~ 製薬メーカー208社 MR16,827人が回答 国内初の大規模実態調査より ~ 医師の処方に最も影響を与えているのは「MR」 しかしMR自身は認識せず
公益財団法人 MR認定センター(東京都中央区、以下センター)と、エムスリー株式会社、フライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社は、MR100周年記念事業の一つとして「MR実態調査」を共同で実施いたしました。MR(Medical Representatives:医薬情報担当者)とは、医薬品の適正な使用に資するために、医療関係者を訪問すること等により安全管理情報を収集し、提供することを主な業務として行う者を指します。
今回の調査は、MRが医療の一翼を担うために必要な方策を導き出すことを目的として実施された、日本初の大規模実態調査です。製薬メーカー208社の協力により、16,827人のMRから回答が得られましたが、これは日本国内における全MR数の4分の1以上にあたります。また、医師、薬剤師及び一般営業職に対しても同じ調査項目について質問し、これらの回答を比較・分析しました。
■調査結果概要 ※データの詳細は別紙をご参照ください
1.医師が薬剤を新たに処方する際に最も影響を与えるのは「MR」
薬剤を新たに処方する際に最も影響を与える情報源について、医師は「MR」を1位に選んだ割合が24.4%と最も高い結果となりました【グラフ①】。また、薬剤師への質問でも、新薬の情報を得る際に最も取得する事が多い情報源として「MR」が1位に選ばれた割合が、32.1%とトップになりました【グラフ②】。
一方、MRに対する同様の質問では、医師に最も影響を与えると思うのは「同僚などの他の医師」という回答が最も多く【グラフ③】、MR自身は影響力があることをあまり認識していないことが明らかになりました。
2.MRが医療の一翼を担うために必要な能力は「人柄や人間的な信頼性」と「情報の中立性」
医師、薬剤師、MRそれぞれに、MRが医療の一翼を担うために必要な能力について質問したところ、順位はそれぞれ異なるものの、上位に選ばれた項目は「人柄、マナー、人間的な信頼性」「中立的に情報を提供」「迅速に対応できる」「自社医薬品の学術的な知識の広さ・深さ」の4項目で共通していました【グラフ④】。
このことから、MRには単に知識の正確さだけでなく、医療関連情報を届ける上での信頼性が求められていると言えます。
3.MRは一般営業職よりも「倫理観」「社会貢献」を意識して活動している
営業(情報提供)上、心がけていることについての質問では、上位3項目については「クライアント満足度」「責任感」「熱意、明るさ」となりMRと一般営業職で同じ結果となりました。しかし、MRで続く4位5位に選ばれた「倫理観」「社会貢献」に関し、MRの回答はそれぞれ39.7%、28.1%と高い割合だったのに対し、一般営業職では12.5%、5.8%と、大きな開きがみられました【グラフ⑤】。これは、MRが医療に関わる職業として、自覚と高い倫理観を持って活動していることを示していると考えられます。
4.MRの仕事について「よく知っている」一般営業職は11.3% 「専門知識が豊富」で「接待が多い」イメージ
一般営業職に対しMRの認知度を聞いたところ、MRについて「どのような仕事かよく知っている」と答えた割合はわずか11.3%であり、「名前は聞いたことがある程度」「初めて聞いた」が6割以上と、MRの実態についてほとんど知られていないことが明らかになりました【グラフ⑥】。また、MRのイメージとして「専門知識が豊富」に次いで「接待が多い」があがる一方、「資格が必要」なことはあまり認識されていないという結果になりました【グラフ⑦】。
5.接待の自主規制について薬剤師、MRは「良いと思う」 医師は「どちらとも言えない」
今年度より実施されている製薬業界の接待自主規制の強化について、薬剤師、MRは50%近くが「非常に良いと思う」「良いと思う」と答えましたが、医師では20%強と、受け止め方に開きがみられました【グラフ⑧】。
6.インターネットによる情報提供が広く普及する中 今後も望まれるMRの直接訪問
10年後20年後のMRの望ましい情報提供スタイルについては、インターネットやコールセンターを通してMRが訪問せずに対応するよりも、MRが直接訪問して対応して欲しいと回答した割合がやや高く【グラフ⑨】、インターネットの普及する中でも、医薬情報の提供者としてのMRの訪問が望まれていることが示されました。
7.薬剤師では上級MRの認定制度を求める声が半数以上
より高い資質を求めた新たな試験制度導入の必要性については、医師、MRでの賛成が30%台であるのに対し、薬剤師では58.6%となりました。一方、医師、薬剤師とも、反対は数%とわずかでしたが、MRでは27%が反対となり意識の違いがみられました【グラフ⑩】。
