国連機関であるUN Women が女性主導団体・女性の権利団体を対象に世界規模で実施した調査結果をまとめた報告書
『限界点: 世界の人道危機における女性団体への海外援助削減の影響』を発表

国連ウィメン日本協会(本部:神奈川県横浜市、理事長:橋本ヒロ子)では、UN Womenがこのほど発表した、44の危機的状況下で活動する411の女性主導団体・女性の権利団体を対象に実施した世界規模の調査の結果をまとめた報告書『限界点: 世界の人道危機における女性団体への海外援助削減の影響』により、調査対象団体の 90%が資金削減の打撃を受けていることを明らかにしました。
今回の調査によると、世界的な援助削減により、危機に瀕した女性を支援する女性団体の半数が半年以内に閉鎖される可能性があることがわかりました。UN Womenは、報告書の中で、調査対象となった女性団体の90%が限界に追い込まれていることを明らかにし、警鐘を鳴らしています。
世界73カ国で3億800万人が人道支援を必要としています。この数字は、紛争の激化、気候変動、食料不安、疾病の流行によって増加の一途をたどっています。人道支援に対するニーズが高まっているにもかかわらず、支援システムは深刻な財政危機に直面しており、資金削減によって、女性と少女にとって不可欠な命を救う支援サービスが脅かされています。
UN Women人道支援活動チーフのソフィア・カルトープの発言 :
「状況は危機的です。女性と少女にとって、女性団体が提供しているライフラインはなくてはならないものです。女性団体は、彼女たちが果たしている、必要不可欠な支援提供者・擁護者・監視者としての役割にもかかわらず、最近の削減の波の前から既に深刻な資金不足に陥っています。女性団体を支援し、資金を供給することは、平等と権利の問題であるだけでなく、戦略的な必須事項でもあるのです」
資金の大幅な削減は、多くの団体を限界に追い込んでおり、現在の資金提供レベルが続けば、ほぼ半数(47%)が半年以内に活動を停止すると予想されています。驚くべきことに51%の団体がすでに支援プログラムの休止を余儀なくされています。そうしたプログラムには、ジェンダーに基づく暴力の被害者を支援するプログラムや、保護、生計、多目的現金支給、医療への重要なアクセスを提供するプログラムが含まれています。また、ほぼ4分の3(72%)の団体がスタッフの解雇を余儀なくされたと報告しています。
増大する困難の中にあっても、女性団体は揺らぐことなく、勇気をもって先頭に立ち、地域社会を擁護し、強じん性と決意をもって生活の再建を行っています。世界で最も困難な危機に瀕している女性、少女、そしてそのコミュニティに変化をもたらし、希望を与え、重要な支援を提供しているこうした団体は、私たちの集団的な人道的対応の礎となっています。UN Womenは、世界中の女性団体とともに立ち上がり、持続的な資金提供を求める彼女たちの緊急の呼びかけに賛同します。
<国連ウィメン日本協会とは>
特定非営利活動法人国連ウィメン日本協会は、国連で唯一の女性と少女のための機関UN Women(国連女性機関)の日本国内委員会で、世界中の女性と少女がエンパワーし、いきいきと生活できることを目指して活動をしています。UN Womenは、2010年に、世界の女性達の要望と働きかけにより、国連改革の一環として、それまでの4つの女性支援国連機関を統合して創られました。その活動は、”だれ一人とり残さない”世界をつくって行くことを目指しています。国連ウィメン日本協会は、UN Women を支援することを目的とし、UN Womenの理念や、世界の女性の現状・課題を社会に広報すると共に、世界の女性と少女が可能性をひらき、希望の未来を手にする社会の実現を目指し、募金活動をすることを使命としています。
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