広報実務の知恵を概念化・体系化した「広報実務のバイブル 報道対応編」を公開

~攻めのパブリシティと守りの危機管理広報の実務上の要諦を構造化~

株式会社タンシキ

 株式会社タンシキ(本社:神奈川県川崎市、代表取締役:秋山和久)は、多種多様な広報実務の知恵を、「数式」によって構造化した概念モデルの「広報実務のバイブル 報道対応編(β版)」を策定し、本日公開いたしました。

 本モデルは、報道対応領域のマネジメントのあり方と、経験やセンスに依拠しがちだった「攻め」のパブリシティの獲得、「守り」の危機管理広報について、実務上の要諦を足し算・引き算・掛け算・割り算を用いた「数式」で表現するものです。工学的な考え方で力学を表現することで、自社の広報組織や個々の広報担当者が何に強みがあるのか、何にボトルネックがあるのかを構造的に理解できるようになりました。

 背景

 株式会社タンシキでは、広報活動を「何らかの現象を発生または抑制させる“力学”」と捉え、工学的なアプローチで実務上の成果創出に繋がる要諦を構造的に「数式」としてモデル化しました(「広報実務のバイブル 総論編」2026年5月19日公表)。

 この「総論編」では、広報実務を「信頼貯金という無形資産を積み上げ、平時の推進力と有事の防圧力を最大化する経営機能」と定義し、経営と広報の共通言語となる上位概念と中位概念を整理していました。

 今回の「報道対応編」は、下位概念の第一弾として、社外広報活動の一領域であるパブリシティと危機管理広報を対象に整理・公表するものです。

留意事項

 今回の数式モデルは、報道対応の成果・効果そのものを数学的に正しく数値化しようとする方程式ではありません。

 業務品質の向上を目的とし、広報の実務の要諦、実務上の力学を概念的に可視化したものです。成果創出に繋がる変数が純粋な独立変数ではなく、相互作用(シナジー)を持つ変数であることを前提にしています。このため、変数間の独立性がなく(相互補完的な考え方が含まれている)、数学的・理学的にはバグが含まれます。本モデルのすべての変数を最初から完璧に満たすことを目指すのではなく、自社の状況やリソースに応じて「今はどこに注力すべきか」を判断する材料のひとつとして活用してください。

 また、各種モデルは、汎用性を追求しているものの、あくまでも代表・秋山の記者経験・広報実務経験・コンサルティング経験といった様々な実体験をベースにしたものであること、かつ、現時点における考え方の整理であること(メディア環境や情報流通構造、受信行動が変化した場合に見直しが必要なこと)などをご留意ください。

「報道対応編」の範囲と内容

●本バイブルの構成

本バイブルでは、広報活動を以下の4つの階層で整理しています。

  1. 上位概念(基礎的総論): 広報活動による「インパクト」の創出モデル

  2. 中位概念(実務的総論): インパクトの源泉となるステークホルダーの「態度変容」モデル(社外広報活動、社内広報活動、経営層への提言活動の3つの業務類型に沿って整理)

  3. 下位概念(実務的各論): 日々の実務が生み出す「アウトプット」の品質モデル(上記3つの業務類型に沿って、個々の実務領域を細分化して整理)

  4. 基盤概念(基盤的各論): 成果を生み出す「ひと(処理能力)」のスループットモデル

●報道対応編の範囲

 今回公開した「報道対応編」は、4つの階層モデルのうち、下位概念(実務的各論)を扱うものです。

 下位概念(実務的各論)は、大きく、社外広報活動、社内広報活動、経営層への提言活動の3つで構成され、今回は社外広報の中の報道対応領域(攻めと守りの報道対応)を扱うものです。

●報道対応編の内容

今回公開した「報道対応編」は、大きく以下の構成です。

  • 報道対応全体
    報道対応全体のマネジメント(運用)の力学

  • パブリシティ領域
    パブリシティの獲得可能性の力学
    継続的にネタが集まる仕組みの力学
    パブリシティ活動の評価

  • 危機管理広報領域
    ダメージ・コントロールの力学
    ダメージ・コントロールの実現可能性を高める平時の備えの力学

●報道対応編のダウンロード

報道対応実務の数式モデル

1. 報道対応の総合運用力( モデル)

