Interbrand“Japan’s Best Global Brands 2009” (日本のグローバル・ブランドTOP30)を発表
※ランキング結果はhttp://interbrand.com/jpよりご覧頂けます。
<Japan’s Best Global Brands 2009ハイライト>「TOP30には、自動車・エレクトロニクス関連業界のブランドが多く名を連ねる」
“Best Global Brands 2008”(2008年9月発表)でグローバル・ランキングのTOP100にランクインしております7ブランドは、本ランキングにおいても、同様に上位にランキングされました。また、それに続くポジションには、2007年まで“Best Global Brands”TOP100入りしていたNissanが8位。続いて9位Toshiba,10位Sharpとエレクトロニクス業界の2ブランドがTOP10に入りました。今回のTOP30全体を見ても、日本の基幹産業とも言える自動車・エレクトロニクス関連業界のブランドが多くを占め、日本の産業構造の特徴がランキングにも反映されたものとなっております。
「海外で“Japan Quality”を通じてブランド価値育成を図ったShiseido、Asics、Kikkomanがランクイン」自動車・エレクトロニクス関連業界以外では、海外でプレステージイメージの構築に成功したShiseido(11位)、ランニングシューズでの高い評判をもつAsics(26位)、早くから海外進出し、醤油を世界中に浸透させたKikkoman(30位)といったブランドがランクインしています。これらのブランドは、早くからグローバル展開し、“Japan Quality”に通ずる独自の価値を提供し、ブランド価値を高めてきたという共通項があります。
「BtoBビジネスにおいて、海外でブランド価値を高めたKomatsu」ブランドは、一般消費者への単なる認知度の高さではなく、購入の意思決定に影響を与え、企業に利益をもたらすことで価値が生まれます。BtoBビジネスの領域においても、多くの場合、ブランドは購買に明確に影響を与えており、企業の重要な資産となっています。現に、Komatsu(12位)は、世界第2位の重機・建機ブランドとして、新興国を中心に技術力や信頼性が顧客に高く評価されており、高いブランド価値につながっています。
「株価の下落に比べ、“ブランド価値”の毀損は極めて小さい」“Best Global Brands 2008”(2008年9月発表)においてグローバル・ランキングのTOP100にランクインしている日本の7ブランドは、世界的な金融危機の影響を受け、多くのブランドが価値を落す結果となっております。しかし、その下落率は、株価の下落率ほど急激なものとなっておらず、不況下においても、ブランドは企業の有益な資産としての価値を有することを示しています。
特にNintendo(5位)は、不況下においても最高益を見込むなど、ブランド価値が半年で5%上昇しており、不況下でもブランド価値を高めうることを示しています。また、Panasonic(6位)は日本で長年使用してきたブランド名「松下電器」ならびに「National」を廃止し、全世界でブランドを統一した効果を評価に織り込んだ結果、ブランド価値は昨年9月発表時の金額がほぼ維持されています。
<Japan’s Best Global Brands 2009 の評価基準について>■CRITERIA FOR CONSIDERATION 評価対象基準
本評価においては、グローバルに展開される日本発のブランドについて、そのブランド価値を明らかにし、“世界基準”でそのポジションを相対比較することを目的に、弊社が毎年グローバルで発表している“Best Global Brands”と同様の条件にて、以下の基準を満たす企業を抽出し、評価をしました。
日本発のコーポレートブランドであること -日本の企業によって生み出されたコーポレートブランドであること
上場企業で各種財務情報が公表されていること -2008年11月30日現在で上場しており、アナリストレポートが入手可能な企業であること
日本以外での海外売上高比率が30%超であること(2007年度実績)
BtoB企業であっても、グローバルで一般に認知されていること -インターブランドのグローバル各オフィスのコンサルタントの認知が10%以上あること
