国立西洋美術館「松方コレクション西洋美術全作品 第1巻 絵画」が、収蔵作品管理システム×自動組版×デジタル印刷で発刊
国立西洋美術館が執筆・編集し、株式会社平凡社より7月17日に発売された「松方コレクション西洋美術全作品 第1巻 絵画」(以下、「松方コレクション全作品」)では、日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社(以下、日本写真印刷コミュニケーションズ)が提供するデータベース編集システム、自動組版システム、デジタル印刷を組み合わせた、新しい美術書籍発行の仕組みが採用されています。
1. 松方コレクションおよび「松方コレクション 西洋美術全作品 第1巻 絵画」について
戦前に川崎造船所の社長をつとめた松方幸次郎(*1)は、第一次世界大戦中のヨーロッパで10,000点にもおよぶ膨大なコレクションを収集しました。この内、第二次大戦中パリに残されていた約400点の作品は、戦後わが国がサンフランシスコ講和条約を経て国際社会に復帰する際にフランスから寄贈返還され、これを展示する施設として国立西洋美術館が設立されました。今回刊行される「松方コレクション全作品」は、作品の収集を開始した1916年から100周年を迎えたことを契機に、わが国に西洋美術が紹介された歴史の解明と、松方幸次郎の顕彰を目的に、学術的観点からそのコレクションの全貌を明らかにするものです(浮世絵等、東洋美術を除く)。
今般制作の過程で、1939年のロンドンの美術倉庫の火災によって焼失し「幻」となっていた約900点のリストが、国立西洋美術館の学芸員によって発見されました(*2)。今後の美術史研究の進展が期待されています。
*1 国立西洋美術館Webサイト「松方コレクション」https://www.nmwa.go.jp/jp/about/matsukata.html
*2同Webサイト お知らせ「ロンドンで焼失した松方コレクション作品に関する文書の発見について」https://www.nmwa.go.jp/jp/information/pdf/20160905pantechnicon.pdf
「松方コレクション 西洋美術全作品 第1巻 絵画」
・執筆/編集 国立西洋美術館
・出版社株式会社平凡社
・発売日2018年7月17日
・判型/ページ数 A4 390ページ
・価格 32,000円(税別)
2. 日本写真印刷コミュニケーションズが提供する文化財アートソリューション事業
日本写真印刷コミュニケーションズでは、高精細デジタル撮影から、作品情報の管理、出版物等の製作、インターネットへの情報配信等、美術館・博物館向け「ワンストップでソリューション提供」のコンセプトのもと、文化財アートソリューション事業を展開しております。 http://artize.nissha-comms.co.jp/
今回の「松方コレクション全作品」刊行にあたっては、以下の3つのソリューションを提供しました。
a. 美術館・博物館向け収蔵作品管理システム「Artize MA(アルタイズ・エム・エー)」
b. 自動組版システム
c. 高品質カラーデジタル印刷システム「NDP(Nissha Digital Printing)」
a. 美術館・博物館向け収蔵作品管理システム「Artize MA(アルタイズ・エム・エー)」
松方コレクションはその膨大な作品点数とともに、絵画・彫刻・版画・素描・工芸と多くのジャンルがあり、作家の国籍も複数にわたるなど、多様性に富んでいます。このため国立西洋美術館では複数の学芸員が専門分野ごとに分担して原稿の執筆を行っています。Artize MAでは、WEBブラウザー経由で原稿を執筆でき、各ご担当者の寄稿・編集状況を共有できる仕組みを提供しています。加えて、Artize MAは国立西洋美術館の学芸業務支援にも採用されているため、同館所蔵作品についてデータベースに蓄積された作品画像や「来歴」「展覧会歴」「文献歴」などの学術情報は「松方コレクション全作品」の原稿に転用することができ、効率的な原稿執筆に活用されています。
b. 自動組版システム
