美術館の常設展、入館料1,000円なら約8割が「行く」、1,500円では約5割に | 国立美術館の値上げを受け722人に調査

国立美術館5館の常設展が順次1,000円に。値上げは83.1%が「知らなかった」。美術館や動物園など6種類のミュージアムの入館料と、値上げに納得できる条件を聞きました(ペレログ調べ)

株式会社つなぐる

ミュージアムの入館料に関する調査(ペレログ調べ)

株式会社つなぐる(本社:東京都渋谷区、代表取締役:山本 真基)は、運営するミュージアム応援プラットフォーム「ペレログ」で、2026年10月13日〜18日に全国の18歳以上を対象とした「ミュージアムの入館料に関する調査」を行い、722人から有効回答を得ました。

美術館・博物館・科学館・動物園・水族館・植物園の6種類について、常設展などの通常の展示に、入館料がいくらまでなら行くかを聞いたところ、美術館では500円でも行く人が89.2%、1,000円でも行く人が78.3%、1,500円でも行く人が49.7%でした。値上げに納得できる条件では、「展示内容が充実する」67.6%と「料金の使い道が示される」57.2%が上位に並びました。

11月3日(火・祝)の文化の日には、観覧料金を改定する6施設を含む国立の8館が、常設展などを無料で公開します。


調査結果のポイント

  • 入館料が1,000円でも行こうと思う人と1,500円でも行こうと思う人の割合は、6種類すべてで大きく違う。美術館の常設展は78.3%と49.7%(500円では89.2%)。国立美術館の値上げは83.1%が「知らなかった」

  • 過去1年の来館者の53.9%が、入館料を理由に行動を変えていた(行き先を変えた23.3%、行くのをやめた17.7%など)

  • 値上げに納得できる条件は「展示内容が充実する」67.6%、「料金の使い道が示される」57.2%、「混雑が減り、ゆっくり見られる」45.6%の順

  • 常設展に無料で入れる日があることを、過去1年の来館者の64.3%が知らなかった


調査の背景

国立美術館は、所蔵作品展の観覧料金を2026年10月から順次改定しています。改定するのは6施設で、東京国立近代美術館、国立工芸館、京都国立近代美術館、国立西洋美術館、国立国際美術館の5館は、一般料金がこれまでの300〜500円から1,000円になります。国立映画アーカイブの所蔵作品展は、250円から500円になります ※1。

施設

一般料金(改定前→改定後)

改定日

京都国立近代美術館

430円→1,000円

2026年10月24日

国立国際美術館

430円→1,000円

2026年12月1日

国立映画アーカイブ(所蔵作品展)

250円→500円

2027年1月5日

東京国立近代美術館

500円→1,000円

2027年2月9日

国立西洋美術館

500円→1,000円

2027年3月20日

国立工芸館

300円→1,000円

2027年6月22日

改定の理由として、所蔵作品の展示の充実や時代に合った観覧環境の整備に加え、物価やエネルギー価格の上昇で展示に伴う経費が増えていることが挙げられています。高校生以下や18歳未満、65歳以上などの無料措置は続きます ※1。館ごとの新旧料金や無料措置、国立映画アーカイブの上映料金は、ペレログの記事で一覧にしています。国立の博物館では、東京国立博物館の東博コレクション展(平常展)が、すでに一般1,000円です ※2。

レジャー施設でも値上げが続いています。帝国データバンクの調査では、テーマパーク・遊園地、水族館、動物園の主要191施設のうち、2026年にチケット料金を値上げする施設は50施設(約26%)でした ※3。クロス・マーケティングが10月に発表した全国の20〜69歳1,100人への調査では、美術館・博物館について困ること・気になることの1位が「入場料やチケット代が高い」の34.6%でした ※4。


調査結果

1. 入館料1,000円と1,500円では、行こうと思う人の割合が大きく違う

図1 入館料1,000円と1,500円で、行こうと思う人の割合(6種類のミュージアム)