■Methodology 評価方法インターブランドのブランド価値評価手法は、財務力、ブランドが購買意思決定に与える影響力、そしてブランドによる将来収益の確かさ、という観点からブランドを評価します。その手法は、過去20年で5,000以上の評価実績が示すとおり、明快かつ実用的でブランド価値の本質を捉えた方式であると考えています。そして、証券アナリストが事業の価値を分析評価するのと同じように、「将来どれくらい収益を上げると予想されるか?」という視点に基づいて、ブランドを分析します。評価は、具体的に以下の3つの分析によって構成されています。
・「財務分析」 - 企業が生み出す利益の将来予測を行うまず、ブランドが冠された事業の現在及び将来の収益を予想します。そして、その売上から営業費用、税金、そして投下資本に応じた資本コストを差し引き、将来の経済的利益を算出します。本分析は、公開されている企業情報を基にしており、将来予測は、アナリストによる予測値をベースとしています。 ※本評価におけるアナリストの予測値は、株式会社アイフィスジャパンの発表しているIFISコンセンサスと呼ばれる主要アナリスト(約600名)の予想平均値を用いています。なお、IFISコンセンサスは、2008年12月19日現在のものを採用しています。
・「ブランドの役割分析」 - 利益のうち、ブランドの貢献分を抽出する財務分析で算出された将来の経済的利益のうち、ブランドによってもたらされた利益を抽出するために、ブランドがどの程度顧客の購買意思決定に影響を与えているかを分析します。 本評価においては、ブランドが消費者の購買動向に果たす役割について、私たちが過去20年に渡り実施してきたブランド価値評価実績のデータ・ベースを活用し、業界別にベンチマーク分析を行います。そして、業界ベンチマークを基にして、独自の調査・分析により個別ブランドの“ブランドの貢献分”のスコアを算出します。
・「ブランド力分析」 – ブランドによる利益の将来の確実性を評価するブランド力の分析は、市場でのロイヤリティ、消費者の継続購入や囲い込みといったクライアントのニーズを喚起する力(将来の収益を維持する力)を測り、ブランドによる収益を割り引いて現在価値に換算するものです。この評価は、ブランドのリスクを判断する体系的な手法であり、市場でのブランドのポジション、消費者の認知・好感度、イメージ、ブランドに対するサポートといった、ブランドに関わるさまざまな観点で評価しています。 評価されたスコアは、それに対応した割引率へと変換されます。その割引率で将来のブランド利益を割り引くことで、ブランド価値が算定されます。
※「ブランドの役割分析」、「ブランド力分析」は、公表されているさまざまな報告書等を使用して行っており、弊社グローバル各オフィスの専門コンサルタントの多面的な評価を踏まえ算定されています。
<インターブランドについて>インターブランドは、1974 年に設立された世界的なブランドコンサルティング会社です。世界26 カ国・36 拠点のオフィスを通じ、世界的に展開している企業をはじめ、さまざまな組織・団体に対し、ブランディングに関する様々なサービスを提供しています。 „Creating and Managing brand Value‟のミッションのもと、戦略的な視点とクリエイティブの視点の両面から「ブランドを創り、その価値を高め、維持し、評価する」という一連のサービスを提供し、クライアントの最も価値ある資産であるブランドの価値向上をサポートしています。その事業内容は、ブランド価値向上に向けた戦略の立案、ネーミングやデザイン開発などのクリエーション、さらにはブランド価値の社内外への浸透・定着の支援に至るブランドマネジメントまで多岐に渡っております。
近年、日本企業の多くは、これまで競争優位の源泉となってきた品質、技術力、価格競争力などによる差別化が困難になるという非常に大きな課題に直面しています。そのため、新たな競争優位の源泉として、「ブランド」に注目し、その価値を高めることを目的にブランドマネジメントに積極的に取組まれております。 そのような背景の中、インターブランドは1984年より世界に先駆けて、企業の視点(財務)と顧客の視点(マーケティング)の両面からブランドの価値を金額に換算する手法を開発し、これまでに5,000以上のブランドを評価してまいりました。さらに、「ブランド価値」の重要性を認識して頂くことを目的として、1999年より毎年、全世界のブランドを対象とした“Best Global Brands”を発表しております。 インターブランドについてのさらに詳しい情報についてはhttp://interbrand.com/jpをご覧ください。
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