令和7年度 結核・呼吸器感染症予防週間 全国でキャンペーン展開(9/24~9/30)
公益財団法人結核予防会(理事長:尾身茂、本部:東京都千代田区)は、「令和7年度結核・呼吸器感染症予防週間」(9月24日~30日)に普及啓発キャンペーンを実施します。キャンペーンは結核予防会都道府県支部の協力のもと、各地域の特性にあわせて全国展開されます。
【全国の実施予定行事はこちら】
d149956-6-31a4895430db9c2ed9353ce9f8d77832.pdf結核・呼吸器感染症予防週間の趣旨
日本は官民一体での結核対策が奏功し、2021年から結核低蔓延国となりました。しかし、現在も毎年1万人以上が結核を発病し、約1,500人が命を落とす呼吸器感染症であることに変わりはありません。また、呼吸器感染症はこれまでも世界的なパンデミックの原因となってきました。新型コロナウイルス感染症の経験を経た今、呼吸器感染症への理解と備えは、日常的な啓発と社会的な合意形成の積み重ねによって支えられるべきものとして再認識されています。

このため、厚生労働省では、「結核・呼吸器感染症予防週間」を定め、結核と呼吸器感染症の正しい知識と予防行動の普及を一体的に推進することとしています。
結核の現状
2024年・日本の結核の統計
・新登録結核患者数 10,051人
・罹患率(人口10万対) 8.1
・死亡者数(概数) 1,461人
・死亡率(人口10万対) 1.2
・新登録結核患者数は前年より45人減(前年比0.4%減)
・罹患率は横ばいで、前年と同じ8.1

*新登録結核患者数:1月1日から12月31日までの1年間に新規に結核患者として保健所に登録された人数
*罹患率:一年間に発病した患者数を人口10万対率で表したもの
日本を取り巻く結核の特徴と課題
<高齢者の結核>
80歳代以上の高齢者の新登録結核患者数は4,295人で、全体の42.7%を占めます。
高齢者の結核は典型的な症状(咳や痰)がみられないことが多く、定期健診による発見が重要です。
<外国出生結核患者>
新登録結核患者数のうち、外国出生結核患者数は1,980人で、前年より361人増加(前年比22.3%
増)しました。特に若い年代では外国出生結核患者の割合が高く、10歳代が79.6%(103人中82人)、20歳代が90.0%(1,290人中1,161人)、30歳代が68.9%(591人中407人)でした。

世界の結核は“慢性的なパンデミック”

2020年から2023年における新型コロナウイルス感染症による死亡者数平均のおよそ7割が、現在もなお結核で命を落としています。患者数が減少傾向にある新型コロナウイルス感染症と異なり、結核は今も感染症による死因のトップであり続けています。
2023年では、1,080万人が結核を発病し、125万人が命を落としました。薬が効きにくい薬剤耐性結核の治療は5人に2人しか受けられておらず、HIVとの重複感染も深刻な課題です。
このような「毎年100万人以上の人々が結核で命を落とす状況」が長年続き、結核は“慢性的なパンデミック”であることを物語っています。20世紀以降、社会を揺るがすパンデミックの多くは呼吸器感染症によるものでした。突発的な流行に備えると同時に、呼吸器感染症である結核への対策を続けていくことが、社会全体の感染症対策となります。
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