Artize MAのデータベースに蓄えられた原稿は、自動組版システムにより、テンプレートを介してページレイアウトが作成されます。「松方コレクション全作品」は3,000点近い作品の学術情報を掲載したデータ・ブックであると同時に、優れた作品を集めた美術書でもあります。このため本文は、平凡社が起用したデザイナーとの綿密な打ち合わせによってデザインされました。日本写真印刷コミュニケーションズが開発・提供する自動組版システムでは、多量の掲載作品に対応した組版作業の効率化はもちろん、掲載作品ごとに異なる画像の有無や、テキスト量の多寡などの条件によって自動的に紙面構成を変化させることが可能となり、「美」と「学術情報量の可読性」を追求した組版を実現しています。
c. 高品質カラーデジタル印刷システム「NDP(Nissha Digital Printing)」
「松方コレクション全作品」は掲載する作品点数と情報量から、大量のページ数になります。また、対象読者層を美術史研究者に特化した専門書であり、初版発行部数は限られる予定です。一方で、学術的な価値から国内の専門家や研究室、専門図書館はもちろん、海外の美術館や大学などからの高評価も期待されており、ロング・テールな商品となる可能性があります。在庫リスクの軽減と少部数再版時の省コスト化に対応するため、高品質カラーデジタル印刷システムの技術により、大量・極小を問わず同品質の印刷物作成が可能となり、一般書籍流通に最適なスキームを提供します。 これまで日本写真印刷コミュニケーションズでは、主にオフセット印刷を用いて高品位な印刷物を提供してまいりました。NDPでは長年培ったカラーマネジメントの技術力で最新のデジタル印刷機をカスタマイズし、オフセット印刷と遜色ない優れた色調再現性と、小ロットでもコスト・パフォーマンスを発揮できるシステムを実現しています。
3. 今後の展開
日本写真印刷コミュニケーションズの提供する文化財アートソリューション事業では、美術館・博物館向けのソリューションを今後も拡充させてまいります。今回採用された自動組版システムとデジタル印刷の組み合わせをさらに発展させ、小ロット・高品質の図録や作品集を手軽に作成いただけるシステムを提供する予定です。
http://artize.nissha-comms.co.jp/
4.お問い合わせ
日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社
ArtSolutionPT@nissha.com
日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社概要
戦前に川崎造船所の社長をつとめた松方幸次郎(*1)は、第一次世界大戦中のヨーロッパで10,000点にもおよぶ膨大なコレクションを収集しました。この内、第二次大戦中パリに残されていた約400点の作品は、戦後わが国がサンフランシスコ講和条約を経て国際社会に復帰する際にフランスから寄贈返還され、これを展示する施設として国立西洋美術館が設立されました。今回刊行される「松方コレクション全作品」は、作品の収集を開始した1916年から100周年を迎えたことを契機に、わが国に西洋美術が紹介された歴史の解明と、松方幸次郎の顕彰を目的に、学術的観点からそのコレクションの全貌を明らかにするものです(浮世絵等、東洋美術を除く)。
今般制作の過程で、1939年のロンドンの美術倉庫の火災によって焼失し「幻」となっていた約900点のリストが、国立西洋美術館の学芸員によって発見されました(*2)。今後の美術史研究の進展が期待されています。
*1 国立西洋美術館Webサイト「松方コレクション」https://www.nmwa.go.jp/jp/about/matsukata.html
*2同Webサイト お知らせ「ロンドンで焼失した松方コレクション作品に関する文書の発見について」https://www.nmwa.go.jp/jp/information/pdf/20160905pantechnicon.pdf
「松方コレクション 西洋美術全作品 第1巻 絵画」
・執筆/編集 国立西洋美術館
・出版社株式会社平凡社
・発売日2018年7月17日
・判型/ページ数 A4 390ページ
・価格 32,000円(税別)
2. 日本写真印刷コミュニケーションズが提供する文化財アートソリューション事業
日本写真印刷コミュニケーションズでは、高精細デジタル撮影から、作品情報の管理、出版物等の製作、インターネットへの情報配信等、美術館・博物館向け「ワンストップでソリューション提供」のコンセプトのもと、文化財アートソリューション事業を展開しております。 http://artize.nissha-comms.co.jp/
今回の「松方コレクション全作品」刊行にあたっては、以下の3つのソリューションを提供しました。
