新興3か国(カザフスタン・スリランカ・バングラデシュ)で生活者調査を実施:価値観・生活実態・食行動の違いに見る、各国市場の特徴と日本評価
株式会社データスプリング(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:細野 智裕)は、当社が保有する海外パネルを活用し、調査ニーズが高まる新興国・成長国の実態把握を目的として、アジア・オセアニア地域のカザフスタン、スリランカ、バングラデシュの3カ国を対象に自主企画調査を実施いたしました。
本調査では、世帯構成や所得、就業実態といった生活基盤に加え、価値観や働き方、食生活、住環境、各国の対外認識、日本に対する評価まで、生活者の実態を多角的に分析しています。各国ごとの社会構造や消費行動の違いに加え、日本製品・日本企業への信頼やイメージも明らかにしました。
今回は第1回として「市場構造の理解」に焦点を当てた調査結果をお届けします。今後は、第2回「価値観・仕事」(5月予定)、第3回「消費・日本評価」(6月予定)を予定しているほか、サブサハラ・アフリカ、中南米、欧州/中東/北アフリカ地域でも調査を進める予定です。
【調査結果ハイライト】
1. 生活基盤の違いが示す3か国の社会構造と消費前提
カザフスタン、スリランカ、バングラデシュの3か国を比較すると、生活者の価値観や消費行動は、それぞれの社会構造や生活基盤の違いによって大きく規定されていることが明らかとなった。
まず世帯構成においては、カザフスタンが核家族中心であるのに対し、スリランカおよびバングラデシュでは4人以上の世帯が過半を占め、親族と同居する複合家族が一般的である。特にカザフスタンではZ世代の単身世帯が18%と一定割合存在し、個人単位の生活スタイルが進展している一方、他2か国では家族単位での生活が前提となっている。


こうした生活基盤の違いは就業構造にも表れている。カザフスタンおよびバングラデシュでは会社員やIT関連職といった都市型就業の比率が高く、特にバングラデシュでは世代を問わず都市型労働が主流である。一方、スリランカでは教育など地域に根差した職業が多く、生活圏密着型の就業構造が特徴となる。カザフスタンにおいては、Z世代が都市型就業、Y世代が地域密着型就業といった世代差も確認された。

所得構造についても国ごとの差は顕著であり、カザフスタンでは中上位〜富裕層が中心となる一方、スリランカは低〜中所得層が主体の構造となっている。バングラデシュでは低所得層と高所得層が併存する二極化傾向が見られ、特にY世代に高所得層が集中している点が特徴的である。

さらに家計支出の構成からも、各国の生活様式の違いが浮き彫りとなる。3か国共通で食費が最大項目となる一方、カザフスタンおよびバングラデシュでは住居費の比率が高く、都市生活に伴う固定費負担の大きさがうかがえる。特にカザフスタンのZ世代では住居費負担が顕著である。一方、スリランカでは教育費や日用品、光熱費の比重が高く、家族単位での生活維持を重視する構造が反映されている。

このような社会構造の違いは、価値観や働き方にも明確に影響している。人生において重視される要素としては、カザフスタンでは「経済的・健康的な安定」、スリランカでは「家族との時間」、バングラデシュでは「キャリア・成長」がそれぞれ最も重視されている。一方で、「家族」「自由・柔軟性」「安定」といった理想の生活像は3か国共通の軸となっている。

2. 「安定・家族・成長」―国ごとに異なる価値観の優先順位
仕事においては、3か国共通で「ワークライフバランス」と「安定」が重視される一方、カザフスタンでは高報酬志向、バングラデシュのZ世代では昇進・キャリアアップ志向が強く表れている。

また、働く目的はカザフスタンおよびスリランカでは「生活のため」と「自己実現」の二軸であるのに対し、バングラデシュでは「家族や周囲を支える」という意識が相対的に強い。

3. 家族構造と所得が反映される、住まいと生活インフラの実態
これらの違いは住環境にも反映されている。スマートフォンや冷蔵庫、テレビといった基礎家電は3か国で共通して普及しているが、カザフスタンでは電子レンジや掃除機などの保有率が高く、家事の機械化が進展している。一方、スリランカおよびバングラデシュでは基礎家電中心にとどまり、家族単位での生活を前提とした住環境が維持されている。

4. 地政学と品質信頼が形成する、日本のポジションと評価構造
各国の対外認識を見ると、地政学的背景を反映したパートナー国の違いが見られるものの、日本に対する評価は3か国共通で高い。

また、日本製品は品質・信頼性の面で高く評価されており、特にスリランカおよびバングラデシュのY世代では「信頼の基準」となっている。

さらに、日本の国イメージとしては「技術力」「製品品質」「高い生活水準」が共通して挙げられ、スリランカでは「礼儀・規律」、バングラデシュでは「経済力」への評価が特徴的である。

【最後に】
本調査の結果からは、カザフスタン・スリランカ・バングラデシュの3か国において、生活基盤や価値観、住環境が大きく異なる一方で、「家族・自由・安定」といった共通の志向が存在することが浮き彫りになりました。新興国市場と一括りにするのではなく、カザフスタンは「都市化・個人志向・中上位所得市場」、スリランカは「家族志向・地域密着・中低所得市場」、バングラデシュは「都市化と所得二極化が進行する成長市場」として、それぞれ異なる前提で捉える必要があることが示唆されました。
本調査の詳細な結果(グラフ・国別データ・カテゴリ別分析など)は、以下のリンクよりダウンロードいただけます。
【本件に関するお問い合わせ先】
MAIL:takuya.okayama@d8aspring.com
【運営会社】
株式会社データスプリング
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