6種類のミュージアムそれぞれについて、常設展・通常の展示に大人1人で入るとして、入館料がいくらまでなら行こうと思うかを聞きました。1,000円でも行こうと思う人と1,500円でも行こうと思う人の割合は、美術館が78.3%と49.7%、博物館が75.9%と44.2%、科学館が70.8%と37.4%、動物園が82.1%と50.8%、水族館が87.1%と65.5%、植物園が56.6%と25.5%です。差は水族館が21.6ポイント、ほかの5種類は28.5〜33.4ポイントでした。

東京国立近代美術館と国立西洋美術館のこれまでの一般料金と同じ500円では、美術館の常設展に行こうと思う人は89.2%でした。行こうと思う人の割合は、500円から1,000円で10.9ポイント、1,000円から1,500円で28.5ポイント低くなります。なお、この設問は美術館全般について聞いたもので、国立美術館に限った質問ではありません。

国立美術館の値上げは、83.1%が「知らなかった」

図2 国立美術館の値上げの認知と、一般1,000円の受け止め(全回答者722人)

国立美術館の常設展の一般料金が順次1,000円に上がることを知っていたかを聞くと、「知らなかった」が83.1%で、「知っていた」は4.0%、「聞いたことはある」は12.9%でした。過去1年に美術館に行った人(272人)でも、75.0%が「知らなかった」と答えています。

値上げの理由のうち経費の増加(物価やエネルギー価格の上昇で、作品の輸送費や警備費が増えたこと)を示したうえで、一般1,000円をどう感じるかを聞くと、「高いと思うが、見たい展示があれば行く」が42.4%、「妥当だと思う」が41.4%で、「高すぎて行く気がしない」は7.5%でした。過去1年に美術館に行った人(272人)では、「高いと思うが、見たい展示があれば行く」が50.4%と半数を超えています。

2. 過去1年の来館者の53.9%が、入館料を理由に行動を変えていた

図3 入館料が理由で過去1年にしたこと(過去1年の来館者571人)

過去1年に、入館料が理由で次のようなことをしたかを聞きました(複数選択)。過去1年にいずれかのミュージアムに行った571人(以下、来館者)では、53.9%がどれか1つでもしたと答えています。内訳は「無料や安い施設に行き先を変えた」23.3%、「行くのをやめた」17.7%、「特別展・企画展をやめて常設展だけにした」15.9%、「行く回数を減らした」15.1%です。

3. 値上げに納得できる条件は「展示内容が充実する」67.6%、「料金の使い道が示される」57.2%

図4 値上げに納得できる条件(複数選択)

ミュージアムの入館料が上がるとき、どのような条件があれば納得できるかを聞きました(複数選択)。「展示内容が充実する」が67.6%、「料金の使い道(作品の保存・修復、動物の飼育など)が示される」が57.2%、「混雑が減り、ゆっくり見られる」が45.6%で、「どんな条件でも納得できない」は1.8%でした。

展示の内容とともに、料金が何に使われるかを伝えることは、施設が値上げを説明するときの参考になりそうです。

4. 過去1年の来館者の64.3%が、常設展に無料で入れる日を知らなかった

図5 常設展に無料で入れる日を知らなかった人の割合

文化の日(11月3日)や国際博物館の日(5月18日)などに、一部のミュージアムで常設展に無料で入れることを知っていたかを聞きました。来館者でも64.3%、過去1年に美術館に行った人でも56.6%が「知らなかった」と答えています。全回答者では69.3%で、「知っていて、利用したことがある」人は6.2%でした。

来館者にも、無料で入れる日の情報は十分に届いていないようです。


11月3日(火・祝)の文化の日は、観覧料金を改定する6施設も無料に

2026年の文化の日(11月3日・火曜日の祝日)には、次の館が常設展などを無料で公開すると案内しています ※5〜※12。観覧料金を改定する国立美術館の6施設は、いずれも展示を無料で公開します。無料になる展示の範囲は館によって異なり、特別展などは別料金の場合があります。臨時の休館や変更もあるため、おでかけの前に各館の公式サイトで確かめてください。