 報道対応のマネジメントの良否は、入力・出力・組織基盤の3層構造で決まります。しかし、どれほど基盤が優れていても、自社都合の「企業エゴ」が肥大化すれば社会から拒絶される力学を示しています。

報道対応のマネジメントを数式で概念的にモデル化した図解。報道対応のマネジメントは、入力・出力・土台を連動させてエゴを排除することが大事。

数式モデル:MRM=(Intl×Out×Base)/Ego

  • MRM(Media Relations Management): 報道対応の総合運用力

  • Intl(Intelligence): 入力(広報環境調査/広聴/経営・事業戦略との同期)

  • Out(Output): 出力(パブリシティ獲得/危機管理広報/波及・増幅)

  • Base(Base): 土台(社内体制/外部ネットワーク/振り返りと評価)

  • Ego(Corporate Ego): 阻害要因(報道・記者から宣伝や保身と思われる独善性)

2. パブリシティ獲得のアウトプット創出(Pubモデル)

 パブリシティの獲得は「数撃ちゃ当たる宝くじ」ではありません。ニュースバリュー、パッケージング、デリバリーの3つの関門を突破し、外部ノイズを回避する論理的なプロセスです。

パブリシティの獲得可能性を概念的にモデル化した図解。パブリシティの獲得可能性は「運頼み」ではなく論理的なプロセスである。

数式モデル:Pub=(NV×PKG×DEL)/Noi

  • Pub (Publicity): 報道確率(メディア露出の可能性)

  • NV (News Value): ニュースバリュー:弾込め(ネタの強度/ネタの社会性)

  • PKG (Packaging): パッケージング:照準合わせ(手法/媒体適合/表現の質)

  • DEL (Delivery): デリバリー:射撃精度(記者との関係値/折衝・提案)

  • Noi (Noise): 外部環境ノイズ(他の重大ニュース等による報道需給)

3. 良質なネタ収集のエコシステム(Acmモデル)

 良質なネタが「継続的」に集まる状態になり、広報の孤軍奮闘状態を脱するための方程式です。広報のためだけにネタを集めようとするのではなく、全社からネタが還流するエコシステムを設計する思想が重要です。広報が事業部門の課題解決に寄与することで、自然と情報が集まる状態にしていきましょう。

パブリシティのネタが社内で継続的に集まる状態を概念的にモデル化した図解。広報のためのネタ集めはNG、全社からネタが還流するエコシステムを設計することが大事。

数式モデル:Acm=(Acc×Cop×Dsc)/Frc

  • Acm (Accumulation): 良質なネタの集積量

  • Acc (Access): 情報アクセス(情報源の広さ/到達力/タイミング)

  • Cop (Cooperation): 社内協力(各部門との関係性/発信動機/仕組み)

  • Dsc (Discovery): 原石発見・蓄積(ニュース価値の察知/深掘り/整理・ストック)

  • Frc (Friction): 組織の壁(現場の心理的摩擦/業務負荷/プロセス摩擦)

4. 危機管理広報の全体構造(Dmgモデル)

 危機管理広報の力学は、自社の企業価値の毀損のみを抑制するのではなく、事象に見合う開示によってステークホルダーと自社の双方のダメージを最小化させるものです。自社の企業価値やレピュテーションの維持だけに視野狭窄し、ステークホルダーへの影響を抑える「利他」の意識に欠けると、結果的にステークホルダーと自社のいずれも爆発的なダメージを受ける構造を整理しています。

危機管理広報(ダメージ・コントロール)の要諦を概念的にモデル化した図解。ダメージ・コントロールは、ステークホルダーのダメージを考慮に含めるべき力学。自社のダメージだけを考慮すると視野狭窄になり失敗しやすい。

数式モデル:Dmg(Ext+Int)={(Grb×Sint)×Mis}/Pcp×Noi

  • Dmg (Damage):ステークホルダーと企業が受けるダメージの総量

  • Grv(Gravity): 火種(1)事象の重大性(影響の大きさ/責任の程度)

  • SInt (Social Intolerance): 火種(2)社会の不寛容度(社会的関心/情報の流布状況)

  • Mis(Mismanagement): 開示対応の失敗(タイミング/手法/クレジット/表現のミス)