この調査結果を受け、センターの小清水敏昌専務理事は、「今回の調査結果から、医療関係者はおおむねMRから必要な情報を得ていることが分かったが、批判的な意見も当然あり、これは各企業での教育あるいはMR自身の自覚・工夫が必要である。結局、MRは自社製品について有効性・安全性などを的確に相手に伝えること及び医療現場から情報を収集すること、そしてマナーや信頼性を保持して活動することが求められる。一般営業職と比較してMRは『倫理』『社会貢献』を高く心がけていることが分かった。これは以前から教育していたことがかなり浸透したものと考える」と述べています。
今回の調査結果が、適正なMR活動の支援に役立てられるよう、センターでは更に結果を解析し、今後報告書をまとめる予定です。
以上
■公益財団法人 MR認定センターについて
公益財団法人 MR認定センター(旧財団法人医薬情報担当者教育センター:東京都中央区)は、MRに関する認定試験、教育研修事業、企画・調査研究などの事業を行なっています。MRの資質向上により、医薬品の適正使用が図られ、国民の保健衛生向上に寄与することを目指しています。
< MR100周年事業について>
わが国のMR活動は1912年にドイツ人医師ルドルフ・エベリングと日本人薬剤師二宮昌平によって開始されました。MRの登場から100周年にあたる2012年、MR認定センターでは「くすりの向こうに患者さんがいます ~MRが医薬情報活動を通じて医療の一翼を担うために~」をテーマに、100周年記念事業として様々な活動を行なっています。詳しくは特設サイト(http://www.mre.or.jp/mr100th/)をご覧ください。
■エムスリー株式会社について
エムスリー株式会社は、「インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を一人でも増やし、不必要な医療コストを一円でも減らすこと」を目指し、インターネットを利用した様々な医療関連サービスを提供しています。リサーチ事業においては、日本最大級の医療従事者専用サイトm3.comに登録する、医師、薬剤師、看護師などの医療従事者パネルを活かした調査サービス、およびMRや患者に対する調査サービスなど、医療に関するリサーチサービスを幅広く提供しています。
■フライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社について
フライシュマン・ヒラード(Fleishman-Hillard)は、本社を米国セントルイスに置く、世界最大の戦略コミュニケーション®コンサルティング会社です。フライシュマン・ヒラード・ジャパンは、医療専門ユニット「FHヘルスケア」やビジネスコンサルティングユニット「CCW」などの専門ユニットを通じ、製薬企業、医療機器企業などに対して専門的なコミュニケーション・コンサルティングサービスを提供しています。
今回の調査は、MRが医療の一翼を担うために必要な方策を導き出すことを目的として実施された、日本初の大規模実態調査です。製薬メーカー208社の協力により、16,827人のMRから回答が得られましたが、これは日本国内における全MR数の4分の1以上にあたります。また、医師、薬剤師及び一般営業職に対しても同じ調査項目について質問し、これらの回答を比較・分析しました。
■調査結果概要 ※データの詳細は別紙をご参照ください
1.医師が薬剤を新たに処方する際に最も影響を与えるのは「MR」
薬剤を新たに処方する際に最も影響を与える情報源について、医師は「MR」を1位に選んだ割合が24.4%と最も高い結果となりました【グラフ①】。また、薬剤師への質問でも、新薬の情報を得る際に最も取得する事が多い情報源として「MR」が1位に選ばれた割合が、32.1%とトップになりました【グラフ②】。
一方、MRに対する同様の質問では、医師に最も影響を与えると思うのは「同僚などの他の医師」という回答が最も多く【グラフ③】、MR自身は影響力があることをあまり認識していないことが明らかになりました。
2.MRが医療の一翼を担うために必要な能力は「人柄や人間的な信頼性」と「情報の中立性」
医師、薬剤師、MRそれぞれに、MRが医療の一翼を担うために必要な能力について質問したところ、順位はそれぞれ異なるものの、上位に選ばれた項目は「人柄、マナー、人間的な信頼性」「中立的に情報を提供」「迅速に対応できる」「自社医薬品の学術的な知識の広さ・深さ」の4項目で共通していました【グラフ④】。
このことから、MRには単に知識の正確さだけでなく、医療関連情報を届ける上での信頼性が求められていると言えます。
3.MRは一般営業職よりも「倫理観」「社会貢献」を意識して活動している