文化の日に無料で楽しめる全国20施設は、ペレログの特集記事で地域別に紹介しています。


代表コメント

株式会社つなぐる 代表取締役 山本 真基

ミュージアムは、展示の奥で資料の保存や生きものの飼育、調査研究を続けています。今回の調査では、料金の使い道が示されれば値上げに納得できると答えた人が多かった一方、過去1年にミュージアムに行った人でも64.3%が、常設展に無料で入れる日を知りませんでした。施設の取り組みも、来館に役立つ情報も、まだ十分に届いていないと感じています。ペレログは、全国6,500以上の施設ページで料金の目安を調べられるようにし、文化の日など無料で入れる日を記事で案内しています。来館の記録を積み重ね、施設の活動を知る人を増やすことで、ミュージアムを支えていきます。


調査概要

項目

内容

調査名

ミュージアムの入館料に関する調査

調査主体

株式会社つなぐる(ミュージアム応援プラットフォーム「ペレログ」)

調査期間

2026年10月13日〜10月18日

調査方法

インターネット調査(クラウドソーシングサービス「ランサーズ」で、調査のテーマを示して回答者を募集)

調査対象

全国の18歳以上の男女。ミュージアムの利用経験などの条件は設けていません。

有効回答数

722人(回答783件から、重複した回答や、設問のあいだで矛盾がある回答など61件を除外)

回答者の性別

女性53.6%、男性45.8%、回答しない0.6%

回答者の年代

18〜29歳: 8.4%、30代: 27.0%、40代: 32.5%、50代: 23.4%、60代以上: 8.6%

回答者の来館経験

過去1年にいずれかのミュージアムに行った人79.1%(美術館37.7%、水族館34.1%、動物園30.6%、博物館29.2%、科学館16.6%、植物園13.7%)

※ 本調査では、美術館・博物館・科学館・動物園・水族館・植物園をまとめて「ミュージアム」と呼んでいます。

※ 割合は回答人数から計算し、小数点以下第2位を四捨五入しています。ポイント差も回答人数から計算しているため、表示した割合どうしを引いた値と0.1ポイント違う場合があります。複数選択の設問は、合計が100%を超えます。

※ 回答者は募集に応じた人で、無作為に選んだものではありません。募集の際に調査のテーマを示したため、ミュージアムに関心のある人が多く回答した可能性があります。性別や年代の割り付け、重み付けは行っていないため、結果は今回の回答者の傾向を示すものです。

※ 国立美術館の料金は、同館の表記に合わせて「観覧料金」と書いています。調査では、ミュージアム全般の料金を「入館料」と呼んでいます。

※ 設問文と選択肢、全設問の集計表は調査ページに載せています。

※ 本調査の結果や図を引用・転載する際は、「ペレログ調べ」と出典を明記してください。図は報道などで自由にお使いいただけます。

出典


ペレログについて

ペレログは、ミュージアムを探して、訪れた記録をスタンプで残せるミュージアム応援プラットフォームです。動物園・水族館・植物園・博物館・美術館・科学館など、全国6,500以上の施設情報を掲載しています(2026年10月時点)。iOS/Androidのミュージアム応援アプリでは、訪れた施設でチェックインすると、ミュージアムスタンプがスタンプ帳に記録されます。Webメディアとアプリの基本機能は無料です。

※ チェックインに対応する施設や方法は、施設によって異なります。


会社概要

項目

内容

会社名

株式会社つなぐる(Tsunagle Co., Ltd.)

所在地

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2丁目19番19号 ワコー宮益坂ビル 5階

設立

2026年7月15日

代表者

代表取締役 山本 真基

資本金

100万円

事業内容

ミュージアム応援アプリ「ペレログ」の企画・開発・運営、オウンドメディアの企画・制作・運営、システム開発・ITコンサルティング、マーケティング・DX支援

URL

https://tsunagle.co.jp/

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URL
https://tsunagle.co.jp/
業種
情報通信
本社所在地
東京都渋谷区渋谷2丁目19番19号 ワコー宮益坂ビル 5階
電話番号
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代表者名
山本 真基
上場
未上場
資本金
100万円
設立
2026年07月