アジアを代表する大学NUS、大学研究と世界の事業機会を自動で結びつけるAIプラットフォームを発表

NUS Enterprise

  • 今回発表のプラットフォーム(Nova)は、2万件超のNUS特許と9,000件の研究プロジェクトを活用し、これまで数週間かかっていた商業化関連業務を数分に短縮。

  • ミュンヘンと上海に新拠点を設立し、ディープテック・ベンチャーのグローバル展開ルートを拡大。

2026年9月28日 – アジアを代表する大学であるシンガポール国立大学(NUS)の起業支援・事業化を担う中核組織、NUS Enterpriseは9月24日、研究の事業化に向けたAIプラットフォーム「Nova」を発表しました。あわせて、シリコンバレーに続き、ミュンヘンおよび上海へグローバル拠点ネットワークを拡大する計画も発表しました。

これらの取り組みは、NUS Enterpriseにとって新たな展開となるもので、本活動に合わせ、NUS Enterpriseは、組織の新たな名称として「NUSX」も発表しました。

この新名称は、NUSが、研究・人材・産業・資本・グローバル市場を結び付け、研究成果を新たな事業へとつなげ、その成長を支援する、統合型のベンチャー創出・知的財産事業化プラットフォームへと進化していくことを表しています。

■AIによる事業機会の発見

世界の大学特許の70〜80%は、ライセンス化されていないと推定されており(1)その課題の一つは、適切な事業化パートナーを見つけることです。ここには膨大な手作業での探索が必要になる一方、必ずしもマッチングが成立するとは限りません。研究者は自身の研究が持つ科学的価値を理解しているものの、その研究が解決し得る産業上の課題、恩恵を受け得る企業、あるいは最も有望な市場展開ルートまでは見えにくい場合があります。

こうした課題に対応するため、NUSXとZima Labsは、研究事業化のためのAIエンジン「Nova」を共同開発しました。Novaは、権利化済みの一つの特許を数分で分析し、最新の市場情報に基づいて、ライセンス供与の可能性を評価します。さらに、技術との親和性や適合度に基づいてライセンス供与先の候補企業を順位付けし、各企業に合わせた提案書の草案を作成するとともに、当該特許の制約や課題も提示します。同プラットフォームは、2万件超のNUSの特許および発明開示、9,000件の研究プロジェクト、1万1,000人の発明者に関するデータを活用しています。

Novaは、グローバル特許、研究、スタートアップ、人材に関するNUSのデータと、企業、投資家、産業ニーズ、市場活動に関する外部インテリジェンスを接続します。

AIを活用した検索と自動化されたワークフローにより、NUSが持つ技術や研究開発力と企業のニーズが合致する分野を特定し、世界各地で事業化につながる可能性のあるパートナー企業や市場機会を見いだします。また、ライセンス、共同開発、パートナーシップの道筋に加え、潜在的な投資家やチームメンバーも提示できます。さらに、Novaが提示する各提案には、その判断を裏付ける根拠となる情報が示されます。これにより、事業化担当者は、これまで数週間かかっていた作業を数分で行えるようになります。

Novaは、根拠に基づいた事業化機会の探索を迅速化することで、研究者や事業化担当チームが有望な機会を早期に把握し、適切な領域にリソースを集中できるよう支援します。また、知的財産戦略やガバナンス、パートナーシップ、事業化に関する意思決定を支援するとともに、NUSXが有望な研究成果を、より迅速かつ計画的に事業化へとつなげることを後押しします。

これにより、知的財産戦略やガバナンス、パートナーシップ、事業化に関する意思決定が支援されるとともに、NUSXは有望な研究成果を、より迅速かつ計画的に事業化へとつなげることが可能になります。

■重点グローバル市場とエコシステムを接続

2026年7月にシリコンバレーのPlayground Global「The Studio」に初の拠点を開設したことに続き、NUSXは第2の拠点をミュンヘンに設立します。また、第3の拠点として、2026年第4四半期に上海での開設を予定しています。

これらの拠点は、NUSXのより広範なグローバル化戦略の一環であり、NUS発のディープテック・ベンチャーに対し、米国、中国、欧州における海外市場、パートナー、投資家、顧客への早期アクセスを提供します。海外で得られた知見や経験はシンガポールにも還元され、国内における教育、研究成果の社会実装、事業化の道筋を強化します。これらの拠点は一体となって、人材、技術、市場を東西にわたってつなぐ、グローバルに接続されたイノベーションハブとしてのシンガポールの役割をさらに強化します。

NUSXは、欧州有数のテクノロジー・イノベーションハブにおけるプレゼンスを強化するため、

UnternehmerTUMとの新たなパートナーシップをA5Xで発表しました。

この連携により、NUS発のディープテック・ベンチャーとミュンヘンのイノベーション・エコシステムとの結びつきが深まり、シンガポール、欧州、アジア間のイノベーション連携も強化されます。連携領域は、相互拠点、投資、人材育成の3分野にわたり、初期段階ではバイオテック、AI、半導体に重点を置きます。(シンガポール・ミュンヘン間のパートナーシップの詳細については、24日にNUSXとUnternehmerTUMが別途発行した共同プレスリリースをご参照ください。)

