団法人 伊勢志摩観光コンベンション機構

公益社団法人伊勢志摩観光コンベンション機構は行政区域の枠を超えた伊勢志摩広域で、かつ官民が一体となってさまざまな観光振興事業を展開することで、地域経済の活性化及び文化の向上に寄与することを目的としています。

・観光情報の発信事業
・観光客及びコンベンションの誘致促進及び受入体制の整備に関する事業
・インバウンド推進事業、伊勢志摩情報発信プロモーション事業、MICE誘致事業、誘客促進事業
・観光情報の調査研究及び観光客の満足度の向上に関する事業
・観光産業及び観光文化の振興と人材の育成に関する事業
・伊勢志摩フィルムコミッション事業
・伊勢志摩学生団体誘致委員会

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会社概要

URL
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業種
財団法人・社団法人・宗教法人
本社所在地
三重県伊勢市二見町茶屋111−1 伊勢市二見生涯学習センター
電話番号
-
代表者名
橋爪政吉
上場
未上場
資本金
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設立
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