a. 美術館・博物館向け収蔵作品管理システム「Artize MA(アルタイズ・エム・エー)」
b. 自動組版システム
c. 高品質カラーデジタル印刷システム「NDP(Nissha Digital Printing)」
a. 美術館・博物館向け収蔵作品管理システム「Artize MA(アルタイズ・エム・エー)」
松方コレクションはその膨大な作品点数とともに、絵画・彫刻・版画・素描・工芸と多くのジャンルがあり、作家の国籍も複数にわたるなど、多様性に富んでいます。このため国立西洋美術館では複数の学芸員が専門分野ごとに分担して原稿の執筆を行っています。Artize MAでは、WEBブラウザー経由で原稿を執筆でき、各ご担当者の寄稿・編集状況を共有できる仕組みを提供しています。加えて、Artize MAは国立西洋美術館の学芸業務支援にも採用されているため、同館所蔵作品についてデータベースに蓄積された作品画像や「来歴」「展覧会歴」「文献歴」などの学術情報は「松方コレクション全作品」の原稿に転用することができ、効率的な原稿執筆に活用されています。
b. 自動組版システム
Artize MAのデータベースに蓄えられた原稿は、自動組版システムにより、テンプレートを介してページレイアウトが作成されます。「松方コレクション全作品」は3,000点近い作品の学術情報を掲載したデータ・ブックであると同時に、優れた作品を集めた美術書でもあります。このため本文は、平凡社が起用したデザイナーとの綿密な打ち合わせによってデザインされました。日本写真印刷コミュニケーションズが開発・提供する自動組版システムでは、多量の掲載作品に対応した組版作業の効率化はもちろん、掲載作品ごとに異なる画像の有無や、テキスト量の多寡などの条件によって自動的に紙面構成を変化させることが可能となり、「美」と「学術情報量の可読性」を追求した組版を実現しています。
c. 高品質カラーデジタル印刷システム「NDP(Nissha Digital Printing)」
「松方コレクション全作品」は掲載する作品点数と情報量から、大量のページ数になります。また、対象読者層を美術史研究者に特化した専門書であり、初版発行部数は限られる予定です。一方で、学術的な価値から国内の専門家や研究室、専門図書館はもちろん、海外の美術館や大学などからの高評価も期待されており、ロング・テールな商品となる可能性があります。在庫リスクの軽減と少部数再版時の省コスト化に対応するため、高品質カラーデジタル印刷システムの技術により、大量・極小を問わず同品質の印刷物作成が可能となり、一般書籍流通に最適なスキームを提供します。 これまで日本写真印刷コミュニケーションズでは、主にオフセット印刷を用いて高品位な印刷物を提供してまいりました。NDPでは長年培ったカラーマネジメントの技術力で最新のデジタル印刷機をカスタマイズし、オフセット印刷と遜色ない優れた色調再現性と、小ロットでもコスト・パフォーマンスを発揮できるシステムを実現しています。
3. 今後の展開
日本写真印刷コミュニケーションズの提供する文化財アートソリューション事業では、美術館・博物館向けのソリューションを今後も拡充させてまいります。今回採用された自動組版システムとデジタル印刷の組み合わせをさらに発展させ、小ロット・高品質の図録や作品集を手軽に作成いただけるシステムを提供する予定です。
http://artize.nissha-comms.co.jp/
4.お問い合わせ
日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社
ArtSolutionPT@nissha.com
日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社概要
商号 | 日本写真印刷コミュニケーションズ株式会社 |
本社所在地 | 京都市中京区壬生花井町3番地 |
代表者 | 代表取締役 村瀬 俊司 |
事業内容 | 出版印刷および商業印刷などの製品ならびにサービスの企画、開発、生産ならびに販売 |
資本金 | 100百万円(NISSHA株式会社の子会社) |
設立年月日 | 2015年4月27日 |
ウェブサイト | http://www.nissha-comms.co.jp/ |
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