NUS上級副学長(イノベーション・エンタープライズ)のタン・シアンウィー博士は、次のように述べています。

「ディープテックの事業化を巡る世界的な競争が加速する中で、画期的な研究は出発点にすぎません。本当の課題は、それを社会実装へとつなげることです。つまり、適切な機会を見つけ、早期に検証し、強いチームをつくり、創業者が事業を拡大するために必要な資本、産業、市場と結びつけることです。Novaは研究成果が価値を生み出す可能性のある分野を特定する一方、グローバル拠点は創業者がその事業機会を具体的な取り組みへとつなげることを支援します。両者を組み合わせることで、持続的な成果を生み出し、世界中の人々の生活向上に大きく貢献するグローバル・ベンチャーを、シンガポールから創出することが可能になります。」

■2035年に向けたグローバルインパクト創出プラットフォーム

これらの取り組みは、2035年までに以下を実現するというNUSXの目標を支えるものです。

  • 年間売上1億米ドル超、または1,000人の雇用創出を実現するNUS発ベンチャーを少なくとも1社創出すること。

  • NUS発ベンチャーを通じて、10億米ドルの財務的リターンを生み出すこと。

  • 事業全体を通じて、10億人の生活向上に貢献するベンチャーを創出すること。

これらの目標の達成に向け、NUSXは起業家人材の育成や、市場ニーズに即した事業機会の創出に取り組むとともに、グローバル拠点を通じて活動範囲を拡大しています。

次の段階では、グローバル化をより重視し、当初から国際市場を見据えたベンチャーを構築していきます。この方向性は、科学的強みを経済的・社会的インパクトへと転換するために、5年間で370億シンガポールドルを投じるシンガポールの「Research, Innovation and Enterprise 2030」計画とも一致しています(2)。

アジア初のグローバル・イノベーション/ベンチャーサミットである第1回A5Xで発表された取り組みは、このアプローチを実行に移すものです。同サミットには、主賓としてデジタル開発・情報省上級国務大臣のタン・キアットハウ氏を迎えました。これらの取り組みは、研究者が市場機会をより早期に特定し、産業界とともに技術を検証し、有望な研究を商業応用へと進めることを支援します。

こうした取り組みは主に、NUSXの4つのディープテック・イノベーション重点領域のうち3つ、すなわちLogic(AIおよびソフトウェア)、Pulse(ヘルスケアおよびバイオテック)、Resilience(デュアルユース技術)を軸としています。4つ目のMatterは、物理科学、材料、半導体に焦点を当てています。

Resilienceトラックの一環として、A5Xでは2026年9月25日から27日まで、第1回Singapore Defense Tech Hackathon(SDTH)も開催されました。同ハッカソンは、NUSXがEuropean Defense Tech Hub(EDTH)およびTUM Venture Labsと連携して開催したもので、世界各地から300人の参加者が集まり、現実の防衛・安全保障上の課題に対応するデュアルユース・ソリューションの開発に取り組みました。

■シンガポール国立大学(NUS)について

シンガポール国立大学(NUS)は、シンガポールを代表する大学です。

アジアの視点と専門性に重点を置きながら、教育、研究、アントレプレナーシップにおいてグローバルなアプローチを提供しています。シンガポール国内の3つのキャンパスに15のカレッジ、学部、スクールを擁し、100カ国から集まる4万人以上の学生が、活気に満ちた多様なキャンパスコミュニティを形成しています。また、世界各地に約15の起業家育成拠点『NUS Overseas Colleges』を設立しています。

教育、研究、アントレプレナーシップにおける学際的かつ実践的なアプローチにより、NUSは産業界、政府、学術界と緊密に連携し、アジアおよび世界に関わる重要で複雑な課題に取り組んでいます。

各学部、卓越研究センター、企業研究所、30を超える大学レベルの研究機関に所属する研究者は、エネルギー、環境・都市の持続可能性、疾病の治療と予防、アクティブ・エイジング、先端材料、金融システムのリスク管理とレジリエンス、アジア研究、さらに人工知能、データサイエンス、オペレーションズ・リサーチ、サイバーセキュリティなどのスマート国家関連能力といったテーマに注力しています。

NUSの詳細については、nus.edu.sgをご覧ください。

■NUSXについて

NUSXは、シンガポール国立大学(NUS)の起業支援・事業化を担う中核組織であり、ブレークスルーを優位性へと変える場です。NUSの統合型ベンチャー創出・研究商業化プラットフォームとして、NUSXは起業家人材を育成し、実社会で市場投入可能な機会を創出し、グローバル拠点を通じてリーチを拡大しています。これらの機能が一体となることで、発見をベンチャーへと転換し、事業拡大に必要な産業、資本、市場へとつなげます。

2001年以来、NUSX(旧NUS Enterprise)は、10社のユニコーン企業、3,000社超のスタートアップ、5,500人の学生を育成してきました。NUSXは、持続的な経済的・社会的インパクトを生み出し、2035年までに10億人の生活を向上させるベンチャーの構築を目指しています。

NUSXの詳細については、nusx.edu.sgをご覧ください。

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会社概要

NUS Enterprise

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URL
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業種
教育・学習支援業
本社所在地
21 Heng Mui Keng Terrace, Level 5, Singapore National University of Singapore, NUS Enterprise
電話番号
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代表者名
Tan Sian Wee
上場
未上場
資本金
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設立
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