営業(情報提供)上、心がけていることについての質問では、上位3項目については「クライアント満足度」「責任感」「熱意、明るさ」となりMRと一般営業職で同じ結果となりました。しかし、MRで続く4位5位に選ばれた「倫理観」「社会貢献」に関し、MRの回答はそれぞれ39.7%、28.1%と高い割合だったのに対し、一般営業職では12.5%、5.8%と、大きな開きがみられました【グラフ⑤】。これは、MRが医療に関わる職業として、自覚と高い倫理観を持って活動していることを示していると考えられます。
4.MRの仕事について「よく知っている」一般営業職は11.3% 「専門知識が豊富」で「接待が多い」イメージ
一般営業職に対しMRの認知度を聞いたところ、MRについて「どのような仕事かよく知っている」と答えた割合はわずか11.3%であり、「名前は聞いたことがある程度」「初めて聞いた」が6割以上と、MRの実態についてほとんど知られていないことが明らかになりました【グラフ⑥】。また、MRのイメージとして「専門知識が豊富」に次いで「接待が多い」があがる一方、「資格が必要」なことはあまり認識されていないという結果になりました【グラフ⑦】。
5.接待の自主規制について薬剤師、MRは「良いと思う」 医師は「どちらとも言えない」
今年度より実施されている製薬業界の接待自主規制の強化について、薬剤師、MRは50%近くが「非常に良いと思う」「良いと思う」と答えましたが、医師では20%強と、受け止め方に開きがみられました【グラフ⑧】。
6.インターネットによる情報提供が広く普及する中 今後も望まれるMRの直接訪問
10年後20年後のMRの望ましい情報提供スタイルについては、インターネットやコールセンターを通してMRが訪問せずに対応するよりも、MRが直接訪問して対応して欲しいと回答した割合がやや高く【グラフ⑨】、インターネットの普及する中でも、医薬情報の提供者としてのMRの訪問が望まれていることが示されました。
7.薬剤師では上級MRの認定制度を求める声が半数以上
より高い資質を求めた新たな試験制度導入の必要性については、医師、MRでの賛成が30%台であるのに対し、薬剤師では58.6%となりました。一方、医師、薬剤師とも、反対は数%とわずかでしたが、MRでは27%が反対となり意識の違いがみられました【グラフ⑩】。
この調査結果を受け、センターの小清水敏昌専務理事は、「今回の調査結果から、医療関係者はおおむねMRから必要な情報を得ていることが分かったが、批判的な意見も当然あり、これは各企業での教育あるいはMR自身の自覚・工夫が必要である。結局、MRは自社製品について有効性・安全性などを的確に相手に伝えること及び医療現場から情報を収集すること、そしてマナーや信頼性を保持して活動することが求められる。一般営業職と比較してMRは『倫理』『社会貢献』を高く心がけていることが分かった。これは以前から教育していたことがかなり浸透したものと考える」と述べています。
今回の調査結果が、適正なMR活動の支援に役立てられるよう、センターでは更に結果を解析し、今後報告書をまとめる予定です。
以上
■公益財団法人 MR認定センターについて
公益財団法人 MR認定センター(旧財団法人医薬情報担当者教育センター:東京都中央区)は、MRに関する認定試験、教育研修事業、企画・調査研究などの事業を行なっています。MRの資質向上により、医薬品の適正使用が図られ、国民の保健衛生向上に寄与することを目指しています。
< MR100周年事業について>
わが国のMR活動は1912年にドイツ人医師ルドルフ・エベリングと日本人薬剤師二宮昌平によって開始されました。MRの登場から100周年にあたる2012年、MR認定センターでは「くすりの向こうに患者さんがいます ~MRが医薬情報活動を通じて医療の一翼を担うために~」をテーマに、100周年記念事業として様々な活動を行なっています。詳しくは特設サイト(http://www.mre.or.jp/mr100th/)をご覧ください。
■エムスリー株式会社について
エムスリー株式会社は、「インターネットを活用し、健康で楽しく長生きする人を一人でも増やし、不必要な医療コストを一円でも減らすこと」を目指し、インターネットを利用した様々な医療関連サービスを提供しています。リサーチ事業においては、日本最大級の医療従事者専用サイトm3.comに登録する、医師、薬剤師、看護師などの医療従事者パネルを活かした調査サービス、およびMRや患者に対する調査サービスなど、医療に関するリサーチサービスを幅広く提供しています。
■フライシュマン・ヒラード・ジャパン株式会社について
フライシュマン・ヒラード(Fleishman-Hillard)は、本社を米国セントルイスに置く、世界最大の戦略コミュニケーション®コンサルティング会社です。フライシュマン・ヒラード・ジャパンは、医療専門ユニット「FHヘルスケア」やビジネスコンサルティングユニット「CCW」などの専門ユニットを通じ、製薬企業、医療機器企業などに対して専門的なコミュニケーション・コンサルティングサービスを提供しています。
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