冬の空を彩るミヤマガラスの舞い自然と人が共存する都市型エコツーリズムスポット ― 蔚山南区・三湖渡り鳥公園

韓国・蔚山広域市南区に位置する三湖渡り鳥公園は、都市の中心にありながらも豊かな自然と人々が共存する代表的なエコツーリズムの名所です。毎年冬になると、約4万羽のミヤマガラスが飛来し、夕暮れ時には空を埋め尽くすような群舞を披露します。

この壮大な自然現象は、10月初旬から翌年3月初旬にかけて観察され、国内外の観光客に深い感動を与えており、蔚山南区を代表する冬季の生態観光資源として確固たる地位を築いています。

蔚山南区・三湖渡り鳥公園では、毎年冬になると約4万羽のミヤマガラスが飛来し、壮大な群舞を披露する。

三湖渡り鳥公園は、太和江の下流域に位置し、温暖な気候、豊富な餌資源、そして天敵のいない安定した生息環境により、渡り鳥にとって理想的な休息地とされています。単なる渡り鳥の飛来地にとどまらず、自然、文化、観光が融合した空間として、市民や観光客にとって学びと癒しを提供する都市型自然体験の場となっています。

また、公園内に広がる三湖竹林では、自然音に耳を傾けながら歩く「サウンドウォーキング」プログラムが有料で体験できます。指向性マイクとヘッドセットを装着し、風の音、水のせせらぎ、鳥のさえずりなどを感じながら専門解説員の案内で散策を行うこの体験は、自然との深い共感と心の癒しをもたらします。

三湖竹林で実施される「サウンドウォーキング」は、指向性マイクとヘッドセットを装着し、竹林の風の音、水のせせらぎ、渡り鳥の鳴き声など自然の音に耳を傾けながら歩く体験型エコプログラムである。

南側入口近くにある渡り鳥広報館は、太和江流域の生態文化とミヤマガラスの群舞を学び体験できる5階建ての施設です。1階には事務室と教育スペース、2階は展示ホール、3階には5D映像館とVR体験ゾーン、4階はカフェ、5階には展望台が設置されています。生態解説員による観察プログラムをはじめ、展示・体験イベントなどが常時運営されており、2023年からは地元小学校と連携した「太和江こどもバードクラブ」も実施中です。子どもたちが実際に鳥を観察し、生態日誌を記録することで、環境感受性を育むことを目指しています。

渡り鳥広報館は、ミヤマガラスの群舞をはじめ、太和江流域の生態文化について学び、体験できる施設である。

さらに、広報館の近隣には三湖渡り鳥ゲストハウスも運営されており、屋上展望デッキからは夕暮れ時の群舞を間近に観察できます。早朝にはバードウォッチングや自然散策も楽しめることから、宿泊と体験が融合した滞在型エコツーリズム施設として高い評価を得ています。

蔚山南区は、三湖洞の自然環境を守り、ミヤマガラスと人が共生する生態・文化・観光の拠点として育成するため、さまざまな取り組みを続けています。ミヤマガラスの糞害を最小限に抑えるための清掃車両の運用や、鳥類生息地の保全、生態研究の推進を通じて、持続可能なエコツーリズムの基盤づくりに力を入れています。

こうした努力により、三湖竹林のミヤマガラスの群舞は南区を象徴する冬の自然景観となり、蔚山南区のエコシティとしての魅力をさらに高めています。