  • Pcp (Perception): パーセプション(平時に蓄積した信頼貯金による緩衝材の作用)

  • Noi (Noise): 外部環境ノイズ(他の重大ニュース等による報道需給)

5. ダメージ・コントロールの平時の備え(Rdyモデル)

 有事において、事象の重大性を適切に判断し、開示対応の失敗を防げるかどうかは、平時における「準備」にかかっています。

危機管理広報(ダメージ・コントロール)の平時の準備の質を概念的にモデル化した図解。危機管理広報は、非常事態に対する「免疫力」を高める平時の準備をしなければ、機能しない力学。

数式モデル:Rdy=(Det×Gov×Exe)/Frc

  • Rdy (Readiness): 危機管理・準備度(組織の免疫力)

  • Det (Detection): 早期探知(情報共有ルート/報告文化)

  • Gov (Governance): 体制・基準(公表基準の整備/広報の対策本部参画)

  • Exe (Execution): 疑似体験・訓練(事例啓発/トレーニング)

  • Frc (Friction): 組織の摩擦・慢心(正常性バイアス/縦割りの壁/減点主義の風土)

株式会社タンシキ 代表取締役 秋山和久のコメント

 今回の数式モデル(報道対応編)では、広報部門の中心的な業務領域であるパブリシティと危機管理広報に焦点をあて、この要諦と、この2つを含む全体の運用をどうするべきかを整理しました。

 総論編で紹介した「信頼貯金」の蓄積モデル(GTモデル:信頼貯金の蓄積方法={社外の態度変容×社内の態度変容×経営層の態度変容}/内外のギャップ)のように、昨今は報道対応を独立した業務領域ではなく、IRや社内広報など他の業務領域と連携させ運用する動きが出ています。例えば、プレスリリースを報道機関向けのみならず、生成AI対応やSEO対策、あるいはユーザーへの直接コミュニケーションツールと見なす動きや、危機管理広報においてはSNSでの「巻き込まれ型」の事象の増加が見られます。つまり、「報道対応」が報道機関を対象にする業務だけではなくなってきている状況です。

しかし、情報流通が複雑化・多様化する現代だからこそ、もっとも難易度の高い「第三者(メディア)の厳しい視点に耐えうる広報活動」を実践することが、すべての広報活動において揺るぎない基盤や能力の涵養になります。

 報道機関という第三者の力を借りて信頼貯金をどう積み上げるか、あるいは有事のダメージをどう最小化するか。これに真正面から向き合うことで、必然的に受信者目線が担保され、SNSやオウンドメディアでの発信も魅力的なものになるはずです。

 今回の数式モデルの説明範囲は、従来の広報の現場からすれば「報道対応」の一部ですが、この本質的な要諦が腑に落ちれば「胆識(タンシキ)」となり、生成AI対応や直接発信といった連動する業務においても、誰もが自信をもって応用できるようになるでしょう。

 この数式モデルをヒントに、報道対応の実務から連携する周辺の実務まで、広報実務の概念を様々な立場・経験の方が可視化できるようになることを期待しています。

今後の展望

 株式会社タンシキでは、今回の「報道対応編」に続き、社外向けのダイレクト・コミュニケーション(ペイド&オウンド)、社内広報(インターナル・コミュニケーション)、提言活動(インテリジェンス機能)などの実務的各論についても、順次モデルを公開する予定です。

 また、それぞれ実務領域でのモデルの公開とあわせて、広報担当者の育成や組織マネジメントを支援する仕組みの提供も検討していきます。

 株式会社タンシキでは、広報の実務が「信頼貯金という無形資産を積み上げ、平時の推進力と有事の防圧力を最大化する経営機能」として成果を創出し、経営・事業活動や経済・社会活動の活性化に寄与することで、世の中の胆識(タンシキ)を増やしてまいります。

報道対応編のダウンロード


会社概要

社名:株式会社タンシキ

所在地:神奈川県川崎市多摩区生田8-24-1

代表者:秋山和久

事業内容:広報に関するコンサルティング・調査・研修

URL:https://tanshiki.jp

TEL:044-934-2540

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業種
サービス業
本社所在地
神奈川県川崎市多摩区生田8-24-1
電話番号
044-934-2540
代表者名
秋山和久
上場
未上場
資本金
300万円
設立
2016年06月